ミッションC コットンな静寂
大久保 淀橋教会
バロック・ハープ 西山まりえ
ソロの リサイタルの リハーサル
それは アンサンブルでも 本番でもない
コットンな静寂が キャンバスになっている
リハーサル
楽器が 音楽を織り上げていく音と
曲間に 譜面をめくる音と
それから 時々 聴こえてくる 館外からのノイズだけ
人間の声が 聞こえないまま
音楽だけが ずっと ずっと ずっと 続いていく
音楽の底の方まで ズブズブと沈んでいく錯覚に陥る
沈んだ響底には ミューズがいた
そういえば 初めて こもれびホールで ミューズに会ったのも
バロック・ハープの リハーサルだったっけ・・・
コンサート
音楽と 快活なトークと
そのコントラストが 空間と魂を彩色して
耳からは カラフルな時間のグラデーション
そして 拍手が呼応する
本番の シルクな静寂には
聴衆の気の密度が ぎっしりしている
三原色に満ちた透明は 光沢を宿してる
でも リハーサルは
もっと ゆるやかな シンプルな透明
だから 音楽の響き方も 違ってる
コットンから シルクへ
ふたつの静寂の衣装の中で
調律屋は 二回 幸せに包まれる
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