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11. 04. 07

小さな日の丸

私は 政治に口を挟まない
当然である
一度も 投票に行ったことがないから


どうやら ナニガシかの選挙が 近づいたようである


私は この頃になると 常々 思っている
あの 選挙カーに乗って マイクを持っている人の人選を
もっと しっかりやったら いかがなものだろうか


黄色い声は 静かな昼下がりには そぐわない
もっと アルトでハスキーな 群青の声であれば
どうせ守れない公約だって 素敵に響くはずである


Okosma


選挙の季節を楽しんでみないか?


まず ファミリーレストランへ行き
そこで お子様ランチを頼むんだ
「あのー 小学生以下の お子様限定なんですけど」


そう断られかけたら 飛び切りの笑顔で切り返そう
『ミシュランの お子様ランチ特集の取材に 御協力下さい』
困惑したウエイトレスは それでも 笑顔で承諾してくれるハズだ


テーブルに運ばれてきた お子様ランチ
周囲の冷めた視線を 気にすることなく
まずは チキンライスに刺さっている 日の丸を抜こう


タコさん カニさんの ソーセージは 添えてあるかい?
プッチンされたばかりのようなプリンは 揺れているかい?
食べ終わった皿には アニメがプリントされているかい?


会計の時 同じウエイトレスが レジにいたら
『チキンライスのケチャップを 変えるだけで 三ツ星になれますよ』
そう シェフに伝言を言づけて お釣りは 募金箱へ入れよう


店を出たら 路傍に佇んで 耳をすまそう
ほどなくして どこからともなく 聞こえてくるだろう?
名前を連呼する 騒音を散布する車の接近が


正体が視界に入ったら 
おもむろに ポケットから 日の丸を取り出して
散布車に見えるように 高く手を挙げて 振ってみせるんだ


すると 重心の無い理想を謳っている途中でも
「ありがとうございます 日の丸を振っての応援 ありがとうございます」
必ず 君だけに向かって 黄色い感謝が飛んでくるはずだから


通り過ぎざまに 聞こえるように 叫んであげよう
『ナトリさーん がんばってください!』
別に ナトリさんじゃなくてもいいさ


対立候補の名前を叫べるなら
なおさら クライマックスは盛り上がるものだから


その声を聴いて
黄色い声は どのように反応したかな?
絶句したかい? 無視して笑顔で過ぎたかい?


爪楊枝の日の丸は 捨てちゃだめだ
帰宅して テーブルの上のリンゴにでも刺し
がんばれ ニッポン って つぶやくんだ!


人間は 体全体で 生きている
脳は それを司ってるだけで
細胞 ひとつひとつが 人間なんだ


国というのは 政治ではない
国民 ひとりひとりが 国なんだ
だから ひとりひとりが ニッポンなんだ


明日も 背広の内ポケットに 日の丸を忍ばせて
黄色い声が 近づいてきたら 振ってみせよう
ひとりひとりのニッポンが ひとりひとりのニッポンを
精一杯 応援してやろうじゃないか

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