点滅
分かれ道にさしかかって
真っ直ぐも 行けるのだけれど
左に曲がって
分かれ道を 曲がる時には
曲がる意識があって
でも 曲がった後は 忘れてしまうのだろう
点けっぱなしの ウインカー
本人は 気づかないのだけれど
後ろにいる人は 知っている
一緒に曲がったから 分かってる
点けっぱなしの ウインカー
曲がったあとは 再び 真っ直ぐな道
きっと 次に曲がるまで 気づかないまま
偽りの点滅が インテンポで繰り返される
分かれ道にさしかかって
真っ直ぐも 行けるのだけれど
左に曲がって
分かれ道を 曲がる時には
曲がる意識があって
でも 曲がった後は 忘れてしまうのだろう
点けっぱなしの ウインカー
本人は 気づかないのだけれど
後ろにいる人は 知っている
一緒に曲がったから 分かってる
点けっぱなしの ウインカー
曲がったあとは 再び 真っ直ぐな道
きっと 次に曲がるまで 気づかないまま
偽りの点滅が インテンポで繰り返される
ナンセンス極まりない愚問であるが
「残りの生涯 ひとつのモノしか食べられないとしたら ナニにする?」
というモノがあった
私は 昔も今も 迷わずカレーと答える
でも カレーほど 多種多様なモノも少なくない
大好きなカレーは 時々 私を裏切ってくれる
いや なに 美味い 不味い というレベルではなくて
子供の頃 家族で食堂に入り 少年アノニモスは 迷わずカレーを注文した
そして 当時から猫舌だった私は フーフーしながら
でっかいスプーンに カレーライスを乗っけて ほうばった
ムシャムシャ ムシャムシャ
と ある塊があったので お 肉だ! と信じ ムシャムシャしてみたが
それは なんと 溶けていない カレールーだった・・・
だから 私は カレーを作る時 ルーは大柴より よく溶かすことに専念する
大人の頃 美人とインド料理屋に入った
「僕は 辛いものなら 普通の人の 50倍くらい平気ですよ」
などと 誰も感心しないことを 得意げに吹聴していた
ランチは 数種類のカレーの 食べ放題で
私は 唐辛子のマークが みっつもついた 激辛を
なみなみと皿に盛り 美人の気を惹こうとヤッキになっていた
ムシャムシャ ムシャムシャ
がしかし あろーことか そのカレーの辛さは
唐辛子のそれではなく 胡椒の辛さだったのである!
実は 私は 胡椒と山椒の辛さには めっぽう弱い
しかし 50倍どころか 3倍くらいの辛さのカレーで
ギブアップするわけにはいかない
なんてたって 美人の前である
完食したさ ・・・泣きながら
それでも 私は カレーが好きだ
千葉 美浜文化ホール
録音 大友幸太郎
初めて聞く人にも
古楽の魅力を 知ってもらいたい
そんな モチーフで 大川が挑んだプロジェクト
なので 曲目も バリバリバロックだけでなく
普段 親しんだことのあるメロディーも
リコーダーという楽器で 魅力的に演奏する
確かに 誰もが 何かに接する場合
「初めの一歩」というのは 大きな影響を与える
第一印象というのは 頭で考える以上に
心理的に後遺症を残すもの
そんな領域に挑戦した 二人の演奏は
エンジニア大友のアドヴァイスと共に
実に魅力的な「夢の時間」を 缶詰にしていった
12月中旬 発売予定!
小学生の頃 「馬鹿が吹いてもリコーダー」 などと
チェンバラごっこの 刀代わりにしていた 縦笛
どうしてどうして この楽器の可能性を 是非 聴いてみてください!
地方の仕事で 出会った人が
地元Jリーグのサポーターだったりすると
舞台裏でも 結構 話が盛り上がる
名古屋で会った グランパスの信者も
大分で会った トリニータの信者も
「レッズサポーターは大嫌い」と 率直に話してくれた
何故なら アウェイであっても
それが九州であっても
レッズサポは 大群で押し寄せ
スタジアムを 真っ赤にしてしまうからだそうだ
昨日は 受付で会った 主催者が 私を見つけて近寄ってきた
「あのー 聞くところによると 浦和レッズのファンだそうで・・・」
『え? ああ そうですけど・・・ (サトキンだな漏洩したのは)』
「実は 私は 崩壊寸前の 柏レイソルのファンなんですよ」
60を過ぎた ダンディな白髪の紳士である
このタイミングで レイソルネタは きつい
何故なら おそらく このままいくと
ジェフ千葉 柏レイソルと 千葉勢は J1から降格するかも知れないのである
方や 上位食い込みへ ラストスパートをかける浦和レッズファンからすると
どう 言葉を返していいか とても難しい
そして ダンディは レイソルのフロントが
いかに無能であるか 西野監督を解任した時代から
いろいろと 延々と 語ってくれた
その熱意に サッカーと レイソルへの愛情を感じた
帰りのドライブ トギレトギレの携帯テレビで
浦和と大宮の試合を 見ていた
なんと 3-0で 大敗してしまった・・・
なんだか すごく がっかりしてしまった
チェンバリストが同乗していたにも 関らず
勝手に一人で かなり 落ち込んでしまった
そんな時 地方で会った
地元チームのサポーターのことを
ふと 思い出した
さっき お会いした レイソルファンの紳士も
大分のオバチャンも
もっと もっと 落胆して それでも 応援しているんだ
強いから このチームが好きなんじゃなくて
好きだから 強くあって欲しいと 祈るのであって
それは みんな 同じなんだなーって
来月は 今期 最後の応援に行く予定である
赤の聖地の4万の群集の あの戦慄する気の中で
私も あの大声援のひとつになってこよう
我孫子 ふれあいホール
指揮 長岡聡季
演奏 東京藝術大学バッハカンタータクラブ
オルガンとチェンバロの調律で 故郷凱旋
オフクロと マイミクさんが 聴きに来てくれた
がしかし
調律が終わって いざ本番
オルガンで Aの音を合わせるハズなのに
なにやら オルガニストが そわそわ
どうやら オルガンの音が出ないらしい・・・
慌てて 上手から舞台に行って
コンセントの辺りを ゴニョゴニョ
すると スーっと モーター音
どうやら 接触不良だったらしい・・・
せっかくの 凱旋コンサートだったが
ノッケから 冷や汗タラタラ
ま そんな失態を ふっとばす
やわらかい演奏だったので
また今日も 音楽に救われました!
