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08. 06. 30

イベリアン・レポート

そんなワケで サッカー欧州選手権は スペインが優勝した!
ポルトガルと共に 密かに 応援していたので
まあ シグロか トーレスあたりで 乾杯! な気分である!


ここ最近 イベリア半島に 関心が傾いている
ヨーロッパへの好奇心は 20代で消滅していたのだけれど
年をとってから 興味の出るものというのは かなりハマるようだ


30代後半は 朝鮮半島に 入り浸ってしまっていたが
40代後半は どうやら イベリア半島を しっかり見つめてみたい


Madridsophiaguernica


そんな中 あるレポートを 読む機会に恵まれた


昨年11月号の 「アーリーミュージック誌」に掲載された
イベリア半島における スカルラッティと チェンバロ製作に関する記事を
見坊澄女史が 翻訳したものだ


これが 凄い


文献案内まで含めて 原書では29ページものレポートなので
まだ 詳細を消化しきれていないのだが
スペイン・ポルトガルにおける 演奏と製作に関して 綿密な内容である


スペインのチェンバロは 漠然と 
イタリアン系のみと決め付けていたが さにあらず
へぇー ふぅーん という感嘆を 連続してもらしてしまう


なおかつ そうした歴史背景を元に
スカルラッティの曲を どのような楽器で 最適に再現できるか
そのモチーフを 重心に置いている


なので 楽器関係の人も 演奏家も 等しく 
新たな研究の糧として 大いに 滋養に富んでいるといえる


こうした膨大な翻訳を 慣れない専門用語と格闘しながら
翻訳して下さった労に 本当に 頭が下がるし 感謝である


・・・・・・・・・・・・・・・・


歴史的楽器の復元を 自分でやるつもりは サラサラ無いのだが
このレポートを ひとつのキッカケにして
イベリアの匂いがする楽器を いつか 作ってみたいと思っている


杣が 響板に使用している レッド・シーダーは
フラメンコのギターの響板には 普通に使用されているし
方向性としては ナンの無理もなく ベクトルを重ねられそうな気がしている


イベリアも 朝鮮も 前世紀には 内戦を経験している
そして その爪あとは 今でも 残っている
情熱の光と影 そして テグキの陰と陽


両半島の 近代史の背景には 当然 
それまでの歴史が 深く影響してきている


イスラムに翻弄され 日本に陵辱され
侵略の歴史の中で それでも 独自の尊厳を死守せんと戦う民族
そして イデオロギーによって 同じ民族の血が 大量に浸み込んだ半島


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


欧州選手権で スペインが優勝したのは
1964年以来 実に44年ぶりのことだという
当時 スペインは フランコ独裁体制の統治下だった


ファドや フラメンコの響きが放つ 陰影は
もしかしたら すでに スカルラッティの中にも あったのかも知れない
そんなワケで しばらく このイベリアン・レポートを 熟読してみよう 


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08. 06. 29

ミッションC

初台 オペラシティ 近江楽堂


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08. 06. 28

ヨジャイニッカ (女だから)


女性を扱うのが 上手い男性は 少なくない
しかし
女性を 理解している男性は 極 少数だろう


理由は簡単だ


男性だから


性別を超えて 相手を思いやれる時
それは 初めて 愛といえるのかもしれない


彼女の鼓膜が 消滅した時
僕は 彼女に鼓膜を 提供できるだろうか
彼女は 僕の鼓膜で 音楽ができるのだろうか


僕は 音が亡くなることよりも
彼女の音楽が 聴けなくなることのほうが
はるかに 恐ろしいのだけれど

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08. 06. 27

ミッションC

上野 東京文化会館 小ホール


アンサンブル・コルディエ

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08. 06. 26

権兵衛-27 弦の位置出し 8’ブリッジ

通常 ブリッジ(駒)の位置は おろか
ピンまで 打たれた状態で 響板は ボディに接着される
しかし 杣は 響板を接着してから この位置を出す


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響板を接着してから ピンを打つと
そのハンマーの振動やら 衝撃やらで
響板が割れると考えられている


