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09. 07. 10

テンポ・オルディナーリオ

「あ それから 全然関係ないんですけど
 これって 治せますか?
 なんだか ちょっと リズムが ビッコひいちゃって・・・」


Img_0689_2


1696年頃 ルーリエが考案した 音楽計時器 「クロノメトル」
いわゆる メトロノームの原型で 天井から ぶら下がったフリコ
もっとも 19世紀初頭 メルツェルが特許を取った いわゆる「メトロノーム」も
最初は 2メートル近くあったというから 驚きである


テンポ・オルディナーリオ (正規なテンポ)


正規というテンポ
そこには 具体的な速度でなく
その曲 その曲にあるべく 正規なテンポ


メルツェルの友人であった ベートーベンは
「メトロノーム」を活用し 音楽家達にも配布し
『もはや私達に テンポ・オルディナーリオは無い』と語り
速度に関して 具体的な指示を 提示し始める


やがて それぞれのテンポに 名前がついていく


今は ほとんどが イタリア語表記だが
それが統一される前は いろいろ存在していたらしい
「キャベツを切る速さ」とは どれくらいのテンポだったのだろう


・・・・・・・・・・・・・・・・


メトロノームの 底板を外し
歯車の不具合が無いので
結局 幾つもの軸に バリストールを注す


カッ カッ カッ カッ ・・・・・・・


ゼンマイのメトロノームなんて
何十年ぶりに 音を聞く


仕事先では 電子メトロノームが 主流で
ピ ピ ピ ピ  
完全な間隔の 電子音が出てくる


しかし ゼンマイな機械は 
音が出てるというより 音が鳴っている
立ち上がりも 余韻もある音が カッ カッ カッ カッ 


『これで どうでしょう?
 たぶん 治ったと思うだけれど・・・』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今 我々が聞いている名曲が 作曲された頃
まだ 電子なんかと 無関係だった頃
そんな時代にも 音楽の縦と横があった


今は 縦のテンポも 横の音程も
電子的に いくらでも補正してくれる
それは とても便利なものだと思う


でも それぞれの曲に存在する 
テンポ・オルディナーリオを
創造するセンスは 人間にしか出来ない


メトロノームの音を聞いただけなんだけれど
いろんなスイッチが 入ってしまったようだ


帰宅して 十数年ぶりに
大崎滋生著 「音楽演奏の社会史」なんぞを
本棚から 引っ張りだしてしまった


Push=♂


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Comments

昨日はありがとうございました!
お蔭様で、メトロノームもチェンバロも
ついでにエアコンもすっかり元気になりました~~

お客様からの問合せが多くて
実家から発掘してきたメトロノーム。
昔はあの機械的なリズムが大嫌いだったけれど、
電子音の溢れる現代にあっては
十分「ゆらぎ」のあるものに感じられるから不思議です。
いや、あれに合わせて音楽しなくていいなら、の話ですけど!

それにしても、メトロノームに
300年もの歴史があったとは知りませんでした。
びっくり。

Posted by: z。 | 09. 07. 11 at 오후 12:28

テンポ・ジュストだっけ?そんなのもあったな
音楽には縦と横があり、リズムには表もウラもあるのだ

Posted by: 愛宕町私設ライブラリ | 09. 07. 11 at 오후 4:06

Dear z

うっす! 
送っていただいた ラビアのインタビューの本 読んでたら
日本に来ているらしいとか・・・ タイムリーでした!
社会派の本も 面白いものですね!
また インド料理 挑戦しましょう!


Dear 愛宕町私設ライブラリ

リズムの 裏と表
そこだよね テンポとリズムの違いって

Posted by: 某閑人 | 09. 07. 30 at 오후 9:03

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