« 魚を食べなかったワケ | Main | 電波の時代 »

09. 10. 12

ピーピーおじさん

私のアジトから 歩いて27秒のところに
ということは つまり 匍匐前進で2分17秒のところなワケだが
そこに セイムス という名の ドラッグストアがある


私は ここで よく買物をする
モヤシや 豆腐や 納豆や・・・
ん? こうして書き出してみると どれも大豆製品ばかりだな・・・


まあ いいや


あれは 春ごろだった
私は 工房の作業の日に 
たびたび この店を訪れた


しかし やや恐怖心を携えての買物だった


何故なら 入口のとこに鎮座している
万引き防止センサーが 
私の出入りする時だけ ピーピー反応するのだ


最初は 入る時も 出る時も ピーピー鳴った
その度に店員が 「すいません どうぞ 気になさらずに」と
困った笑顔で 挨拶をしてくれた


そのうち もっと恐怖な事態に陥った
入る時は鳴らないのに 出る時だけピーピーなるのだ
その度に店員は 困った笑顔で 挨拶してくれた


そのうちに 全ての店員は 私がレジに並ぶと
先に謝るようになっていた


由々しい


ちなみに 私は 自分以外の人間が
ピーピー鳴って 立ち往生してる姿を 
一度も見たことがない


つまり 私だけが 出入りの度にピーピーなり
鉄砲をつきつけられた 犯人のように
両手をあげて フリーズし 店員の挨拶を待って解凍するのだ


悩んだ


持ち物を いろいろ変えてみた
クレジットカードが入ってる財布は 持たないようにしてみたり
小銭入れを 持たないようにしてみたり


服装は 短パンに ピチピチシャツだけなのだから
金属は仕組まれていないことになる
それでも 私だけが ピーピーおじさんになっていた (別に腹は壊していないのだが)


そのうち いっそ 本当に万引きしても
バレないのではないかとも思ったが
両手を挙げて フリーズする男に そんな勇気など無い


夏 韓国の出張から帰って セイムスに行った


すると あれだけ 騒がしかった 
万引き防止センサーは 沈黙するようになった
ピーピーおじさんとしては それはそれで ちょっとだけ 淋しくもなった


恐らく 誰かがクレームをつけて
感度を低くしたのだろう
かくして 平穏な日々が訪れた


そんなコトを 友人に話したら 妙なコトを言われた


私の体に なんか 妙な機械が 埋め込まれていたのだと言う
そして 韓国の出張の時に それが 取り外されたに違いない


言われてみれば 私がピーピーおじさんになっていたのは
冬の韓国出張から 夏の韓国出張までの 半年間だけである
6月の韓国旅行では ケンタが同行していたので 一人にはならなかった


私は この手の話が 大好きである
ついに 海峡を越える工作員として認められたような
不思議な幸福感に 浸ることが出来る


しかし 友人は 私のスマイルを怪訝に思い つけたした


もう 機械が埋め込まれていないということは
役立たずになった ということですよ


私の幸福感は 僅か7秒で崩壊した


今でも 27秒かけて セイムスに行く度に
ちょっとだけ ドキドキするのだが
やはり センサーは反応してくれない


その度に 工作員失格の烙印を押されたようで
なんだか せつない気持ちで トボトボと帰宅するのだった


|

« 魚を食べなかったワケ | Main | 電波の時代 »

Comments

だいじょうぶっ!もっと別な何モノかが、埋め込まれてるに違いない!(ワクワク)

Posted by: 愛宕町私設ライブラリ | 09. 10. 13 at 오후 12:17

Dear  愛宕町私設ライブラリ

うう ありがとやんす!
きっと センサーに反応しない
もっと 高性能なモノが 埋め込まれたと 信じて生きていきます

Posted by: アノニモス | 09. 10. 16 at 오전 7:15

The comments to this entry are closed.

« 魚を食べなかったワケ | Main | 電波の時代 »