しかし 杣は 今まで 一度も割れたことは無いので
結論として この懸念は 杞憂であると言える


むしろ メリットとして
響板と レジスターとが 動かない状態で位置を出せるので
各音の間隔や精度は とても上がる


杣は レジスターをセットし そこにジャックを立て
ひとつひとつ 正確に駒上に 位置を出していく
はっきり言って 面倒くさいったら ありゃしない


しかし ちょっと集中力をとぎらせると
とたんに 駒上の位置の感覚が わずかにおかしくなり・・・
なので 油断大敵な緊張な時間でもある


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ピン板から 垂直に定規をあてるのだが
定規が届かないところは テグスをピンと張り
垂直ラインの延長を出しながら 全ての音の位置を出す


バック8’を定規から取り その位置から平行して 4ミリ左に
フロント8’の位置を 同時にとっていく
この 垂直に平行 という位置のためにも 専用の定規を作る


これが うまくいったのか否かは 弦を張るまで分からん
そして 弦を張る時には すでに修正が出来ない
ユーゴーではないが ああ無情 てな気分である

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08. 06. 25

やわらかな銀行

今日びの 携帯界バトルは 熾烈である


もう ナニがなんだか 分からないほど 複雑であるのだが
だからこそ 店員の能力は ナザレの大工の様に 
無知なる人間には 福音に到達することがある


韓国で使えて テレビが見れる


これが 最大のモチーフだった
そして 調べてみると AUが一番 不利なのであった
なので この際 電話会社を変えることも視野に入れて 電気屋に乗り込んだ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


で 店を出る時には 新しい携帯電話を 手にしていた
決め手になったのは 店員の人間力だった
彼女がAUだったら 再び AUの機種を購入していたかも知れない


日々 新しい情報の洪水の中で 溺れることなく
非常によく勉強しており 自然体で客に接し 様々な疑問を 氷解してくれた
もちろん 若くて美人である! イヒヒ


どれだけ そのキャラに陶酔したかと言えば
唯一の在庫であった 売れ残りの 超ダサい 金色の携帯電話なんぞを
欲しくもないのに 購入させてしまうくらいの 美人人間性であった


・・・・・・・・・・・・・・・・・


ま 問題が無いワケでは無い
契約では 2年間 携帯を変更しない というのが前提になっており
携帯の本体は 9万円以上もする バブルな機種である


金色のバブルな電話・・・ 90年代の不動産屋の気分である


アジトの 60Wの裸電球に照らされた
そのゴールデンな輝きを ボンヤリと見つめながら
なんだか 嬉しいのか 後悔してるのか 分からなくなってきた


ああ せめて あの店員の メルアドだけでも
聞いてくれば よかった・・・
これから 2年間 やわらかな銀行と 一緒に生きていかねば・・・


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08. 06. 24

ロス・エンジェルス

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聖徳太子も そうだったが
福沢諭吉も まず 間違いなく
天使である

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08. 06. 23

夏至の後に吹く風

夏至を通り過ぎる頃 
なんとなく 魂の呼吸が 苦しくなる
それは 月の満欠や 気圧の高低より 影響が強い


日照時間は 夏至を越えて
ゆるやかに 短くなっていく


それは 傾きがマイナスの 2乗関数
夏至を頂点とした 放物線
冬至になる頃 傾きはプラスに転じ 放物線は逆転する


それは 時間という軸の中で
季節のように ゆっくりと展開している サインカーヴ
聴覚では捕らえられない ゆるやかな振動


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自分の中の ゆるやかな振動は
決して 天体の規則性と 連動していないのだけれど
夏至を迎える頃は いつも 逆さまの放物線の底点


だから これから 傾きはプラスに転じていく
単純な コサインカーヴなら いいのだけれど
人間の中の係数は いろいろと 複雑みたいだ


40年以上 つきあっている 自分自身の係数さえ 分からない
でも 影響される 自然のカーヴとの 接点や漸近を
少しずつ かき集めて 気象庁の確率で 予想してみる


ま 自分のやる気の無さを 夏至の責任に転嫁する 
そんな弱さを DNAの責任に転嫁して
ひたすら 転嫁の連鎖を 繰り返す そんな係数


櫂の無い 小舟のように 頼りないけど
帆を高く掲げて 風を待ってみよう
夏至の後には 風が吹くから

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08. 06. 22

ミッションC 441

サクラピア成城


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       オーボエ 若尾圭介
       ファゴット 水谷上総
    ピアノ&チェンバロ 小倉貴久子


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前半は チェンバロを使用して バロック・プログラム
後半は ベーゼンで プーランクとプレヴィンの トリオ


時に甘美に 時にエキサイティングに 
曲の真相を 天然色で彩ったマチネ


プレヴィンの最終部分 リハでは 様々なアプローチで
それぞれの輪郭を 模索していて
本番では バッチリと 最高の呼吸で フォーカスを絞っていた!


