午前四時
逃げ出した猫の行方杳
捜索と散策な融和
宵の影は 光の数だけ
濃淡 長短 踊り出す
並んだ窓の奥にこもる
それぞれの恙無い匂い
星を眺めてる 花達も
ほんのり はんなり 笑い出す
遅すぎる夜と 早すぎる朝と
東雲 にじんで 静寂 紫
朦朧な現 鮮やかな夢
逡巡に満ちた 午前四時
空っぽなまま 帰宅すれば
扉の前には 丸い猫
甘くて辛くて酸っぱいまま
とにかく とやかく 抱き上げた
持て余す夜と 弄ぶ朝と
黎明 なじんで 寂寥 紫
鈍重な現 軽やかな夢
恭順に満ちた 午前四時
身に沁みる夜と 目に浸みる朝と
東雲 にじんで 静寂 紫
朦朧な現 鮮やかな夢
逡巡に満ちた 午前四時