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09. 04. 06

春のヒグラシ

春らしくなった 先日の 昼下がり


と 突然 作業の途中 テレビが騒ぐ
いや 電話機能がついた 携帯テレビが騒ぐ
つまるトコ 電話が来た ということだ


ちなみに 音声着信は 
ヒグラシが カナカナとしぐれだす
(これ 夏になったら ホンモノの蝉時雨の中に 消えてしまいそうだな・・・)


もうひとつ ちなみに
杣は 絶対に 作業中に 携帯には出ない
祖父の遺言なのだから仕方ない! (20数年前に逝ったのだが・・・)


しかしながら 電話をかけてきたのは アネキである
( 奇遇ながら アネキは 杣の祖父の孫でもあり
  杣のイトコの父親と アネキの父親が兄弟という関係でもある )


アネキは知っている
弟が 電話に出ないことを!
だから 用事がある時は 必ずメールをしてくる


しかし 真昼間から イキナリ電話である!
ヒグラシ時雨が なかなか 鳴き止まない!
ムムム これは なんか 不幸な出来事があったか? ちょっと不安になる・・・


Img_8301


プチッ! 「もしもし! マキちゃん?」
『ああ 君 今 どこにいるの?』
「え?今? 上野の杜だけど・・・ 何かあったの?」


『本当に 上野にいるの?』 
結構 声が マジである・・・ ナンだ 何があったんだ?
すぐ 常磐線に乗って帰ってこいとか そういうことか? 後頭部の温度が2℃下がる!


「うん 芸大でメンテ中だけど・・・ ナニ? どうしたの?」
さっきまでの 自然界の中で最高の音楽家な ヒグラシの余韻など すっとび
チチキトク とか ハハキトク とか ジローイエデ などというセリフを覚悟する


『いやね 今 目の前を歩いてる人が あまりに君にそっくりだからさ 君かと思って』


は? 危篤 じゃなくて 奇特なセリフに やや絶句・・・


『本当に上野にいるの? 表参道にいるんじゃない?』


「あのさ その人 今 携帯でしゃべってる?」
『いや 普通に歩いてるけど・・・ なんで?』
「あのね 僕は今 マキちゃんと電話してるでしょ?」
『うん だから?』


「だから 目の前の人が 電話してないってことは 僕じゃないと思うんだけど」
『あ! そっか! さすが 我が弟! 頭いいね!』
ウーム "さすが” という装飾は どこにカカるのだろうか・・・ 複雑である


まあ 確かに 杣ファミリーは 全体的に やや ボケている というか トボケている・・・
アルツ盛んな弟であるが やはり 姉は 負けていない・・・
いつだって優等生で 聡明なアネキだったが そのテンネンぶりも 弟を凌駕している!


「じゃ 切るよ 2時までにアゲなきゃいけないから」
『うん 分かった! ところで君 今日 休みなの?』
「・・・」 プチッ!


自分の身近な人々が 普段 どんな辛い思いをしているか よく分かったさ・・・
これからは 人の話を よく聴くことにするさ
そして やはり 祖父の遺言は 厳守するべきだ! 


見上げれば 桜が笑っていやがった!
 

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