75人/年
いつだったか
後輩が アジトで 一冊のファイルを指さして
大笑いしやがった
「先輩 名刺コレクションって なんですか? あっはっはっは!」
『それは ずばり 名刺をコレクションしてるということだ』
「普通は コレクションなんて 書きませんよ」
そう そのファイルの背表紙には
汚い字で 「名刺コレクション」と マジックで書いてあった
なにが 変なのか分からなかったが 悔しかったから タイトルだけは変えた
私は 幼い頃から 様々なものをコレクションしてきた
牛乳キャップから始まり 駅の切符 コーラの王冠
その他 いろいろだが 共通しているのは 金がかからないモノばかり ということだ
今では・・・
ピアノのカタログと 名刺と 韓国映画と・・・
まあ それくらいかなぁ・・・
・・・・・・・・・・・・・
私が 名刺のコレクターになろうと思ったのには
輪郭の鮮明な キッカケが存在する
それは 浜松時代 社会人一年目のことである
当時 私は 昼間ピアノを造って
夜は 佐鳴湖のほとりにある チャールストン・クラブという店で
ドリンク&デザートを作る アルバイトをしていた
くだらん自慢だが
パフェなどに飾る りんごの木の葉切りの数では
誰にも負けなかった記憶がある
結局 いろいろあって 2ヶ月ほどで やめてしまったのだが
そこの店長が 休憩時間に 事務所で 面白いものを見せてくれた
それが 数冊の分厚い 名刺ファイルだったのである
「ごえちゃん とにかく 知り合いをたくさん作ることだ」
店では ゴエモンと呼ばれていた私は
店長から 人脈の豊富さの重要さを 指南された
あれから 20年が過ぎて ふと思う
私を けっこう 可愛がってくれた店長は
私に内在する 幾つかの問題点を見抜き アドヴァイスしてくれたのだと思う
とりあえず 初対面では 良い人を演じ
しかし いつまでたっても壁を作って 本当に親しくなれず
友人なども出来ない この 致命的な問題点を
当時 そんなコトは 分からなかったが
ゴエモン青年は その名刺の数に圧倒され
無料コレクターの血が騒ぎ 名刺をコレクションしようと決めた
そのためには まず 自分の名刺を作らなければいけない
いろいろな名刺を 見せてもらったが
誰にも似てなくて インパクトのあるものを作ろうと 思ったものだ
ちょっとだけ 気になったから
現在のゴエモン翁の名刺を 数えてみよう
今は 6冊に分類してある (上から順に・・・)
調律師 (楽器製作者を含む) 337人
音楽業界 (ホール・録音・マジメント) 342人
一般 (いわゆる その他) 302人
韓国 (演奏家も調律師も韓国人なら) 154人
店 (縁あって頂いたもののみ) 175人
演奏家 (そのものズバリ音楽家) 225人
合計 1535人
そっか 20数年で 出会ったのは 1500人くらいなのか・・・
くばった名刺の方が はるかに多いな
というか 韓国人が 154人って マジかよ・・・
当時 店長は 現在の私より 若かったが
すでに 3万以上の名刺があると 言っていた
うん 凄い 凄すぎる
・・・・・・・・・・・・・・
多くの人々に 出会ってきたけれど
そうした機会の ほとんどを
もっと 大切にしなければ いけなかったような気がしないでもない
なんて 殊勝な人間であるハズがない イッヒッヒ
さ もっともっと コレクション がんばるぞ!
しかし 「名刺コレクション」 って
そんなに おかしな ネーミングなのかな・・・
なんだかなー
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