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10. 11. 27

ミッションC バロック音楽の風景

世田谷 松沢教会


27


Ut/Fa

リコーダー 宇治川朝政
チェンバロ 福間彩


27p


東海道と 中仙道について 調べたことがあった
400年ほど前に 江戸幕府が整えた
京と 東の京をつなぐ 当時の幹線道である


山や峠の隆起 そして 距離だけ考えれば
東海道は 有利な街道だった
しかし 時に 中仙道より 長い時間がかかることがあったという


それは 海岸に近いため 川幅が広く
大雨や台風で 増水すると
川を渡ることができず 何日も足止めされたからだ


当時は 河口付近の広い川には 橋など架けられず
人夫が担いで 川を渡っていた
参勤交代などでは さぞ 大変なことだったろう


その点 中仙道は 険しい山道の連続にも関わらず
増水しても 狭い川幅は 容易に渡ることができ
天候による 時間のロスは少なかったという


・・・・・・・・・


今日のプログラムは
バロック時代の ヨーロッパの諸国を
旅するものだった


なるほど
それぞれの国々で さまざまな特徴があり
使用されるリコーダーも それぞれの趣に沿っている


そして ふと 旅の険しさを 思い出した


立ちはだかる アルプスや 海峡は
当時の人々にとって 
どれだけ 大きな労苦を 強要したことだろう


ボタンひとつで 
地球の反対側の様子を
見たり聞いたりできる現代


まだ 動物のサイズだった 人間たちは
それぞれの地域で 植物のように
大きな移動もせず 一生を終えていった


だからこそ 発酵できた 文化や風俗


もしかしたら 当時の作曲家は
現代より もっとグローバルに憧れていたかも知れない
そして それを求道すればするほど 地域色に染まってゆく芳醇


早い回転になれば なるほど
強まってゆく 遠心力と求心力のように
便利な現代には残せない 土壌の匂い


そんな旅を させてもらった 昼下がりだった
 

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