あの夏の415 ⑩ ラストリサイタル
6時半頃起きる
7時から朝食なので しばらくボーっとしてる
筋トレをする気も起きない
疲れているが 本番だ!
朝食を食べ シャワーを浴び 洗濯をして
ヨーグルトを食べ 宿を出る
ラットハウスには 9時前に入り
ライトを点けてもらい ヴォイシングとスタガリング
そして 調律をする
朝岡さんに 歯医者を探して来たということで
先生は 朝から 落ち着きがない
リハが始まって マインホルト氏も来る
小柄で気弱そうな人だが いい人だ
午前中のリハは 途中から まったく集中力を欠き
レジスターがどうの 響きはどうのと 落ち着かない
疲れるからと ランチを薦め ペンシオンに帰す
まだ本番まで 8時間近くある
気だけ焦って疲れている
ヴェルクマイスターの ヴァリエーションの
1/5を試している 悪くないと思う
バッハがあるので こうしてみた
今のとこOK
ただ 1本唸りが多く 分からない
ピンは回し易い
メカニックも とても良く出来ていて 心配は無い
あと半日で本番だが どれだけの人が集まり
どんなコンディションになり
どんな演奏をするのか 何も分からない
3時過ぎに先生到着
入れ替わりに 昼食の為 ペンシオンに帰る
カロリーメイト 柿の種 それからヨーグルト
これで食料は 基本的に尽きる
食後 ホールに行き 再び宿に戻る
7時から調律で 8時から本番
10年近く お世話になった先生の
もしかしたら ラストコンサート
ベストが尽くせますように! いいコンサートになりますように!
夕方6時でも 日本の3時くらいの明るさ
遠くで人の声が聞こえる 静かだ
まだ 幼かった頃 昼寝から目が覚めて
隣の団地との間に響いた 黄昏の静けさ
あれはもう 20数年前
いつも 当時は大変で なのに
振り返れば 幸せだったと思う
あの頃のオイラは幸せだった
そして 今も 幸せだ
不安はある けれど希望もある
やりたくないことがある
けれど やりたいことがある
トルコで大地震が 起きたそうだ
神戸を思い出す
死は点ながらも 確実に存在する
一瞬にして その点に吸い込まれていく いつの日か
あと40分で調律が始まる
調律が終わると 何かが終わる
この旅の とても重要な位置を占めてきた
何かが終わる
そして 何かが始まる
本番の30分前に 酒を飲むのは 初めてだ
それも アルコール度数40%の 強いアロマ酒
何か書きたいのだが 何も書けない自分がいる
ヒゲは だいぶ伸びた この旅の時間の長さ
さて 海外で初の(最後の?)調律
シャワーを浴びた いざ 宿を出る!
今夜は 先生の最後のリサイタルから 10周年
コンサートの様子は この連載の最後に 記します
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