昨日 久しぶりに 床屋へ足を運んだ
最後に床屋へ行ったのは 確か一昨年の春だったと思う
そう 1年半ぶりに床屋へ赴いた
床屋へ行かなかった期間
髪を伸ばし放題・・・ というワケでなく
毎月2回 自分でバリカンをかけ 6ミリの丸坊主を維持していた
坊主にして しばらくは 会う人 会う人 驚いて
「あら 髪型 変えられたんですね?」
という 丁寧な遠まわしの (変なの)という言葉を頂戴していた
なので私は 『ええ 実は 刑務所から 先週 やっと出所できたんです』
と ギャグで応酬していたものだが
あろうことか 半分くらいの人が 「あら そうでしたの お疲れ様でした」と
気の毒そうな視線でねぎらわれ 狼狽したものだ
どうやら 私の風貌と人格は 工作員というより 刑務所が似合うらしい
・・・・・・・・・・・・・・・・・
しかし 紫の髪型にすべく 少し髪を伸ばすことにした
坊主から放射状に伸びていく髪は タンポポの綿毛のようであり
ちょっとだけ 整えるべく 床屋に行くことにした
私は 刃物恐怖症であり 喉元にカミソリをアテられるのが すこぶる恐ろしい
だから 信用おける床屋にしか ヒゲを剃ってもらいたくはない
でも ほんのちょっとのことで 普通の床屋に行くのも 大げさである
それで 駅前にある 1000円の床屋に行くことにした
実は 前から興味があったのだ
短時間で どれだけの技術とセンスで 髪を切るのだろうかと
「どのようにしますか?」
『スソと耳の上だけ 軽く刈上げて下さい』
小さなバリカンと 少しだけハサミを用い
あっという間に 作業は終了した
鏡の中では 左右の刈上げの角度が 明らかに異なるのに・・・
しかし シンメトリーであるか否かの前に
まん丸タンポポの 下だけを刈上げると
いかに おかしな髪型なのかということを 想定していなかった
帰宅して 整髪料をベッタリ塗りつけたり ドライヤーで潰しても
どうにもこうにも この異常な形を完全に隠蔽することは 不可能だった
明日から 大勢の人と会う仕事が続く
そして よりによって 明日は 世界一辛口の天敵 うららに会う
今 私は 慌ててバリカンを充電器につないで 真剣に逡巡している
お騒がせいたしました
アドヴァイス お送りくださった モナミ
ありがとうございました!
8月までは リカバリーがあったので
9月と10月の写真&文章&データ
あきらめます
サブの小さな携帯パソコンは ビスタなので
スカイプ以外 ほとんど使わないのですが
今回 仕方なく開いていたら まんまとケンタに発見され・・・
「珍しいですね 最近 スカイプ いつも不在じゃないですか」
『ああ またパソコンがいかれて 仕方なく これ使ってんだ』
「今度はナンですか? 」
『うん どうやら トロイの木馬というウイルスらしい』
「それ 人に言わない方がいいですよ エロサイト見てます!って意味ですから」
『なに? もうブログに載せちゃったよ! それに もう桃色サイトは卒業してるし!』
「ああ これで ますます仕事激減しますね! 間違いないですよ ガッハッハッハ!」
なので 皆様
そういうサイトからの伝染では ありません
最近の顕著な変化としましては ポワロとホームズのDVD鑑賞であり
これを貸してくれているのは ケンタである ということを 最後に記付しておきます
というか またリカバリーか・・・ 時間かかるしな・・・
しばらくは チッコイ ビスタから チマチマ更新します
昨夜は 突然の発熱にビビった
2001年 最後の風邪に ウンウンと唸っていたのは ニューヨークでのこと
あれ以来 風邪ひかない連続記録は 更新しているものの
突然の発熱 というのは 年に何度か経験している
発熱した時の対処法は もう身に付けている
とにかく 発汗しまくって 夜中に3回くらい着替えれば
翌朝には スッキリと 熱はひいている
フリーの仕事というのは 有給休暇なぞないし
代わりに別の人に 頼むというワケにはいかない
もっとも 骨折の時には 後輩がピンチを救ってくれたのだが・・・
でも 最近では 熱が出ると ちょっと恐い
まさか インフルエンザではなかろうか・・・
だから 熱が下がると いつもよりホっとする
知恵熱だったら 抗うことなく
もっと ウンウン 唸っていてもいいんだけどな・・・
というわけで 朝から 汗まみれの洗濯に勤しみました とさ
百舌鳥(モズ)という鳥は
捕獲した獲物を 木の枝などに刺したまま 忘却して
次の獲物を捕獲するという習慣があるという
子供の頃 この百舌鳥の早贄のエピソードを
初めて知った時には
「なんて アホな奴なのだろう」と あざ笑っていたものだ
・・・・・・・・・・・・・・・
先日 仕事の帰りにスーパーに寄り
買物をして 帰宅
早速 購入物を冷蔵庫に入れようとして 驚愕した
チューブの 「しょうが」が
まだ未開封の箱のまま
冷蔵庫の中に 入っていたのである・・・
そして 買って来たばかりの
新しい 「しょうが」を その隣に置いた
しまった まだ在庫があったのか・・・
私は この手のミスを 頻繁に繰り返してしまう
特に 「しょうが」や「からし」など チューブもので
同じ過ちを たびたび繰り返している
というのも 豆腐を食べる時に
大量の おろししょうがを ヤッコの上に盛り
まるで 豆腐風味のおろししょうが という状態で食べるのだ
からしも同様
納豆風味のからし といった味にして
ああ辛い ああ辛い と 涙しながら でも美味い と食べるのである
なので わさびも含めて チューブものの消費量は
エンゲル係数の 数パーセントをしめる程であり
その比率は 恐らく 日本国の防衛費より高いと思われる
そして 豊かな忘却力
子供の頃 あれだけ 百舌鳥を嘲笑したバチが
今頃になって あたっているような気がしてきた
ああ モズ君 ごめんよ
君の気持ちが 痛いほどよく分かるよ・・・ 今更だけど
服でも 食器でも インテリアでも
柄があるものは 選ばない
自分で購入した それらのほとんどが 無地
台所でも 洗剤や調味料などを
わざわざ 無地の容器に移し替え
できるだけ 暴力的なカラフルさから逃避している
でも いつも使っているカップには 柄がある
ヴィヴァルディのオーボエソナタ c-moll
この楽譜が プリントしてある Könitz社のマグカップ
私は この柄も この形も 好きではない
例えカップであっても 美しい曲線でないのなら
直線で 落ち着いた比率のモノのほうが
視界の中に存在していて うるさくない
でも 私は このカップを使っている
