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09. 03. 26

指紋の勇気

イテテ イテテ・・・
ん? 
あ! トゲが刺さってたのか・・・


窓から降りてくる 午後の光にかざして
指先を 注視する
点のような 微小なトゲの周りには 延々と指紋


ふうん


指紋なんて 普段 しっかりと見てなかったな
これが 僕の指紋なのか 
これが 僕だけの 紋様なんだ ふうん


世界に どれだけの数の人間が 存在しているか知らないけど
この指紋は ひとつしか無いという
何十億 いや きっと無限だろう その中の たったひとつ


数学で 1/∞=0 と教わったけど
人間は 無限の中の一人でも ゼロではない
一人/∞≠0


でも よく考えると 人って みんな 完全に異なってるよね
完全に同じものなんて 世の中には ひとつも 存在してないよね
指紋だけじゃなくって 顔も 体も 心も みんな異なってるのに


Pa0_0000


そっか 指紋は 変わらないんだ
同じものが ひとつしかない というのでなく
指紋の価値は 変わらないことにあるのかも知れない


人は 成長するし 化粧するし 床屋に行くし 服を着るし
食事をするし 運動するし 太陽を浴びるし ケガをするし
本を読むし 愛でるし 憎悪するし 孤独になるし 抱きしめるし


そんな中で 指紋は ずっと同じ 頑なに同じ


変わり続けるモノばっかりだから 
変わることのない 小さな紋様に 
とてつもない意味と価値を 見つけたんだろうな


ほんの僅かな起伏の連続
人為的には 描きにくい曲線の連続
そのくせ 妙に等間隔な線幅の連続


変えなくてよいモノを 変えずにいられる勇気と
変えるべきモノを 変えることのできる耐力と
その いずれかを 判断できる賢明さと


世界に たったひとつな紋様は 
ずっと沈黙してるくせに 意外と雄弁
トゲ 抜いてあげるから ずっと そのままでいてくれよ 

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