うーん 素晴らしい!


ボストン交響楽団のピッチは 440
NHK交響楽団のピッチは 442
二人の管楽器奏者は 今回は 441という太平洋ピッチ


ま チューニングでは
それぞれが やや 吹きずらいピッチで 気の毒になってしまったが
演奏を始めれば もう そんなことは 音楽の中に溶解させてしまっていた!


アンコールは ベートーベン
ベーゼンの旋律は ベートーベンの音楽を 深く美しく描いてくれる
雨のミッションだったにも関わらず 豪華な御馳走を 堪能させてもらえた!


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08. 06. 21

フランクなプーランク

世の中 一般のイメージとして
調律屋というのは 楽譜が読めると 認識されている
つまるとこ 譜めくりなど 出来て当然・・・ らしい


まあ 何事にも例外はあり
寒い夏などは 冷害もあるワケだから
可能性は 0以外もあるハズである


ナニ言ってんだか


まあ リハとはいえ
久しぶりに 譜めくりを頼まれて
胃潰瘍になりかけたのさ・・・


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でもさ ほら ベートーベンとかなら 
曲を知ってるから 譜面よめなくても
音符の形で なんとなく 追いかけられそうでしょ?


ところが どっこい プーランク
ん? プーランクだよね? 
クーランプでも クープランでもなくって プーランク


なもんで 途中で テンポが変わって
左のページの 半分の時間で 右のページが終わってしまって
ピアニストに 「ハイ!」とか言われて 慌てて ペロリ・・・


いやー 難しいもんなんだね 譜めくり
ガキの頃は あんなに ○○ー○めくりが 得意だったのにな・・・

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08. 06. 20

権兵衛-26 ナット

ピン板には 手前のブリッジ
つまるところ 「ナット」なるものがあって
このナットに打たれる ナットピンによって 有効弦長さが決まる


有効弦長で振動する エネルギーを
しっかり 響板側に 返してもらうために
ここも 共振しにくい 硬いメープルを使用


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まずは 4’のナット

あ ちなみに 4’は 5オクターブありません
無理して 4’を最高音までつけると
8’の響板の面積に 影響が出るので dis3までしかありません


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8’のナットは 高さが16ミリ
そこに 2mmの金属棒を付けて 合計18ミリ
ヒッチピン・ブリッジ・ナット と 同じ高さで 駒圧は0!


ちなみに ナットはナットでも
こっちのナットじゃ ありませぬ
Dr.スランプの クププな「がっちゃん」じゃねーんだから 食えねーわ・・・


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08. 06. 19

紫に笑える日まで

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重たい自由を ゆっくりと 引きずりながら
カタツムリは シャワーを浴びて ちょっと御機嫌
紫陽花の葉は その重さで ムッツリとカシいでるのに


せっかく笑った 花達だけれど
今宵の空は低すぎて 満月には 会えないみたい
枯れてゆくまでに 月は 何回 笑ってくれるだろう


空が泣くほど 笑う紫陽花
空が泣くほど 滑るマイマイ
空が泣くほど 歌うカワズ等


密かに溢れた 涙の分だけ
心の奥の 紫陽花は笑ってくれる
そして いつか 紫陽花は 陽の下で 紫に笑ってくれる


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08. 06. 18

ポルトガルの小舟

飼育係が バケツを持って現れると
動物達は ソワソワとして 集まってくる
そう 食事の時間がやってきた


結局 食べたいのである


動物達は その能力を イカンなく発揮して
人間には 到底 不可能な芸当を 鮮やかに披露してくれる
そして さりげなく 御褒美をパクリ


結局 食べたいのである


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7時から11時まで開店! というネーミングの店は
やがて 24時間営業になり 
需要は供給を扇動し コンビニは いたるところで煌々としている