それは アネキからのプレゼントだから
数年前 東京文化会館でコンサートの時
両親とアネキを 招待して
その時 「おめでとう」とプレゼントしてくれたもの
上野の東京文化会館
我孫子で育った私は
常磐線の終点である 上野というのが
なんだか 東京の代名詞であり 大都会のイメージだった
だから 美術館などに行くとなると
もう ソワソワして おのぼりさん 丸出しで
なんだか 東京に行くのだー というトキメキに満たされたものだ
そして 専門学校時代
初めて チェンバロという楽器の コンサートを聴いたのも
この 文化会館だった
なので このホールで
初めて自作の楽器を使ってもらえるコンサートが
あまりに嬉しくて 家族を招待した
以前にも書いたのだが 私が調律師の道を進むことになったのは
アネキが調律師になりたくて たまたま 家に資料があっただけのことで
つまるところ アネキのお陰なのである
「おめでと」
そう言って 渡してくれた箱は いやな予感がしたが
『ありがと』と言って 素直にもらった
私は このカップに描かれている オーボエ・ソナタを
自分の楽器で演奏される コンサートに遭遇するまで
このカップを使おうと思っている
そんな機会が もしめぐってきた時に
私は どんな楽器を 持って行くのだろうか
この曲に似合った楽器を 造れているだろうか
だから 当分 唯一の装飾のある食器として
食卓の上で活躍してくれることだろう
卓上の異端児は 今日も 私の喉を潤してくれている
戸塚 ジャルダン・デ・ミュージシャン
~17世紀イタリア初期バロック期の音楽~
歌 藤沢エリカ
チェンバロ&ハープ 矢野薫
ヴィオラ・ダ・ガンバ なかやまはるみ
藤沢エリカの デビューリサイタルとも思えるコンサート
17世紀のイタリアの 恋にまつわる曲の数々
それは 甘美ばかりでなく 恋の終焉に孕まれる憎悪に至るまで
藤沢は 豊かな表現力で ひとつひとつ 歌いあげていた
実は 私は 彼女の歌を 名盤「薔薇の中の薔薇」で聞いて
すっかりファンになっていたので とても楽しみなコンサートでもあった
今回のプログラムでは カンティガ集とは異なる唱法ではあるが
人間の複雑な多々の感情を 特に恋の遠心力と求心力に湧き上がる憎愛を
熱が伝わる歌で表現してくれた
途中 「小鳥が木靴を履いて」という曲では
歌詞の中の滑稽な情景を 紙芝居のような演出を用い
イタリア語に疎い私のような者にまで 優しい工夫が試みられていた
さて この三美神によるコンサートは
10月30日 19時より 新宿のオペラシティ 近江楽堂で
東京公演が予定されている
秋の夜長 恋に満たされてる方も あるいは 傷つき憔悴されてる方も
どうぞ 17世紀のイタリアの恋の世界に 耳を傾けにいらして下さい
「音楽は喜びの友 悲しみの薬」
先日 このブログを読んでいる 知人から
「やろーに人って 何ですか?」 というメールをいただいた
調べてみると 確かに 「ヤロー二人」という記述がある
これは 「野郎ふたり」 と 書いたつもりだった
この手の 勘違いは ままある
いつだったか 友人が 「人工口伝」という記述を
とんでもない読み方をしていた・・・ (全て漢字である)
日本人でも この始末であるからして
外国人から見たら 本当に日本語は
難しいものだと思う
それだけでも 日本人に生まれて
本当に良かったと
両親への感謝が ふつふつと沸いてくる
以前にも書いたので 重複するが
1本 2本 3本 を
「ナゼ イッポン ニホン サンボン ト ヨムノデスカ?」と 外人に問われても
私なんぞは 『そこに山があるからです』 としか答えられない
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 を
「ナゼ アガルトキニハ 4ハ “シィ” 7ハ “シチ” ト ヨムノニ
サガルトキニハ 4ハ “ヨン” 7ハ “ナナ” ト ヨムノデスカ」 と 外人に問われても
やはり 『そこに山があるからです』 としか答えられない
だいたい ひらがな カタカナ 漢字 という
三種類の文字が 混在しているというのは
外人から見ると どう 映るのだろうか
例えるなら ハングルの中に
ヘブライ文字と インド文字が混在しているようなもの
まず どれがハングルで どれが なんの文字か理解しなければいけない
そう考えると
日ごろ 馬鹿にしている デーブ・スペクターすら
素晴らしい頭脳の持ち主に見えてきてしまう・・・
韓国語でも 10時10分のことは 「ヨルシ シップン」 と発音し
何時は ひとつ ふたつ みっつ という固有語で
何分は イチ ニィ サン という漢字語なので 時々 頭から煙が出る
そういや ある美女は もの凄い悪筆で
ソとン シとツ 全く 区別がつかなかった・・・
日本人だって 日本語は 難しいのだ
力卜一夕口一八 工口二一卜 ヶヶヶ
果たして 外人は 上の漢字を どう読むのだろうか・・・
たまには マジメなネタを書けと 本部の方から 怒られた
いや 実は 自分で言うのもオコガマしいのだが
本当は ドがつくくらい マジメな人格なのである
ちなみに ドよりマジメな人を なんというかというと
レマジメであり 更にマジメな人は ミマジメというらしい
さすがに私は ファマジメな人には 未だに遭遇したことがない
あ 早速 ふざけてしまった・・・
なので 参謀本部長更迭の危機を回避するため
今日は マジメな話をしたいと思う
覚悟してくれたまえ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先日 お客さんとの歓談の中で
ピアノの重量について いろいろと質問された
最近の住宅は ピアノを設置するとこだけ 補強されていて
好きな場所に 勝手に置けないのだという
ふうん
しかし アップライトピアノなんぞは
220キロから250キロくらいの重量しかなく
70キロの男性4人に満たない程度なのである
ということはだ ピアノ補強してない場所に
男性が4人 ひっついて立つと 床が抜けるほど
昨今の住宅は 脆いのか? などと思ってしまう
例えばだ 新居に引っ越して来て
引越しの手伝いの為に 集まってくれた 大学のラグビー部の男性4人が
記念に写真を撮ろうとして 肩を組んだら 新居の床が抜けるということになる
アネハの設計でも そんな現象なぞ 起こらないと思うのだが・・・
ちなみに グランドピアノであれば
長さ180センチの いわゆるC3クラスでも 320キロくらいで
