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11. 08. 12

前略 森の中より ②

先日 森を歩いた
テクテク テクテク 汗だくになって
大自然の中の 小さな小さな存在になって


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前を見ても 後ろを見ても
人間は 誰もいない 一人ぼっち
たくさんの生命は 溢れているのだけれど


登りたい山が 見つかったら
だいたいの時間を計算して
遅くても 15時には 下山できるようにして


誰も 助けてくれないから
様々なアクシデントも 想定して
そうやって 初めて 本当の自由


山頂に 辿り着いて
そこにいなければ 出会わなかった
広い広い景色を たくさん吸い込んで


下ってゆくのは 上りより慎重に
使う筋肉も 配慮も 異なるから
時々 岩を掴んで 幹を掴んで


もうすぐ 里に下りられると思うと
不思議な 矛盾が 疼くんだ


もっと 森の中にいたい気持ちと
やっと 帰れるという安堵と


それは コンサートも スポーツも
同じだなあ って思ったり
終わりたくないけど 終わりがあるから 楽しめて


美嚢は 舌の上にあるのだけれど
おいしい と思えるのは 
どうしてだろう 飲み込む時なんだよね


口の中だけで おいしさを感じられるのなら
僕は ずっと 鴨肉を咀嚼していれば いいのだけれど
そうじゃないから ゴクリ そして また 箸を伸ばして


だから とても おいしい森の中でも
ポツネンと佇んでいるんじゃなくて
上へ上へ 下へ下へ 歩き続けて味わうんだと思う


いつだって おいしいさは 
過程でしかないのかも知れない


森が終われば 里 そして街
降りてきた山を 振り返って
ありがとう とか ごちそうさま とか


 


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