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10. 04. 14

深町商店を訪ねて ①

「おはようございます! ピアノ完成しましたよ!」


私は その朗報に ときめいた!
ついに ついに ケンタのブロードウッド・モデルのピアノが完成したんだ!
私は 早速 彼の工房を訪ねることにした


埼玉県は朝霞市に 深町商店の工房がある
その工房の扉を開けると 「ようこそ!」という彼の声と共に
あまりに眩しい 生まれたてのピアノが 目に飛び込んできた!


今回は このピアノを製作した 深町商店の店主
深町研太氏へのインタビューを 連載してみたいと思う
以下 太字が深町氏の言葉である


1


遂に新しいピアノが完成しましたね!
おめでとうございます!
いろいろ お話を聞かせてください!


はい 喜んで! 
何でも お尋ね下さい!


前回は 確かジルバーマンのピアノでしたが
今回は 何故 ブロードウッドを選んだのですか?


私は チェンバロ製作を本業としておりますが
かねてより フォルテピアノという分野にも
大変興味があり いつかはフォルテピアノを製作したいと考えておりました


しかし フォルテピアノというと
ヴァルターやシュタインといった
ウィーン式のものが主流と思われますが・・・


はい これらの楽器は モーツァルト ベートーヴェン シュベールト といった
偉大な作曲家と関わりを持ち 
楽器としても個性的 かつ 魅力的で 一時代の隆盛を極めたことは確かですが
現在のピアノの直接の祖先とは 言い切れない部分もあります


というと?


確かにウィーン式のアクションは 
クリストォフォリによる ピアノアクション発明の後
突然変異的 天才的発明によって誕生した
ピアノの歴史の 一支流と言えます


しかし その大きな支流は 残念ながら滅びてしまいましたね?


ええ 一方 ピアノの歴史の もう一つの重要な支流である
イギリス式アクションのピアノは 現在のピアノの直接の祖先 
かつ クリストォフォリ ジルバーマンの 直系の子孫であるにも関わらず
現在の古楽器製作シーンからは 完全に抜け落ちており
全く 手付かずのまま残されておりました


なるほど


今回 私が製作した楽器は 
ブロードウッド社の 1802年頃のモデルで
5オクターブ半(FF-c3)の音域を持っています


ベートーヴェンは これと ほぼ同じタイプのエラール社の楽器を所有しており
「熱情」や「ワルトシュタイン」を その楽器で作曲しております
そして その後 ブロードウッド社から この楽器と ほぼ同じ構造の
やや大型の楽器を贈られている という事実を前にして
この楽器を作る使命感に 駆り立てたれました


2


すべての工程を 一人で製作された訳ですが
設計から完成まで どのくらいの期間がかかったのですか?


この作業ばかりをやっていた訳ではありませんので
正確なところは 分かりませんが
1年から 1年半の間くらいだと思います


1年半前といえば 2008年の夏 
一緒に浜松の博物館へ行きましたよね?


ええ 博物館の御厚意により
現物のブロードウッドのピアノから
採寸と写真撮影をさせていただきました
本当に感謝しております!


あの時は 随分 熱心に取材してましたよね?


特別に許可していただいたので
博物館が閉館してから 取材を始めて
5時間くらい ずっとやらせていただきました


あれから 1年半
今こうして ここに 素晴らしい音のピアノが誕生したことは
なんだか 凄く感動的です!


(続く)

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