伝説の松本ピアノ
日本ピアノ調律師協会 関東支部 広報部企画
「伝説の松本ピアノ」と称したセミナーに参加してきました!
はい 大興奮な帰宅になりました!
御茶ノ水駅を降りて 後輩と トコトコ 楽器会館へ
ここは 日ピの総本山でもあり
何故か分かりませんが ちょっと緊張するものです…
3階の会議室が会場になっており
すでに 大先輩や中先輩や
何故か 同級生の天敵やらが… げ!
野本さんの司会で 会はスタート
広報部久保田部長の挨拶もあり
関東地区ピアノメーカーシリーズの意義を伺いました
そうなんです
ピアノといえば浜松ですが
関東にもピアノメーカーがいくつかあったのです
ホルーゲル シュベスターに続いて
今回は松本ピアノ
東京と 千葉の君津に工場があったのです!
調律学校時代に 「宮さんのピアノ調律史」という本を読んで
銀座の山野楽器に行き 店員さんに 尋ねたものです
「あのー松本楽器は 置いてないんですか?」
インターネットなど無い時代ですから
すっかり松本ピアノは もう無くなっていると思ってました
しかし どうやら1992年まで作っていたことを 今回初めて知りました
セミナーは 続いて今年2月に君津で行われた
「松本ピアノ100年物語」という公演の映像を鑑賞
100年に渡り 3代でピアノ作りに励んだファミリーの紹介です
初代の松本新吉さんは 君津に生まれ
西川オルガンで修行の後 単身アメリカに行き
ピアノ製作技術を取得するのですが それが1900年の話なんです!
帰国して 新吉さんは アメリカでお世話になったブラッドベリー社の
「スイートトーン」というコンセプトを重心にして
東京は月島で 国産初のピアノ製作を開始します
月島の工場は その後 何度か火災や台風で受難の歴史になるのですが
新吉さんは 長男の広さんに 東京の工場を任せ
御自身は 郷里の君津へ戻り 八重原に工場を構えます
「松本ピアノ100年物語」の中では
3代の それぞれが製作したピアノが 3台並べられ
それぞれ 小さな曲を演奏する場面もありました
2007年に 八重原工場は閉鎖されてしまうのですが
3代目の 松本新一さんが 舞台で挨拶して 映像は終了します
プロジェクターが終わると 会議室には蛍光灯がまばたきしました
休憩に入る前に 今日のゲストを紹介します とアナウンスする野本さん
お一人目は 「松本ピアノ・オルガン保存会」会長の 九島行正さん
1月に 松本ピアノの歴史の本が出来上がる旨 伺いました!
そして ゲストの最後に な なんと・・・
3代目 松本新一さんが 紹介されたのです!
御年77歳とは とても思えない 溌剌とされた風貌と御挨拶!
休憩時間になり 早速 ゲスト席へ行き
いろいろ お話を伺いました!
もう興奮してしまい 「必ず 君津へ見学へ伺います!」
松本ピアノは 工場こそ無くなったものの
現在も 工房が周南中学校の敷地の中にあり
そこには展示場もあるというのですから…
実は 楽器会館に向かう道すがら
後輩と 「つまらなかったら そっと 帰っちゃおうぜ」 などと言い
ドロンしやすい 後ろの席に座っていたのですが・・・
どうして どうして
内容も サプライズも
やるじゃん 日ピ!
後半は 宇都宮誠一元会長の講演
誠一さんの お父さん信一さんは
「宮さんのピアノ調律史」の著者でもあり…
NHK「四季ユートピア」というドラマにも
調律師役として 出演していたのです!
このドラマがなかったら 自分は調律師やってませんでした!
このドラマは ヴァイオリンケースに工具を入れた
女性の調律師が 主人公なのですが
姉は これを見て 「調律師になりたい!」と思ったそうで
しかし 英文科の大学に行ってしまって
家には 調律学校のカタログが たくさんあり
自分は そのカタログの影響で 調律学校に行ったのであります!
まあ いいや
宇都宮さんの講演の中では
調律師は やはり ピアノを造る経験が必要だと
調律は 最後に楽器に魂を込める作業だったと
分かります
自分もオーハシに行って
ピアノを造って 本当に実感したものです
メンテする楽器は 自分で造ってみなければ…
そんな動機で チェンバロも設計から独学で造り始めて
それが どれだけ大きな筋肉になってくれていることか
でもね
今の多くの調律師は 当時のように
恵まれた環境が無いのも 事実なんです
現在 世界トップのピアノ生産国は中国
日本が開発した 大量生産のシステムのもと
大きな工場で ガッシャンガッシャン そういう時代なのです
それでも 多くの調律師は
本当に 音楽に貢献する仕事をしているし
魂を入れてるんだよね きちんと
それはちょうど 古今の音楽事情にも似てるかな
昔は 作曲家は演奏家だったけど
今は それぞれ 作る人 奏でる人 分担してるもんね
まあ いいや
そんなわけで 充実した2時間が終了しました!
ふだん あまり日ピの催しには 足を運ばないのですが
今回は 本当に参加してよかった!
たくさんの 刺激のスイッチを押してもらえたし
かたよっていた 自分の日本ピアノ史も 書き換えられそうだし
いろいろ 元気になれちまったぜ!
企画してくださった 日ピ広報部の皆様 お疲れ様でした!
遠路はるばる お越しいただいた 松本ピアノ関係の皆様にも
心から ありがとうを贈らせていただきます!
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