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08. 07. 10

そっくりな人

「先輩 世の中には 3人 そっくりな人がいるって 知ってますか?」
『ああ 知っている オレは すでに二人を知っているからな』
「誰ですか それ? 会ったこと あるんですか?」
『高倉健と ゴルゴ13だ  もっとも 会ったことは無いがね』


成田空港の 貨物ターミナル
欧州より送られてきた 楽器のピックアップに赴き
天才先輩と 天災後輩は 同じ人物を見つめながら 語り合っていた


「先輩 じゃ あとの残りの一人は きっと あの人ですよ」
『ふうん』
「いやー 本当にビックリですよ! 先輩 そっくりですよ!」


二人の視線の先には トラックに荷物を積み込む 40代の男性がいた
少なくとも A型とO型には ありえない 独自のテンポで
几帳面に 荷物と伝票をチェックし オモムロに荷物を積んでいる


『どこが似ているのか 分からないのだが・・・』
「どこが似ていないのか 説明したほうが 早いくらい そっくりです」
『オレは あんなに優しそうな顔をしてないハズなんだが・・・ ゴルゴだし・・・』
「目のタレ具合 オデコのハゲ具合まで そっくりですよ!」


あえて言うなら その男性は 長谷川健太にソックリで
そういえば 健太は ちびまるこの作者と 学校が同じだったな・・・
オレは もしかしたら 友蔵にも似ているかも などと空想がシャッフルする


Photo


『そうか 世間には あんなツラに見えるのか オレは』
「そうですよ 先輩 第一印象だけは いいでしょ! 性格さえバレなければ・・・」
何故 後輩が そこで言葉を続けなかったか いささか 気にならなくもなかった


『オレは もっと硬派で 冷たい人間なんだが』
「強い男に憧れるのって マザコンらしいですよ」
『マザコン? あー マザー牧場には行ったことがあるが 2度とゴメンだね』


「は? なんでですか?」
『羊のウンコを たくさん 踏んづけたからさ』
「ハハハ 糞付けたんですね ハハハ!」


しかし その男性の仕事ぶりは なかなか カッコ良かった
独特のテンポで動いているのだが 要領を得ていて 無駄が無い


「先輩 実は隠された お兄さんとか いるんじゃないんですか?」
『隠している 子供なら いたるところに いなくもなくもないが』
「あ もしかして 実は 双子だったんじゃないですか?」
『もちろん双子さ もっとも 星座の話だが』


「二人で並んで 写真 撮ってあげましょうか?」
『いや 今日は遠慮しとくよ フィルムがもったいないから』
そういいながら デジカメのダイヤルを 無意味にカリカリ 音をさせてみせる


『ところで 似ていないトコは どんなトコなのかな?』
「そうですね 先輩の方が 頭がデカくて ナデ肩で 足が短いことくらいでしょうか」
そのまま 後輩を滑走路に 縛りつけてやろうかと思ったが 思い留まる


自分が 鏡の中に見る テメーの姿と
他人から見られている テメーの姿とは
想像以上に ギャップがあるらしい


まあ その どちらも真実であって 
どちらも 絶対ではないのかも知れない
受け入れるか否かは 別問題であるのだが


『そういや 君に そっくりな人を 何度か見かけたことがあるんだが』
「誰ですか? そんなに可愛い人が そこらにいるとは 思えないんですが」


不二家の軒先に 雨の日も 風の日も 立たされている
ペコちゃんに そっくりだと 言いたかったのだが
仕事を投げ出されて 帰られても困るので 不意にジョークを思いついた


『クレオパトラ』
「ありがとうございます! よく言われるんですよ!」
『あと 二人 知っているんだが』
「ええ 分かってます 楊貴妃と 小野小町でしょ?」


やはり 滑走路に 縛り付けてやるべきだった


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Comments

待ってた、ホイ。先輩、後輩、××シリーズ!

Posted by: 愛宕町私設ライブラリ | 08. 07. 11 at 오후 2:42

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