それならば という時代の風に 後押しされているのか
最近のスーパーは なかなか どうして
随分と遅い時間まで 営業している


会社帰りの 実直なサラリーマンや OLらしき人々は
さほどの量を 購入するワケでも無いのに
21時を過ぎたスーパーで カラッポのカゴを カートに乗せ アンダンテに歩む


しかし その動きが ややプレストに テンポを変える
まるで終楽章を迎えたソナタのように 慌しくなる
その先には スーパーの職員が ペタペタ ペタペタ


「半額」


そのシールが 貼られるやいなや
弁当や 寿司売り場は 動物園の餌の時間のようになる
半径7メートルで カートを遊ばせていた群集は 半額に群がる


スーパー慣れしていない 杣のカゴには
20%引きの バッテラがひとつ
念のため 群集に紛れて 寿司コーナーに 2.0の視力を向ける


「半額」


しまった・・・
ほんの数分の差で 398円のバッテラが 半額になっている
しかし これは 竹島問題よりも 由々しい事態である


今更 20%引きのバッテラを 売り場に戻し
半額のバッテラを 手に取る勇気が 湧いてくるだろうか
羞恥心を放棄し 恥辱と屈辱にまみれ 30%の差額のために・・・


ジョナサン・リビングストンではないが
プライドというのは 実に 厄介である


結局 食べたいのである


しかし 現代の日本において
食べられるか否か という切迫感は皆無であり
残されたアレグロは 安さとプライドの選択でしかない


アジトで食った バッテラは それは それは 美味かった!
少なくとも 半額のバッテラよりは
30%ほど 美味かった!

 

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08. 06. 17

鮮やかな緑と 穏やかな痛みと

青汁を飲んでいる時
何故か その飛沫が 真っ白いTシャツに かかってしまい
思わず アチャと 落胆したものの


白地に くっきりと存在する 緑の点は
あまりに 美しい色をしており
しばらく 見とれてしまったりする


かと思えば 
全身に青汁を 塗りたくれば
自分も光合成が出来るかも などと同時に考えていたりする


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感じたり 考えたり している時
それは 幾重もの処理が 同時に行われていて
それを記憶したり 表現したりするのは 難しい


感じている時には 比較的 シンプルな直線なのだけれど
考えている時には 様々な情報と 融合分裂を繰り返し
澱のように沈静化まで 思考は不規則な浮沈の中を漂っている


脳の中で生じる 思考の化学反応は
極稀に 新しい閃きを生み出してくれて
その閃きを 思考によって 培養し活性化させてみる


それだけなら 毎日 さぞ楽しいことだろう
しかし現実は その反対の現象ばかりが 活発になっていて
創造力は妄想力と化し 妄想は暴走して 暴走は自棄へと豹変していく


これが 社会の溶液の中で 自分の位置を嘆くと 不幸である
自棄は 他人との摩擦係数による 熱を求めると
無差別で無謀な病想へと 繋がってしまうものらしい


ナニも考えたくない時 考えてはいけないと思える時
ただ ひたすら 筋肉を苛める
筋肉は 過剰な期待を戒め 正直に痛みを訴えてくれる


無法地帯で ブレーキの存在しない 思考の世界と異なり
肉体は 常に限界を提示し それ以上の意志の有無を
確認するが如くに 苦しみと痛みで 挑発してくれる


新しい朝日の中で 青汁の緑は 新鮮な感動の飛沫だった
それは 青と黄の融合ではなくて
生まれた時から 完全な緑なんだと 誇っているようだった


そのシャツの下で 穏やかに痛む筋肉が
生の負荷からの逃避を 無言で叱責してくれて
鮮やかな緑と共に 生きている感謝を 喚起してくれた
  


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08. 06. 16

モソモソ古着の代償

東急ハンズで 真鍮板を物色していると
ひらべったい女性の声で
館内放送が アナウンスされた


「スウェーデンより お越しの オスカーさま (×2)
 お連れさまがお待ちです
 最寄のスタッフに お声を おかけ下さいませ! 繰り返します・・・」 (×2)


