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09. 05. 12

真夜中のヴォイシング

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さすがに アジトの前の県道も
22時を過ぎると 静かになる
所詮 田舎である 車さえ通らなければ 蒼い静寂


ダンパーの無いチェンバロは
ピアノの右のペダルを 踏み続けている感じで
全ての音が フォワーンと残り続ける


真夜中のヴォイシングは ちょっぴり危険
あまりに 静かなキャンバスに 色彩は繊細に
実用より 弱く 優しい音へと バランスが崩れる


ふと 通り過ぎた 車が ビニールな音になる
ふうん 雨か
また 雨か


そうやって 180の音を 創ったり 揃えたり


あまりに デリケートになりすぎて
また 明日の朝 やりなおすのかな


でも 一番 自分に向き合える静寂な時間
鏡が 研ぎ澄まされていっても 
それだけ 歪んだ自分が 映るだけ


4ヶ月も 待たされた弦達は 大はしゃぎしてる
待たせて ごめんよ
もうすぐだからね

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