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08. 08. 11

遠鉄にゆられて ②

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遠州鉄道は 赤い車両が 2両だけの 小さな鉄道
JR浜松駅から 天竜浜名湖線の間を トロリトロリと走っていく
無人駅も多く なんだか ホンワカしている


オーハシがある 助信駅は ちゃんと駅舎がある
いつも 閑散としているけれど
この マッタリした空気までもが なんだか懐かしい


20年前 気負って浜松に やってきたものの
自分の 不器用さに 日々 打ちのめされており
この列車の中で いろいろ 考え 悩んだりしたものだ


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駅から歩いて 数秒も歩けば 大橋ピアノの工場が見える
当時は 遠鉄バスの修理工場だった敷地には
どでかい スポーツジムが取って代わり 時代を思い知らされる


よく 老人が自転車に乗って 道路の中央を フラフラと走っていた道
年寄りの多い町だな と かすかに驚いた記憶がある
今では その道を 車が のっぺらぼうな表情で 通り過ぎていく


工場の中を 覗いて見ると 空っぽだった


数年前に来た時は まだ 木工工具だけは あったのだが
今は 完全に ポッカリとした空間が 眠っていた
屋根より高い 大きなサボテンも 今は もう無い


大正生まれの ベテランの職人達
わずか 7名で 月に15台くらいのアップライトを 作っていた
慣れない遠州弁に 最初は 外国に来たと思うくらい 意味が分からなかった


平成3年 この工場での修行を終えて 東京に戻って 半年後
2代目の巌社長が 永眠してしまった
日本の 手作りピアノの歴史の 最後の最後に学んだ日々


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そんな感慨にふけっていると なにやら怪しい輩を発見!
ところどころ 割られた窓ガラスなどがあったが
もしや こいつの仕業か?


とっつかまえて やっつけてやった


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あれから 幾つものレールの上を 走ってきた
時には 乗り換えたり 乗り遅れたりしながら
それでも いつでも 各駅停車で ゆっくりと走ってきた


目的地まで 速やかに移動できる手段が 選択できる時代
それでも 自分は この遠鉄のように
小さな車両で 自分のサイズとスピードで 走っている


今また 新しい列車が ホームに入ってきた
この列車は どこに向かうのだろうか
この列車は どこまで行くのだろうか


そんなことは いつだって 乗る時には 分からない
でも 走り始めた車窓の眺めは 少しずつ 自分の夢へ向かっている
さ 鈍行だけれど 上り列車に乗り込もう


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Comments

下手なコメントは野暮なことは
十二分にわかっているのですが・・・

素敵なお話でしたconfident

Posted by: 笛吹きちゃん♪ | 08. 08. 12 at 오전 12:05

Dear 笛吹きちゃん

やっぱり 壺買いそうで 心配になってきた・・・
そういえば 病院で 呼吸の深さの診断があってさ
平均の 半分以下で 医者に呆れられた・・・
喘息って 肺の一部しか 利用できなくなってるのかな

Posted by: 某閑人 | 08. 08. 13 at 오전 6:28

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