これで オスカーが現れたら
よっぽど 日本語に堪能な スウェーデン人なんだろーなー
思いっきり カタカナの発音だったもんなー


スウェーデンが 本場の発音で どんなんなるか 分からんが
これが オランダ だとか イギリス だったら 
絶対 カタカナ国名では 通用しないんだろーなー


Photo


そういえば 先日の韓国出張の帰り
早朝の キンポ空港で
杣も 思いっきり 呼び出しアナウンスされてたっけ


まあ カタコトの日本語だったから すぐに分かったんだけれど
スゲー 恥ずかしい思いしながら
呼び出された カウンターに行ったっけ


「ソマサマ スーツケースニ PC ハイッテマスネ」
『いぇー まっすむにだ』
「ソレデハ カクニンシタイノデ アンショウバンゴウ オシエテクダサイ」


相手が カタコトの日本語を話す アシアナ空港の女性職員
それに カタコトの韓国語で返答する 怪しい日本人・・・


なんだか よく分からなかったけれど
そういえば PCは 時限爆弾の可能性があるとかで
本人の手で スイッチを入れさせられることが あったっけ


今回は もう 荷物も預けて 出国審査も終わって
後は 搭乗を待つだけ ってなタイミングだったから
朝から ノリマキにビールの朝食で オハラショースケモード・・・


ま 暗証番号 教えてくれってんだから
しょうがねー 教えたさ PCのパスワード
勿論 カタコトの韓国語で・・・


・・・・・・・


んで その後 何事もなく 飛行機に乗って
また ビールを飲みながら ふと 違和感に気付いたんだよね


だってさ PCは スーツケースの中に入っているのに
どうやって PCを取り出して スイッチを入れて チェックしたのかなって・・・
で やっと 理解できたさ


アシアナのネーチャンは PCじゃなくて
スーツケースの 暗証番号を 聞いてたんだ・・・
そっか そうだったのか・・・


そういえば 暗証番号を伝えてる時に 変な顔してたっけ
スーツケースの暗証番号に アルファベット8文字に数字4桁は・・・
ハハハ


いや しかし スウェーデンから来たオスカーは どうしたかなー
なんだか 気になってしょうがねーな

 

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08. 06. 15

バートマン リターンズ

やや 記憶に障害があることは 自覚していた
それは 「すこぶる」ではなく 「やや」という言葉で
テメーを 慰め 誤魔化し やり過ごしていたと 言えなくもない


がしかし 最近になって 
テメーの記憶力は 異常に悪いという現実を 突きつけられており
やや ではなく すこぶる 人生の歩みに不安を覚えている


電話をして 翌日 その内容を ほぼ 覚えていない
以前は 記憶の アルコール消毒による削除 と思っていたが
シラフでも その傾向は著しく 甚だ遺憾な事態と あいなっている


それでも 昭和な記憶は 豊富な備蓄を有しており
なんの苦慮もなく 「あたり前田のクラッカー」的 発言を連発し
「あーかーいーリンゴーにー」を口ずさみ ヒンシュクのシャワーを浴びている


なおかつ 妙な数値の記憶は 常人を逸しており
今だに 1582を見れば 本能寺を連想し 708を見れば 和同開珎を連想し
1.0594631やら 4186.009なる数値を 諳んじてしまう


「あなた それは ケンボウショウです」 と言われ 見坊という字を連想し
「数字だけ覚えるのは ジヘイショウです」 と言われ 痔屁射という字を連想し
もはや テメーの脳に メシヤは降臨しない事態に陥っている


・・・・・・・・・・・・・・・


前置きが 長くなった


過日 床屋に行った
と ここまで書けば 諸賢は 後文の内容を予想できることだろう
そう また やっちまったのである・・・


よく 甲子園には 魔物がいる だとか
オリンピックには 魔物が潜んでいる だとか言うが
杣の場合 どうやら 近所の床屋に 魔物が潜んでいる


といっても 床屋のオヤジが 魔物ではない 
人間 顔だけで 魔物と判断してはいけない


古来より 鏡は 魔術的要素を多分に要しており
普段 デカい鏡を見ない 杣なんかは 
床屋の デカ過ぎる鏡の前に 前掛けをした段階で 魔術にはまる


「今日は どうしますか?」
『ああ バッサリ やっちまってくれ』
「なんか 心境の変化でも あったんですか?」
『あゝ 恋を失くした ただ それだけのことさ』


この 会話のやり取りで 1年前の記憶が蘇ればよかったのだが・・・


30分後 鏡の前には どこかで見た バートがいた
そう 1年前に さんざん後悔し 慟哭し 二度と床屋に行くものか と
八百万の神々に誓ったハズだったが・・・ 誓った神が多すぎたらしい・・・


