輝く男のベト7
こんなアレンジがあるんだ ふうん
僕は 機械を止めて 静寂を 呼び戻し
ケンタの工房の 小さなFMから 流れてくる
その曲に しばし 聴き入った
「この曲 何でしたっけ」
ケンタも 張弦をしながら 僕の背中に尋ねてきた
『ベト7の2楽章』
『サラブライトマンって 知ってる?』
「ええ 有名ですよ」
『サラブレットの男 と 覚えればいいか』
「違いますよ サラ・ブライトマンですよ」
ふうん 覚えにくい名前だ
ベートーベン 交響曲7番
のだめで 一躍 有名になったようだが
僕にとっても とても思い出深い曲
浜松時代 朝6時半になると
この曲が 勤労青少年寮のスピーカーから
朗々と流れていたものだ
もっとも カラヤンの全楽章だったが・・・
寮母さんから 「何か おすすめの曲ない?」と問われて
迷わずに この曲を教えてあげたのだが
ラジヲ体操の代わりに流すには あまりにギャップがありすぎて苦笑した
この曲を 初めて聴いたのは
調律の専門学校時代
知人のクラシックマニアの お宅に伺って
フルトヴェングラーを好きになったのも
この ベト7だった記憶がある
遠藤周作の「沈黙」と 同じように
定期的な 幾つかの 貴重なタイミングで
いろいろなことを ねじったり 剥皮させてくれる作品
ありがとう サラブレットの男
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