コンサートで使われる 270センチ級のフルコンでも 450キロくらいである
「そんなものなんですか」
話は チェンバロに及び
1段鍵盤の4オクターブくらいなら 40キロくらいのものあるし
2段鍵盤の5オクターブでも 70~80キロくらいなものである
「なんで そんなに 重量が違うんですか?」
単純に言えば それぞれの楽器が内包している
弦の張力に耐えるべく 構造の相違であり
ピアノには アップライトでさえ80キロ近くの鉄骨が内在されている
「そんなに 弦の数が違うのですか?」
弦の数自体は チェンバロでは最大で186本くらいで
ピアノは だいたい230本くらいで
弦の数だけが 総張力の差にはなってはいないのである
「じゃ どうして 鉄骨なんか必要になるのですか?」
それは 1本あたりの 弦の張力が ベラボーに違うのである
乱暴に言うならば 1本あたり チェンバロなら 3~5キロ程度だが
ピアノだと 90キロくらいの ものすごい張力がかかっているのだ
なので 全ての弦の張力を合計すると
チェンバロは 多くても900キロ以下なのに対し
ピアノは 20トンもの ベラボーな力に耐えているのだ
・・・
私は この総張力の話を コンサートなどで解説させられる時
次のような 説明をしている
「チェンバロは 70キロの男性 12人くらいの張力
つまり ビートルズ(4)と サザンオールスターズ(5)と
サイモン&ガーファンクル(2)と クールファイブ(6)の 全てのメンバーが
首に紐をくくって ぶる下がってるようなものです」
正確には サザンは一人 女性だし
クールファイブは 内山田洋を加えての人数なのだが
だいたい 最後の「クールファイブ」で 笑いはとれる
「一方 ピアノはと言えば
体重4トンのアフリカゾウが 5頭 ぶる下がってるようなもので
その差は 凄く違うことが ご想像いただけるかと思います」
まさか 20トンを 70キロで割って
その人数分のバンドを説明する気など起きないから
大好きな アフリカゾウを ぶら下げて終わりにする
もっとも 中には 『余計 分かりにくかった』と
率直な感想を 述べてくれる人もいるのだが・・・ シュン
・・・
恐らく お客さんの脳内では ポールやジョンが 首吊りになり
一方は 5頭のゾウが弛緩して ブラブラしてる絵が 描かれていることだろう
「そうだったんですか」と 妙に納得してもらえた
ちなみに
チェンバロ1台分の180本の弦の総張力は
ピアノの僅か10本の弦と同じ張力で
ピアノの ひとつの音に 3本 弦が張ってあるとしたら
ピアノの3つの鍵盤だけで チェンバロの総張力に ほぼ匹敵していることになる
「重たいワケですね」
ピアノは 楽器の中で 非常識の塊である
7オクターブ以上の音域 20トンの耐力 200キロを超える重量
調律の長持ち 100グラムあたりの値段・・・
私は チェンバロや その他の鍵盤楽器に 携わるようになって
初めて ピアノの本当の姿が 見えてきた気がしている
浜松でピアノを造っていた頃 ピアノは楽器の王様であることを疑わなかった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と ここまで書いて 本部に添削してもらったら
「マジメ過ぎて つまらない」と 怒られた
チェッ
だから言ったじゃないか
私は ドがつくほど マジメなんだと・・・
いずれにしろ 参謀本部長でいられるためには
ユーモアのセンスを 磨かなければならないらしい・・・
(今日のオマケ) ←なつかしぃ
そういえば 風船おじさんって 調律師だったんだよ
無事でよかったね!
私は 果物が大好きである
一番好きな果物は 紅玉である
そして 人体実験も好きな私は 様々な実験を 肉体に試みてきた
言っておくが 731部隊のように 他人さまの体でなく
実験台になるのは 常に 自分の体である
かつて 「1日1個のリンゴは 医者を遠ざける」という言葉を
本当かしらん? と思い 毎日 毎日 本当に毎日
リンゴを1個以上 食べ続けていた時代があった
半年後に風邪をひいたので チェッ と思い
リンゴは医療用から 本来の嗜好用へ
果物らしい位置に 戻された
それでも 私は 大好きなリンゴを 人前で食べるのを逡巡してしまう
それは リンゴを食べると 歯ぐきから出血するからである
デンターライオンを使用したのだが 治癒しなかったので
ジャロに通報したくなったものだ
まあ いいや
スーパーの果物売場を 眺めていると
ふと 不思議だなぁ と思うことがある
例えば ネーミングである
何故 ブドウだけが
グレープと マスカットという名前に 分かれているのだろうか
それならば 西洋梨と 日本の梨を
きっちりと分類した名前を つけてあげたほうが
はるかに ありがたいと思うのは 私だけであろうか
みかん と オレンジだってそうだ
こたつの上で剥くミカン 新幹線の中で食べた冷凍ミカン
あれを 外人がオレンジと呼ぶことは 甚だ遺憾である
あ オレンジで 突然 思い出した
中学生の頃 英語のスペルが覚えられなくて
オレンジを スペル通り オレンゲ オレンゲ と
つぶやきながら ノートに単語を繰り返し書いていたっけ
あの スペル記憶大作戦で読むと
作曲家は とんでもないことになる
ショパンはチョピンだし ドビュッシーはデブッシーになる・・・うぷぷ
なんだっけ
ああ 果物の名前の話か
で 一番 不可解なのは
そう グレープフルーツなのである
パイナップルは まだ許せる
パインアップル つまり 松の林檎だろ?
確かに 松ぼっくりと パイナップルは 形が似ている
しかし グレープフルーツとは なんたる名前だ!
グレープというフルーツが 既存しているではないか!
直訳すると 「葡萄果物」 となり それが オレンジの親戚なのだから・・・
あ オレンジで 突然 思い出した
絵具の色で 橙色はオレンジだったのに
緑は ビリジアンとかいう やたら記憶しにくい名前がついていた
何故 緑 とか グリーン とかでなく ビリジアンだったのだろう・・・
そういえば 本の中に 「シビリアンコントロール」なる言葉が出てきた時
私は 最も近い響きのビリジアンと混同して
つい最近まで 緑のコントロールだと信じていた・・・
いかん 脱線しすぎだ
だから グレープフルーツに
きちんとした 個性的な名前を
つけてあげたいと思うんだ
橙色なのが オレンジ
緑色なのが スウィーティー (これも安直なネーミングだ)
黄色は・・・ イエローオレンジ!