1年前のバートは それでも 顔が白かった
が リターンした 平成20年ヴァージョンのバートは 顔が黒い
黒いのは 腹だけだったハズだが ついに顔まで・・・


本人は スペイン人になってるつもりだが
まわりからは カンボジア人みたいと 冷やかされている
なもんで 東南アジアなバートが 朝霞に生息することになった


来年 同じ過ちを 犯さないよう 対策を練らなければならない
恐らく ヤオヨロズ(八百万)が 多すぎたのだろう
今回は ツクモ(九十九)の神々に 告訴して 記憶の温存を祈祷しておこう


言っておくが この記事に オチはない
オチたのは テメーの気分だけで 十分である・・・


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08. 06. 14

権兵衛-25 ヒッチピンレールと駒圧

ピアノに限らず チェンバロや 他の弦楽器も
弦は駒を 圧している


ピアノは どれくらい 駒を圧しているのか


先日の講習会で 比較的理想的な 駒圧は
弦1本あたり 1,5kgというデータがあった


ということはだ
仮に200本の弦があったとして 300kgもの圧力が
響板にかかっていることになる


単純に考えると 響板は300キロの重りを乗せていることになる
これは ウーム ムムムである


チェンバロは 弦1本の張力が ピアノに比べて小さいので
駒圧も 小さくなるのだが
やはり 響板には 弦によって 上から かなりの圧力が加わっている


杣は この圧力は 無くて良いと考えている
なので 駒の高さと ヒッチピンレールの高さを同じにして
響板にかかる負荷を できるだけ小さくしている


ヴァイオリンの駒に 小さな重りをつけると
振動を抑えて ミュートされる
逆にいえば 振動を抑えなければ 音のエネルギー損失は少ない


今までの楽器も 駒圧は0にしてきた
それによる弊害は 無いし
むしろ 遠鳴りしてくれる要因だと思っている


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ヒッチピンレールも 振動のロスを失くすために
硬いメープルを使用する
まずは テールを接着


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そして ベントサイド
この部分も ブリッジと同じ高さで
全ての音域において 駒圧は0にする


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ヒッチピンレールは 全ての部材の中で
最も 張力の影響を モロに受けている
なので 接着は とにかく完璧にしなければ 後で泣く


上から 響板に圧力をかけ
横から 親板に圧力をかけ
しっかりと圧着する


ボンドがはみ出して あて木にくっつかないように
サランラップを使用している


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うなされる悪夢の No1は 仕事に遅刻する夢だが
No2は このヒッチピンレールが 調律中に剥がれて
楽器が崩壊する夢であり・・・


高温多湿な場所や 夏の車の中
更には ステージのライトの熱で
このヒッチピンレールは 600kg近い力に耐えている・・・


嗚呼 悪夢が正夢になりませんように・・・

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08. 06. 13

それぞれの御馳走

腹がへった時に 買物に行くべきではない
アレもコレも 美味そうに見えて
食いきれないほど 購入して 必ず後悔する


しかし 美味そうなモノってのは 学習の上に成立しているのか
それとも 本能だけで そそられるのか 分からない


例えば 霜降りの牛肉のブロックを見て
「うまそうだ!」と感じるのは 本能ではないだろう


かといって ムシャムシャ 草を食む牛を見て
「うまそうだ!」と感じることは 皆無である


知識の連鎖が 食欲を育てる領域は 狭くないかもしれない


天を舞う鳥たちは 視覚情報だけで
大地へ急降下してきて 
本能のままに 御馳走をついばむ


鳥たちにとって 御馳走は
こういう映像であるらしい


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この写真を見て 「美味そうだ!」と 本能で感じる輩は
食物連鎖というシステムへの 冒涜であり 陵辱である
我々は 鶏を食うことによって 間接的に こいつらを食することが望ましい


