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08. 10. 30

死線を越えて

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カラフルな時代になった


コピーも 写真も 天然色で
誰もが 容易に 撮影し 複写する
そして 誰もが 容易に 捨てていく


何か カメラに収めたい光景に出くわした時
自分の場合は その状況や 造形だったりする


カラー写真は そうした心情より
あまりに忠実な再現をしてしまうため
色がうるさくて うまく表現してくれない


単色の写真は
表情や アングルを 忠実に再現してくれる
カラフルさに 邪魔されることもない


・・・・・・・・・・・・・・・・


ステレオな時代になった


手のひらに 収まる ウォークマンでさえ
やたらリアルに 音を再現してくれて
ミスの無い 綺麗な音楽が 耳にだけ飛び込んでくる


リハーサルで 会場をうろつくと
様々な位置では 様々な響きが 聞こえる


演奏者の 細やかな魂が 
忠実に届く場所
演奏者の 大胆な解釈さえ
曖昧で 届いてこない場所


モノラルなレコードを 聞いていた頃
そこには 体温のある音楽だけがあった
鮮明さを超越する リアリティーがあった


・・・・・・・・・・・・


カラフルな時代になった
刺激的な時代になった
便利な時代になった


感じたものを 等身大に伝えるのは むつかしい
言葉を どれだけ沢山 知っていても
案外 沈黙の方が 雄弁に語ることさえある


レモン千個分の ビタミンが入った飲料よりも
たった1個のレモンの栄養を
完全に吸収できる臓器の方が うらやましい

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