だめ? どこも個性的ではないわな・・・
グレープフルーツは あの苦味が個性的だから
スウィーティーな感覚で 苦いという名前にしたらどうだろうか
「ビターイエロー」
うん 決定
私は これから グレープフルーツのことを
ビターイエロー と呼ぶことにした
ああ スッキリした
調律屋は 工具カバンの中に
電子温湿度計を 常に携えている
コンサートの時に 調律の変化予防に
会場の 温湿度を チェックし
時には 照明やエアコンを コントロールしなければならないからだ
しかし 電子の温湿度計とは
意外に アテには ならないものなのだ
街の家電ショップに赴き
温湿度計が陳列されたケースを見てみれば 一目瞭然なのだが
同じ温湿度の空間でも ひとつとして 同じ数値を示しているモノなど無い
つまるとこ
0度と100度の間は 我々に絶対値は測れず
ファジーな数値しか存在していない と思われる
しかしだ
先日 電波時計コーナーを見て 愕然とした
電波時計というのは 時計が勝手に 電波によって
時間を合わせてくれるので 完璧な時間を把握できるハズなのである
それが この写真のように 秒数に違いはあるは
日にちまで 狂っているのである
その昔 Mrヴァイオリンが こんなナゾナゾを出してくれた
「5分遅れている時計と 止まっている時計
どちらが 正確な時間を示してくれるでしょうか?」
正解は 止まっている時計で
24時間のうち 2回は正確な時刻を示すそうで・・・
ま それも 針時計の時代の話である
デジタル放送になると テレビは時報を流さなくなるらしい
なんでも デジタルの方が 受信が遅くなって
正確な時間に 正確な時報を 流せなくなるというのが その理由らしい
なんだか 電波時計にしても デジタル放送にしても
進化しているのかどうか よく分からなくなってくる
そう考えると お月様や お天道様は 相変わらず正確無比で 素晴らしい
私のアジトから 歩いて27秒のところに
ということは つまり 匍匐前進で2分17秒のところなワケだが
そこに セイムス という名の ドラッグストアがある
私は ここで よく買物をする
モヤシや 豆腐や 納豆や・・・
ん? こうして書き出してみると どれも大豆製品ばかりだな・・・
まあ いいや
あれは 春ごろだった
私は 工房の作業の日に
たびたび この店を訪れた
しかし やや恐怖心を携えての買物だった
何故なら 入口のとこに鎮座している
万引き防止センサーが
私の出入りする時だけ ピーピー反応するのだ
最初は 入る時も 出る時も ピーピー鳴った
その度に店員が 「すいません どうぞ 気になさらずに」と
困った笑顔で 挨拶をしてくれた
そのうち もっと恐怖な事態に陥った
入る時は鳴らないのに 出る時だけピーピーなるのだ
その度に店員は 困った笑顔で 挨拶してくれた
そのうちに 全ての店員は 私がレジに並ぶと
先に謝るようになっていた
由々しい
ちなみに 私は 自分以外の人間が
ピーピー鳴って 立ち往生してる姿を
一度も見たことがない
つまり 私だけが 出入りの度にピーピーなり
鉄砲をつきつけられた 犯人のように
両手をあげて フリーズし 店員の挨拶を待って解凍するのだ
悩んだ
持ち物を いろいろ変えてみた
クレジットカードが入ってる財布は 持たないようにしてみたり
小銭入れを 持たないようにしてみたり
服装は 短パンに ピチピチシャツだけなのだから
金属は仕組まれていないことになる
それでも 私だけが ピーピーおじさんになっていた (別に腹は壊していないのだが)
そのうち いっそ 本当に万引きしても
バレないのではないかとも思ったが
両手を挙げて フリーズする男に そんな勇気など無い
夏 韓国の出張から帰って セイムスに行った
すると あれだけ 騒がしかった
万引き防止センサーは 沈黙するようになった
ピーピーおじさんとしては それはそれで ちょっとだけ 淋しくもなった
恐らく 誰かがクレームをつけて
感度を低くしたのだろう
かくして 平穏な日々が訪れた
そんなコトを 友人に話したら 妙なコトを言われた
私の体に なんか 妙な機械が 埋め込まれていたのだと言う
そして 韓国の出張の時に それが 取り外されたに違いない
言われてみれば 私がピーピーおじさんになっていたのは
冬の韓国出張から 夏の韓国出張までの 半年間だけである
6月の韓国旅行では ケンタが同行していたので 一人にはならなかった
私は この手の話が 大好きである
ついに 海峡を越える工作員として認められたような
不思議な幸福感に 浸ることが出来る
しかし 友人は 私のスマイルを怪訝に思い つけたした
もう 機械が埋め込まれていないということは
役立たずになった ということですよ
私の幸福感は 僅か7秒で崩壊した
今でも 27秒かけて セイムスに行く度に
ちょっとだけ ドキドキするのだが
やはり センサーは反応してくれない
その度に 工作員失格の烙印を押されたようで
なんだか せつない気持ちで トボトボと帰宅するのだった
休日の午前
我々は 山中の渓流で
マス釣りに興じていた
私は フライを遠くへ飛ばそうと
リールのついた竿を 前後に大きく振り回していた
ケンタは 普通の竿で イクラを餌にして
赤と黄色の丸いウキを見つめていた
まずまずの釣果に そろそろ昼メシにしようということになり
薪を集めてきて火を起こし ニジマスを串刺しにして
クーラーボックスのギネスで 乾杯をした
私は 出来立ての軍服を着て
ケンタは 30年代のミツゾロイを着て
というのも ケンタ曰く
「紳士たるもの いつでも正装するものです」
なので 動きにくいこと この上ないのだが
しぶしぶ 正装して 休日のフィッシングに勤しんでいた
確かに ポワロやホームズのドラマを見ると
いついかなる時も 彼等は正装している
なので まあ 紳士ごっこだと思って 軍服を着てきた
『ところで ヘイスティングス ピアノはどこまで出来あがったかね?』
「ハッ! ワトソン君 いい質問だ」
我々は お互いに探偵になりきっており
私はポアロで ケンタを 助手のヘイスティングス呼ばわりをし
ケンタはケンタで ホームズになりきり 私を 助手のワトソン扱いしていた
しかし のんびりと 焚き火を囲みながらも
楽器の話ばかりしている というのも
なんだかなー
そこへ バリバリ 登山の格好をした 娘さんが二人 やってきた
ナップザックを背負い 帽子をかぶり チェックの長袖に チョッキである
なんだか 絵に描いたような 登山コスチュームなのである
『わー これ 釣ったんですか? すごーい!』 一人の娘さんの驚嘆に
すかさず ケンタが紳士然として
「よかったら 食べていきませんか? まだ たくさんあるので」
ということで 我々は4人で 焚き火を囲んで 山のランチとあいなった
聞くところによると 彼女達は 大学時代の山岳部の友人同士だという
ナップザックから 弁当を出し 食べ始め ニジマスが焼ける間 歓談した
『お二人は どんな お仕事をされてるんですか?』 右の娘さんが尋ねてきた
ほら見ろ せっかく こんな出会いがあるのに
山中で 軍服とミツゾロイでは 怪しいこと この上ないではないか
しかし ヘイスティングス じゃなかった ケンタは シラっと言った
「探偵です」
はぁ?
二人の娘さんは 固まったまま 私の方へ視線を向けてきたので
私は 激しく逡巡した・・・
ここで ケンタを差し置いて 自分だけ イイモノになるワケにはいかない
なので 笑顔で言ってやった
「私は 怪盗です」
二人の娘さんは 大笑いしてくれて
ケンタも 私のアドリブを 気に入ってくれたようで
なんだか 盛り上がっていった
娘さんは 「探偵さん」 と 「怪盗さん」 と 呼んでくれた
なのに 我々は互いを 「ヘイスティングス」 と 「ワトソン君」 と 呼び合っていて
全く なんだか よく分からない状態だったが 盛り上がっていった
そこへ 一人の登山ルックの男性が 大声で叫びながら やってきた
「だめじゃないか! こんな焼き方では だめじゃないか!」
すると 二人の娘さんは 弁当を持ったまま 瞬時に立ち上がり
『あ! 石崎先輩!』 と 凍りついた表情になった
以前の私であれば その男性の勢いに気圧され
すいません すいません と 意味もなく 謝ってしまっただろうが
なんといっても 軍服を着た 怪盗ポワロ中尉に なりきっているのだ
思い切り ガンを飛ばしてやった
すると ケンタが おじけることなく 男性に向かって言い放った
「なんだ君は 失敬なヤツだな!」
おお かっちょいい!