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08. 06. 12

イフイフモンキー

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英語は 苦手である


ガキだった頃 それでも 英語を使ってみたくて 
がんばっていた時期がある


電話に出るときは イフイフ って喋ると 本気で思っていた
1月2月・・・は ワンムーン ツームーンと 本気で思っていた
全てのSは 三単現と 本気で思っていた


ノバにも行った
クラスは 当然 7Cだった
中学生と 老人と 一緒に 曖昧ミーと復唱した


目が覚めたら 突然 英語ペラペラな人間になっている!
そんな夢を 何度も見て
目が覚める度に 何度も落胆したものだ


英語は 苦手である


恐らく 杣が 英語を覚えるより
外人が 日本語を覚える方が はるかに早いと思う
だから これからは 外人に期待しようと思っている


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08. 06. 11

よ! ポリエステルマン!

ベンチプレスに寝そべって 大胸筋を鍛える
まずは 80キロのバーベールを 3セットほど持ち上げる
最後に 100キロの重量にし 神経を集中する


呼吸を整え 歯を食いしばる
顔面中の静脈の隆起さえ感じながら
自己の限界に 上半身の全ての筋肉が 小刻みに震えだす


完全に腕を曲げることは まだ出来ない
しかし もう少し もう少しだけ 曲げて そして 持ち上げよう
そんな瞬間だった


「よ! ポリエステルマン!」


ジムの天井と バーベルしかなかった視界に
嘲笑を浮かべた 後輩の顔が アップで加わる・・・


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驚愕とは このことである
なんてったって こっちは 命がけな行為の最中である
後輩は ニマニマして 繰り返した 「よ ポリエステルマン!」


必死になって バーベルを引っ掛けて とりあえず一命を取り留めた・・・
『バカやろー! バーベル持ってる時に 驚かすんじゃねーよ!』
「あれ? 先輩 首チョンパになるとこでしたね アハハ」


首チョンパ? 
よくぞ そんな死語を 覚えてるもんだ・・・しかし 差別用語じゃないのか? 
いやいや そういう問題ではない!


『首チョンパでも バカチョンパでもいいが あぶねーだろーが!』
「あ 先輩 今 バカチョンって言ったでしょ それ 差別用語ですよ!」


しかし こいつとは 会話が咬みあわないこと甚だしい


『なんだ そのポリエステルマンってのは!』
「ブログ読みましたよ ポリエステルの」
『ああ そうか フフフ まあな』


ブログの内容を出されただけで 急に機嫌が良くなる先輩であった


「今時 自分がポリエステル着てること知らない日本人は 先輩くらいですよ」
 とりあえず持ち上げておいて 思い切り 怒らせるのは 後輩の得意技である
「そんなバカなコト晒して 恥ずかしくないんですか?」
 とりあえず怒らせておいて 徹底的に打ちのめすのも 後輩の得意技である


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「だいたい そんな無理して筋肉鍛えて どうするんですか?」
 突然 会話の内容が変わるのも 後輩の得意技である
「もっと 足の筋肉つけた方がいいんじゃないですか? ヒョロヒョロですよ」
 突然 偉そうにアドバイスするのも 後輩の得意技である


『大きなお世話だ! オレは叶姉妹より 大きなバストになりたいだけだ!』
 実は AVの男優志願である などと 口が裂けても 言うワケにはいかない
『三島由紀夫だって 40代からマッチョになったんだぞ 凄いじゃないか!』
 実は 三島もホモだった などと 口が裂けても 言うワケにはいかない


「ふうん がんばってくださいね じゃあ!」
 一方的に会話を始めて 一方的に会話を終えて
 そして 突然 去っていくのも 後輩の得意技である


かくして ポリエステルマンは 集中力をかき乱され
ベンチプレスの上で ポツネンと取り残され
その復讐を ブログでやろうと決意するのであった・・・

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08. 06. 10

ミッションC 目白の扉

トッパンホール


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     リコーダー ダン・ラウリン
    ヴァイオリン 高橋未希 松永綾子
       ヴィオラ 深沢美奈
        チェロ ディミトリー・バディアロフ
    ヴィオローネ 諸岡典経
       リュート 井上周子
      チェンバロ 渡邊孝


