« 不幸は続くよ どこまでも | Main | ミッションR 録音開始 »

08. 12. 02

千キロの鬼ごっこ

西へ 千キロ 移動するとなると
早朝 真っ暗な時間に 東の都を出発する
星と月が 併走してくれる


やがて 背後に 太陽が 眠そうに輝き出す
うっすらとした 青い輝きが 白くなっていくにつれ
車のライトも 吸い込まれるように 消えていく


すっかり明るくなっても
まだ 太陽は ずっと後
太陽に向かって 鬼さんコチラ 手の鳴るほうへ と一人ごちる


京の都を過ぎる頃
太陽は すっかり追いついて 車と併走する
影は 右へと伸びている


どんなに アクセルを 踏んでいても
中国地方に入る頃には 太陽が ちょっとづつ 追い抜いていく
いつのまにか 鬼は こちらになってしまったようだ


鬼さんコチラ 輝く方へ


本州の西端は トンネルが続く
トンネルを抜ける度に 前方で太陽が ギラリと笑う
サングラスを かけたり 外したり かけたり 外したり


西へ到着する頃
太陽は すっかり 遊びに飽きたように
穏やかな夕焼けを フロントガラスいっぱいに 見せてくれた


太陽は 時速何キロで 駆け抜けているのだろうか
オービスもなければ 覆面パトカーもいない 大空を
太陽は マイペースで 追い抜いていった


|

« 不幸は続くよ どこまでも | Main | ミッションR 録音開始 »

Comments

The comments to this entry are closed.