しかし 男性は ひるむ様子もなく
我々の釣ったマスを 手際よく ナイフでさばき始めた
ちょうど アジの開きのように 次々と マスの開きが出来上がっていく
男性は 残っていた 全てのマスをさばいて 怒った口調でつぶやいた
「こうしないと マスの寄生虫が死なないんだ」
そして 血まみれになったナイフをしまい スタスタと行ってしまった
ケンタと私は 唖然としていた
しかし 娘さん二人は 驚愕したまま フリーズしている
私は言った 「二人の お知り合いの方なんですか?」
娘さん達は 互いに顔を見合わせて 『 え え まぁ 』
まだ 震えている
すると ケンタが言った
「もしかして ストーカーかナンかですか?」
『 い いや そうじゃなくって・・・』
しばらくして 二人は ようやく座って
ことの次第を ポツリポツリと 話してくれた
石崎先輩というのは 大学の山岳部の先輩なのだそうだが
この夏に もう少し上流にある渓流で
突然 激しく嘔吐して 悶絶して 亡くなってしまったのだそうだ
二人は 今日も その現場に花束を捧げ 供養する為に来たそうだ
そして なんでも 石崎先輩は
吊り上げたイワナの寄生虫が原因で
食中毒のショック死をしたそうで・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最近 私は 毎晩 ケンタから借りた
「シャーロックホームズの冒険」 か 「名探偵ポワロ」 のDVDを
一話ずつ見て 寝ることにしている
そのせいだろうか 夜に見る夢まで おかしくなってきてしまった
昨夜の夢は ここまでの記憶しかない
もしかしたら 私とケンタは 勇気を持って
現場に行って 調査を開始したかもしれない
いや 私のことだから
恐らく せっかく焼けたニジマスも 捨ててしまって
アワワ アワワと 山を下ったかも知れない
なので 今日は一日 焼魚を食べる気には ならなかった
私には 嫉妬する曲が ふたつある
ひとつは きよしこの夜で
もうひとつは チマローザ作曲の
ソナタ 第1集 9番 d-moll である
嫉妬する理由は
シンプルなのに とても 綺麗なメロディーで
これなら 自分が創りたかったと 僭越な歯軋りをするのだ
うぬぼれも いいところだが
間違っても バッハや ベートーベンに
嫉妬したことなどないことを 付け加えておこう
先日 この曲を ある人に紹介したくて
後輩に 楽譜をFAXで 送ってもらった
実は この曲は 後輩のオハコであり
よく 私の楽器で演奏してくれているので
耳について 離れなくなった 小さな名曲なのである
送られた楽譜を プリントアウトしてみて ふと思った
なんだか 私にも 弾けるのではないだろうか・・・
早速 後輩に電話をして 御礼を伝えながら
「この曲 オレにも弾けるかな?」と 尋ねてみた
『難しい曲じゃないので たぶん 先輩でも弾けますよ』
ウヒョヒョ!
しかし 楽譜を眺めながら
自分が いかに楽譜を読めないか
あらためて 痛感しちまった
で 電話で いろいろ 小学生のような質問をした
ちなみに後輩は 今や 立派な調律師であるが
もともと フルートで音大を出た実力を持ち
鍵盤楽器も かなり 音楽的に演奏する能力を持っている
まずは 楽譜にある 数字が気になった
バロックの仕事をしていると 楽譜に付記されている数字は
通奏低音の和音の指定 とかなんとか 聞いたことがあるからだ
『それは 指の番号です』
「え? 指に番号がついてるの?」
次に スラーとタイの違いについて聞き
アウフタクトや 小節番号や その他の指定用語を解説してもらい
なんとか 分からないコトは なくなった
しかし 肝心な音の高さが すぐには分からない
なので 電話を切ってから 密かに
階名を ひとつひとつ 書き入れていった (今見ると 間違いがある・・・)
前にも 話したことが あるのだが
私は 調律学校で 19歳の時 初めて バイエル1番から
ピアノを学ばされた ドシロウトである
ピアノ実技の授業の時間 楽譜が読めないので
階名を カタカナで書き込んで 弾いたら
先生に こっぴどく 怒られた (バイエル1番)
なので 翌週は 同級生に曲を弾いてもらい 耳コピをして
先生の前で シラっと弾いて見せたら
開いているページを間違えていて 見事にバレて先生に怒られた (バイエル2番)
そんなワケで 2年間かけて ようよう
バイエル60番までしか 到達できなかった・・・
私にとっては ハングルよりも 楽譜の方が
はるかに 暗号に見えるのである
しかし この曲は 是非 弾いてみたい!
CDを 何度もリピートして 2分もない小曲を
楽譜を睨みながら 延々と聞き続けた
今 工房では 2003年に作った楽器の オーバーホールが進んでいる
この楽器が 仕上がったら 是非 チャレンジしようと思っている
私にとっては 生まれて初めての d-mollの曲である!
ギターの弾き語りから 楽器に入った私にとっては
セーハの関係で フラット系の調性を すこぶる苦手にしている
なので 半年くらいかけて この曲を モノにしようと企んでいる
恐らく 弾けるようになれば
嫉妬するといった 傲慢な感情は
きっと 緩和することだろう
私は かなり単純な人間である
簡単に どん底まで落ち込むと思えば
簡単に 天上へ舞い上がるほど 狂喜乱舞してしまう
例えば サッカーでゴールを決めようものなら
半年間は 有頂天で
岡田監督から徴集されたら どうしようと 妄想に憑依されて過ごせる
そして 今 私は もうひとつの有頂天の中にいる
今週の水曜日 インターネットラジヲ オッターヴァの
夜の番組コンブリオで またまた リクエストが 採用されたのである!
残念ながら ライヴでは聞き逃したのであるが これがオッターヴァの素晴らしいところ
オンデマンドで聞き返していて 発見!
オンデマンドでは 1週間 その番組を
好きな時に 好きなだけ 繰り返して聞けるので
リクエストをした者としては パソコンを使ってる時なぞ
耳をダンボにしているのだ
私は 今までに コンブリオの斎藤さんの担当日に
3回 リクエストをさせていただいた
ショスタコビッチ ジャズ組曲 ワルツ
プロコフィエフ 戦争ソナタ
そして 今回は メンデルスゾーンの舟歌
実は どれも 私が好きな曲ばかりである・・・
それが リクエストとして 採用されるのだから
まるで 宝くじが当たったかのような ハイ状態になる!
なので ただの自慢であるが ちょっとだけ お付き合い願いたい
まずは オッターヴァに行ってみよう
通常は ストリーミングというので 生放送が聞ける
この番組は 朝から夜まで 様々なクラシックが 延々と流れており
曜日と時間帯で DJも内容も 変わる
私がリクエストしているのは コンブリオという 18時からの番組
採用されたのは 7日なので
オンデマンドの水曜日をクリック!
