暑さ暑さも彼岸まで
後輩は 律儀に
毎日 私に連絡をしてくれる
「先輩 生きてますか?」
確かに 一人暮らしは 生存確認が必要だが
後輩の本当の心は 私の安否ではなく
私に貸してる借金が 返済不能になることを恐れている
『ああ 今日は いつにも増して 元気だ!』
「高温注意報が出てますが 生きてますか?」
『ああ 今日は快調で アイスノンも必要ない』
「うげげ 人間じゃねー」
冷房 扇風機が無い部屋では 40℃を超える
暑い日は アイスノンを首にあてるのだが
今日は 何故か 暑さを感じない
『君も そろそろ モジモジ君を着たらどうかね』
「あんな 恥ずかしいモノ着るくらいなら 切腹です」
切腹する勇気があれば モジモジ君は着れるはずなのだが
「ウチは 冷房つけてるのに 暑いんですよ! 死んじゃいますよ」
『大丈夫だ パソコンには ちゃんと氷が敷いてあるから』
「先輩 論点がズレてます! 頭大丈夫ですか?」
頭の中身は 明晰なのだが
頭の具合は 一向に回復しない
首が振れないのは 借金のせいだけじゃないようだ
そんな会話をしていたら
携帯が バカみたいに 熱くなったので
恐ろしくなって 電話を 勝手に切ってやった
ブツッ
ヒヒヒ
世界一 軽薄なメディアス君は
きっと 暑さに弱いのだろう
だから 冷蔵庫に入れてやった
すっかり そのコトを忘れていた
だいたい 普段から
携帯の存在なぞ 無視しているからして
視界に存在しなくても 何の違和感もない
それが 間違いだった・・・
悶絶茶を飲もうと 冷蔵庫を開けると
何やら 見たことのない物体が そこにある
ハテ こんなチョコレート 買ったっけ?
それが 携帯であることに気づいた時には・・・
遅かった・・・
電源が 入らなくなってしまったのだ・・・
急激に 温度を回復するには
やはり 電子レンジだろうか・・・
などと思い浮かんだが やめておいた
いつだったか
子供が 濡れたネコを乾かそうと 電子レンジに入れて
むごい結末を迎えた事件を 思い出したからだ・・・
携帯は 体温が無いくせに
死ぬと やはり 冷たくなるのか・・・
ごめんよ メディアス君・・・
彼は 手の中で 結露し始めた
ああ これが 携帯の涙なのだ
なんだか 視界まで ぼやけてきた・・・
あん?
40℃を超えても 明晰な頭脳は
よーく よーく 記憶を辿ってみた
そして 結論が出た! 「そうだ 京都行こう!」
京都は 何の意味もないが
携帯の充電が 無くなっただけだったことに気付いた
すかさず 別の電池と入れ替えると・・・
キリストですら 3日もかかったのに
我がメディアス君は 3秒で復活した!
オー マイ ガット! (=嗚呼 私の腸よ!)
そんな 人類の生存をかけた 暑さとの攻防も
今日まで というから なんだか淋しい
後輩は 涼しくなったら 安否確認をしてこないだろう
代わりに 毎日 督促状が 送られてくることだろう・・・
オー マイ ガット! (=大前研一の腸)
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Comments
> 私に貸してる借金が
この表現、ちょっと変
それはともかく、ガットから鉄弦に替えて、だいぶ経ったなあ
Posted by: 愛宕町私設ライブラリ | 11. 08. 18 PM 5:57
たしかに
貸している借金、は
馬から落馬、とか
今朝の朝刊、とか
愛宕町さん、ガットは止めちゃったんですか?
Posted by: おおぐま | 11. 08. 18 PM 10:44
後輩→先輩 への安否確認はあるのに
先輩→後輩 への安否確認はしないの?
頭痛は、『むちうち』によるものなのでしょか。。。
Posted by: ichigokko | 11. 08. 18 PM 11:20
Dear 愛宕町私設ライブラリ
いい指摘だ!頭痛が痛いぜ!
Dear おおぐま
いい例文だ!陣痛も痛いぜ!
Dear ichigokko
後輩は くたばらないので 安否確認なし!
「ムチウチ」だと思ってますが
とりあえず 明日の練習試合は無理そうです X(
Posted by: anonymous | 11. 08. 19 AM 10:53