国境の島 ②
ヴィーナスと名づけられた 高速船 (往復1万5千円)
時速70キロくらいで 北へ北へ
1時間ほどして まずは 壱岐の島
下船する人 乗船する人
少しだけ 空気が動いて
そして 再び エンジンが激しく震える
まだ 風の力だけで 大海原を滑っていた時代
凪は 船乗りの天敵だったろう
でも 現代では この凪が ありがたい
遣唐使とか 元寇とか 文禄慶長の役とか
大陸と日本が接する時に いつだって舞台になっていた島
倭寇が 住んでいた島
19時半 夕日が沈みかける その瞬間
国境の島 対馬が その姿を現した
縦百キロ 幅十キロ
細長い 山だらけの島
ユーラシアのシッポまで わずか50キロ
僕は下船して 静かな街を 一人で歩いていった
まずは 宿を確保しなければいけない
いつだって いきあたりばっ旅
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