3時間半の生放送番組で
斎藤さんという ディレクターのトークが とても楽しいので
本当は 全部聞いていただきたいのだが・・・
時間が無い方の為に 私のリクエストが読まれた部分だけでも
是非 聞いてみていただきたい
2時間34分の場所である
というわけで 私は 今 有頂天である
こんな単純に ハイになれるのだから
人生 それほど 悪くないものだ
ささ 皆さん
私の自慢だけで完結するのも アホらしいので
是非 皆さんも リクエストして この感動を共有して欲しい
リクエストの内容も 実にユニークである
単純に リクエスト曲とコメントだけでもいいし
今の気分を伝えて 斎藤さんが選曲してくれる フレーバーリクエストでもいいし
更には お題に沿った コンピレーションの森 というものまである
詳細は 是非ブログで確認して頂きたい!
さ 躁な私は 調子に乗って
次のリクエストをしてしまった
コンピの森の 「フィギュア・スケートにこの曲いかが?」というものである
リクエストしたのは この曲だ!
クラシックヴァージョンは 「ゆーゆーゆーずき かまぼこ!」みたいな
合唱が入るのだが あえて ジョージ・ハリソン版で どうぞ!
嗚呼 採用されたら いいなー
採用されても 嬉しいのだが
それまでの ドキドキワクワク感も
幸せのアペタイザーになるものだ!
そんなワケで 私は中尉に昇格した
先日 A型♀ O型♀ B型♂ AB型♂ の4人で
私の昇格祝賀会も 開催された
一介の秘密工作員が 参謀本部長になったワケだし
まあ めでたいのだが これだけれでは
何が何だか 理解に苦しむことだろう
説明すればするほど 恥ずかしくなってくるのだが
私の友人に ケンタという楽器製作家がいる
彼は 楽器も素晴らしいのだが
オシャレも 素晴らしい男なのである
彼は 1930年代のファッションを こよなく愛し
大学時代から 着こなしていたオシャレで
そのコレクションは ヤフーオークションでも有名だと聞く
最近は 思い通りの30年代の服が 入手困難になったため
自らテーラーになりすまし 服職人とのコネクションを強化し
納得のいくスーツを オーダーメイドしている
というか 聖地さいたまスタジアムの 浦和レッズ観戦に
30年代ファッションで乗り込む男は
サポーター多しといえども 彼くらいなものであろう
そんな彼が 私に 服をオーダーメイドすることを勧めてくれた
私は ネクタイが嫌いであるから
学ランの発展ヴァージョンの 軍服を作ってもらうことにした
学ランや軍服の マーカラーのジャケットは
ワイシャツを着て無くても 仕事が出来るので とても便利なのである
そして それが出来上がって 先日 デビューした
全く関係ない都合で 4人の飲み会が催され
テーラー深町屋としては 私の軍服をみんなに披露したいがために
その飲み会に 軍服で来るよう伝えてきた
私も ちょっと嬉しかったので
やたら美味いけど 佇まいは普通の中華料理屋へ
軍服で乗り込んだ
もちろん 激しく ウイていた
しかし ケンタは 私の軍服が
とても似合っていると激誉してくれ
私は 紹興酒の量に比例して ますます有頂天になっていった
「ところで杣さん 階級は 何なんですか?」
『え? 階級? 参謀本部長がいいいな』
「それは 階級じゃないですから!」
ということで 私の軍人としての階級談義に入った
もちろん 女の子二人は つまらなそうにしていたのだが
ヤロー二人は 勝手に盛り上がっていった
『大がつくのは偉そうだし 小がつくのは弱そうだから・・・ 中佐は?』
「うーん 中佐は結構偉いんですよ 杣さんには似合いませんよ」
たったそれだけで 私は中尉に任命された
そして それまで ただの飲み会だったのが
急遽 私の中尉昇格祝賀会という名目になった
嗚呼 憧れの参謀本部長
そして どれくらい偉いのか よく分からないが中尉である
なんだか嬉しくなって 会計の時に 激しく散財してしまった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
話がズレたが
まあ そんなワケで
ケンタの もうひとつの仕事 「深町屋」は 順調に滑り出している
私の作ってもらった軍服が
いかに 素晴らしいものであるか
すでに こんなエピソードもある
下館で 軍服デビューして アジトに帰宅し
その週の 町内のゴミ当番だった私は (中尉がゴミ当番かよ)
真夜中 ゴミ用のコンテナを持って 収集場所へ向かった
すると 道の向こうから 一人の男性が 歩いてきた
お互い 人の気配は分かる光量と足音の中
二人は だんだんと 近づいていった
そして 二人の距離が1メートルくらいになった時
その男性は タバコを吸いながら 私の全身に視線を合わせた
と その瞬間
彼は 1メートルほど のけぞりながら
転びそうな勢いで 後退していったのである
かろうじて 転ばなかった その顔からは 驚愕と恐怖が 見て取れた
私は たびたび このブログにおいて
多少 デフォルメした記事を書いているが
この時は 本当に どっきりカメラの収録のように 1メートルほど後ずさったのである!
悪いが 驚いたのは 私のほうだ
ゾンビじゃあるまいし 顔だって 8時20分のマユゲである
そんなに びびる要素は ないだろうに!
あ
私は その時 軍服を着ていた
金ボタンが キラキラ光る 軍服を着て
手には 黄色い 大きなゴミのコンテナを持っていた
うん 確かに びびるわな
ま それくらい ケンタの作ってくれた服は
リアリティーと 美しさに 溢れていたということだろう
さ 男性諸君
既製服で 納得できない方は
是非 テーラー「深町屋」へ オーダーして下さい
スーツなら 僅か4万円で 上下を作ってくれますぜ!
体のサイズを しっかり測定した上で
市場へ生地を買いに行くとこから こだわっております!
「この体のシルエットがいかに美しく出るか それが重要なんですよ」
彼は いつも そうつぶやいております
そんな友人のおかげで
私は 中尉になり
紫の時代が ついに始まったワケであります
ちなみに 私は 次に ミツゾロイを作ってもらう予約をしております
友人だからといって 安くしてはもらえませんが
満足度は そこらの量販紳士服店では 絶対に得られない領域ですから!
上野 東京藝術大学 第6ホール
Christine Schornsheim 公開レッスン
チェンバロ マイ・ナガレオ ノリコ・ハヤシ カズト・イトウ カズヤ・グンジ
フォルテピアノ エリ・ウチダ ミホ・ハガ
来年から 招聘講師として
芸大で教鞭をとる ドイツ人の演奏家による
公開レッスン
すまん 先生の名前
カタカナにできない・・・
普段 卒業した演奏家と仕事をしているが
こうして その過程にある学生達の
ひたむきな熱意のある演奏も 大きなトキメキをもらえる
例えるなら プロ野球では 味わえない
甲子園の 高校球児の試合のようなもの
カズト・イトウ エリ・ウチダ
特に 印象に残っている この二人は 講師からのアドヴァイスを
そのまま演奏で修正する技術とセンスで 最初と最後の演奏は 別物だった!
