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08. 06. 06

セピア色の新鮮

Photo


100年ほど前 ピアノメーカーによって
鉄骨が入って ペダルのついたチェンバロが作られていた
今でも 時々 極稀に 見かけることがある


そうしたチェンバロは 「モダンチェンバロ」と呼ばれていた


それから 数十年経って
博物館にある バロック時代の 歴史的チェンバロを考察し
それを 復元したり コピーして 歴史的モデルのチェンバロが再現された


そうした変遷を経て 現代では 圧倒的に
歴史的チェンバロが 世界に溢れ 音楽を支えている
いつの間にか 歴史的なチェンバロは モダンなチェンバロを淘汰した


今や 「モダン」と名のつくものは
逆に 古めかしい印象を与えるモノに なってしまった


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関東圏内には 幾つもの ニュータウンと称される団地群がある
建設された当初は 新しい可能性を彷彿とさせる 
様々な期待と トキメキを 人々にふりまいていたことだろう


しかし 昨今のニュータウンは 住人の高齢化が進み
山村とは 別の意味の過疎化が 進んでいるという


今や 「ニュー」と名のつくものは
逆に 古めかしい印象を与えるモノに なってしまった


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そういえば 「ナウい」 という言葉は 
一時 死語になり 現代では逆さの意味で使われているらしい


もっとも 杣あたりの世代は 今でも 当時と同じ意味で
感動のあまり 「ナウい!」と つぶやいてしまうのだが


そういえば 「モボ モガ」 と称されていた人々は
現代では ボーイでもガールでもなく 爺と婆になってしまった


こうしてみると 新しさの象徴には
英語が必ず 含まれていた
鬼畜米英は 戦後 新たな可能性の代名詞に 変わったようだ


最近では ことさら 新しさだけを強調するネーミングは
使われなくなっている気がする
恐らく ナウくて モダンな おニューに 懲りたのだろう


・・・・・・・・・・・・・・・


バロック時代も クラシックも ロマン派も
当時を生きていた人間達は
自分達の時代に そんな名称を与えることなど 想像もしなかっただろう


これから 数世紀後 
現代は どのような名称で呼ばれているのだろうか


新しさが とてつもなく価値があると 錯覚している時代
現代は どのような名称で片付けられているのだろうか

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Comments

いちばん可笑しいのは
「サントリー ニューオールド」
えええええ?!?!
笑。

もう10年も担当している「西洋古楽演奏」というタイトルが
未だにしっくりこない私。
その授業では殆ど全く「古楽」のCDはかけないのだが・・・爆。

Posted by: saskia1217 | 08. 06. 12 AM 2:39

Dear saskia1217
アハハ そっか ニューオールドがあったか!
悔しいなー 一番 おいしいネーミングを・・・
今日は マンドリンと一緒に 天国の階段を
上昇していることでしょう!
がんばってくださいねー!

Posted by: 某閑人 | 08. 06. 13 AM 11:24

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