象に乗った帝釈天
ひがみっぽい工作員としては
大きな矛盾を 内包していて
なんだか それが わずらわしく おもしろい
美術館やら クラシックのコンサートなど
そんなトコへ行くのは 見栄っ張りの
ブルジョワ野郎という 根拠のない偏見をもっている
汗水たらす 労働者としては
そんな 腹が膨れないモノに
金と時間を 使ってられねーぜ
と 本気で思ってるワリに
時々 ふらりと 展覧会に行き
妙に満たされて ニンマリするのだから 矛盾である
レンブラント 空海 古代ギリシャ
上半期に足を運んだのは
大がかりな催しばかりだった
私は 展覧会で 純粋に作品を楽しむのは
全体の2割にも 満たない程度である
絵画であれば 必ず 額縁に目がいく
隣の絵の額縁と この絵の額縁を 交換したら
この絵は もっと こういう雰囲気になるだろう などと
陳列のされ方にも 好奇心が刺激される
隣との間隔が もう少し空いていれば
この作品は もっと 異なった印象を抱くだろうな などと
観覧している人々は 作品よりも面白い
仕方なく つきあわせれてる彼氏さんや
訳知顔で 解説をしたがる おじさまや
憑かれたように 立ち尽くす娘さんや
耳鼻科へ行った方がよさそうな 香水おばさんや
そして 時々 私のように 人間観察を楽しんでいる人 などと
そんな流れの中で
やはり 引力を持った 同じ周波数の作品に巡り合うと
ニヤリ と憑かれて その作者の心理を空想する
記念に 私は クリアーファイルを購入する
私が気に入った作品が クリアーファイルになってる時は
おお と 売店で ニンマリと充足する
たいてい 私が気に入るのは 素朴なモノが多い
藝術というと 今では
多くの対象者の 共感や驚愕を期待しているように思える
しかし 私は その匂いがしてるだけで ゲンナリとしてしまう
山中の 名もなき 地蔵に しびれるように
自分の中へ中へ それが作品の中に感じられると
私は 最小公倍数の共感を得られるようだ
それは やはり
汗水たらす 労働者だからかも知れない
DNAに ブルジョアが 含まれてないのだろう
ま ひがみっぽい工作員としては
分相応の 等身大で体温のある 人の仕事と出会えると
それだけで 嬉しくなるのだから わずらわしく おもしろい
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