受講者達は 講師に何度も
「ヴンダバール!」と 言わしめていた!
成長の瞬間に 脱皮する瞬間に
立ち会えた悦びが残った!
さて 装飾が苦手な理由は 幾つもあるのだけれど
技術とセンスが無い だけでなく
あろーことか 知識も無い
前回の コリアンの文字は
プリントゴッコの 金色のインクを使って
見事に敗北! 撃沈!
何故 そんなものを使ったかって?
そこに プリントゴッコが あったからさ フン
で 今回の ネームバテンの anonymous
これは ボディの金ラインに使った
缶スプレーを 皿に吹きつけ それを筆で書いたワケだ
見事に敗北! 撃沈!
何故 そんなものを使ったかって?
そこに 缶スプレーが あったからさ フン
てなワケで フタの金文字くらいは
撃沈しない塗料を使おうと
超カワイイ 製作家のトモちゃんに 電話!
さすが プロです!
キュートな声で 懇切丁寧に いろいろ教えてくれました!
ありがたくて 恋に墜ちそうになりましたよ
で 教わった通りのダンドリをして
オッターヴァを 大音量で 部屋中に流して
いよいよ 本番だ!
いやー 筆で塗料を塗るのって
難しいものなんですね
響板の上の アラベスクの模様とか
トモちゃんは 細い筆で 完璧に描いてるけど
こんなに難しいとは 思いませんでした・・・
ますます 装飾が苦手になっていきます
全ての作業が もう少しで終了する頃
オッターヴァ(インターネットラジヲ)で 私のリクエストが読まれ
プロコの戦争ソナタが 部屋中に充満!
思わず 感激のあまり 手がぶれて
塗装が はみ出しました・・・
記念に そのままにしておきましたが
ちなみに エスロムのスペルは Esrom です
分かるかな・・・ 13歳の頃の暗号です
是非 解読に挑戦してみて下さい!
で 終わって 眺めてみると・・・
こういう文字 どこかで 見たことあるな・・・
そうだ ヘビメタの レコードジャケットだ!
これじゃ バロックじゃなくて ロックじゃん・・・
そんな エスロムな日々でした とさ
フタに 実際に書き込む時には
文字の形にくりぬいた 定規を作成
今回は 4種類の定規が必要になった
フタは もう塗装がしてあって
消しゴムを使うと ヘンテコになってしまうので
直線は 3ミリのテープを貼り付けた
この直線を頼りに 定規とエンピツで
文字を 書き込んでいく
これがまた 緊張の連続
前の字との間隔は 3種類
直線とは 垂直になるように
慎重に 一文字 一文字
ちなみに 我がアジトは
照明が 裸電球 ひとつで
しかも 60ワット・・・
夜になると 太陽電池の電卓が
使えないくらい 暗いんですね・・・
読書に ギリギリな照度なもので・・・
さて いよいよ 本番だ!
着色するぞ! おう!
下館 荒為土蔵サロン
Les Amis 56th Concert
長い間 仕事をしてきているが
知っている曲が ひとつもないコンサートは
恐らく 初めての体験だったと思う
前半は マンドリンの為に書かれた曲
後半は 演奏者達が作曲した曲
初めての音楽ばかりとはいえ ドキドキとワクワクに溢れていた
例えば 印象に強く残っているのは
最後の組曲 「夜を泳ぐイルカ」の『殺意』
冒頭は シンプルな1535(ドソミソのような)の
アルペジオが しばらく続くのであるが
その途中に 突然 音が抜ける
たった それだけのことなのに
ずっと アルペジオに支配されていた時間軸が
ばっさり崩壊する 真空の瞬間に
しっかりと 心まで かまいたちに抉り取られる
そんな さりげない
それでいて 音楽が紡いでいく時間や空間を
鮮やかにコントロールするウィットに富んでいた
広沢麻美は もう ベテランのチェンバリストとして
バロックの世界で 大活躍しているのだが
こうして 音楽の重心を軸足に残したまま
新しい方向に ひらりと転換できる しなやかさと勇気に満ちている
音楽の持つ また別の新鮮さに
包まれた午後だった
フタと同じ大きさの紙に
バランスよく配置できる位置を計算し
一文字づつ 手書きで書いてみる
四角いフラップは
左右対称だから
まあ 意外にバランスは整うんだよね
ありがたやー
問題は 翼型の大屋根
徐々に 面積が狭くなっていくから
その傾斜に合わせて 文字を減らしていく
果たして 計算どおりなのだろうか・・・
書き込みながら だんだん心配になっていく
で 全体を見ながら 少しずつ修正を加えていく
実際の大きさなので 位置のバランスは 分かり易いんだけれど
これに 色がつくと また 密度感 変わっちゃうんだよね
だから この時点では ちょっと文字が細く思えるくらいが ちょうどいい
黒地に 金で塗りつぶすと 文字は 膨張して見える
てな感じで リハ終了
新しいエスロム文字の形は
ネームバテンの 私の新ブランド
アノニモスの字体を モチーフにすることにしました
これで 間違いなく バロックちっくになることでせう!
イヒヒ
幾つモノ改定の末 ようやく形とルールを決定
文字が決まったら
今度は 格言の選択
実は これが 素晴らしく大変
文字の大きさと 格言の字数
それが フタの内側で
美しいバランスが とれるまで 試算 試算 試算
これは 文字の大きさから
いちいち 全て計算で出していくのです
しかし ここで手を抜くと 最後に泣くのは自分
私は 塗装とか 装飾は 大の苦手
なもんで いつもケンタから
「だんどり9割ですよ」と 怒られている・・・
はい
幾つモノ候補の中から
選ばれたのは ふたつの格言
それも バランスをとるために
ひとつの単語を ふたつに分けたり
空間が余った場所には イニシャルのMと
最後には anonymous と付け足す次第
まあ どうせ 読めないんだから
見た目のバランス重視ってことで
いよいよリハーサルに入ります
6月以降 とりあえず楽器としての
調整や変更を 密かに重ねてきた 新作チェンバロ 権兵衛
いよいよ 最終段階の 装飾に着手し始めました
前回のコリアンの時は
日本語を ローマ字にして エスロム文字にして
ふたつの屋根を 装飾しました
しかし この字体は マージャンのパイみたいだと
比較的 不評だったので 今回は変更です
ちなみに この文字を解読した天才がおります
去年の下田のミッションの時 芸大の学生 ゆりっぺが
見事に 一晩で解読してしまいました!
ブンダバー!
なので 今回は スペルが分かっても
意味は すぐに分からない ラテン語の格言を採用します
字体も バロックちっくに改造しました!
つまり ラテン語のスペルが そのままエスロム文字になっております
え? エスロム文字が何かって?
フッフッフ
中学時代に思いついた 私の暗号です
では 装飾開始です!