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「花鳥風月」と題した リコーダー中心のプログラム


プログラムに掲載されていた ダン・ラウリンの一節を ちょっと拝借する
ヴィヴァルディの ハ短調協奏曲に関するエピソードである
ブリュッヘンの録音が リコーダー奏者となったきっかけだと 述懐しながら・・・


 趣味としてリコーダーを始めた時 
 母はよく ブリュッヘンのLPをかけてくれたものでしたが
 私は ブリュッヘンの吹いている楽器が
 自分と同じリコーダーなのだと 気がつくまで 随分時間がかかりました!


この曲が 彼のリコーダー人生において 重要な位置をしめ
そして それに対する 困難と至福を感じる言葉が 続く


今夜の ダンの演奏は その美しさと 高い技術で
聴衆は 若き日のダンと同じような 感動に包まれたと思う
拍手の温度は とても高いものだった


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今年で 4回目を迎えた 目白バ・ロック音楽祭
調律の仕事は 本日のみの参加であったが
縁あって 幾つかのコンサートを 聞かせてもらっている


  トリスタンとイズーの悲恋物語では 
  憑依した歌姫によって 中世ヨーロッパから
  源流のアラブ世界まで 彷徨の旅にイザナわれた錯覚に陥った


  フォークロワと西洋音楽の出会いでは
  独特のリズムと歌唱が 侵略による南米の陰影を 鮮やかに描き出し
  その中で生きる 人々の悲愁と逞しさに 熱い圧力を感じた


  花鳥風月では リコーダーとアンサンブルによって
  もはやBGMになどならない 躍動感のあるバロック音楽に翻弄され
  後向きの前衛と言われた古楽が 新しい可能性の塊であることを教えてくれた


個人的には この音楽祭の唯一の難点は チケットが安くないことだと思っている


ただ 普段 我々が 容易に耳にすることのできない音楽が 準備され
その奇抜さだけでなく 相当以上のクオリティーの演奏が展開しており
その扉の前で 躊躇するか 中に入るかでは 想像以上に大きな差が存在するようだ


15日に閉幕する音楽祭
残りのプログラムも 僅かになったが
一度 扉を開けてみることを おすすめする
 

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08. 06. 09

ミッションC 極秘ミッション

池袋 明日館


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まだ未公開なプロジェクトなので
ここで 詳細を 明らかにするわけには いかない


とある 一人の チェンバロ製作家
彼が チェンバロに関する プロモーション映像を 製作しているのである
楽器について そして チェンバロ周辺の文化に至るまで・・・


小さな映画なみのプロジェクトなので
そこに投じている資産も 莫大なものになる


しかし それでも チェンバロを伝える使命を担い
膨大なエネルギーをかけて このプロジェクトを遂行している
その情熱は 近いうちに カタチになって 我々の前に登場することだろう


これは チェンバロを伝える記録になると同時に
チェンバロへ人生を懸けた 一人の男の記録でもあるだろう


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さて 今回の収録では ケンタのジャーマン・チェンバロも登場した
なもんで 製作したケンタも 収録に立会い
「よ!」てな感じで ケンタと 他のスタッフと 歓談できた


この収録の前日 ケンタは 新作を納品に行ったばかりだった
完成間近の楽器を 工房で見た時 ・・・素晴らしかった!


その新作は このブログの読者でもある人のとこに 嫁入りしたので
今頃 新しいチェンバロを 弾きまくっていることだろう!
いやー ケンタも ペッパーも おめでとう! である!


で ケンタに 「よ!ポリエステルマン!」の話をしたら
思い切り ウケていたので そのうち ブログに載せよう ということになった
しかし 笑顔というのは 本当にエネルギーをくれるものだ!


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08. 06. 08

赤のコレギウム

赤の勧誘を受け 再び 聖地に巡礼に行った


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武蔵野線 東川口駅で 乗り換える時には
もはや 周りは 赤い信者で溢れている
そして 最寄駅を降りて しばらく歩けば ・・・聴こえるのである!


まだ 数キロ先の スタジアム
広い空に ポッカリと口を開けた スタジアムから
熱狂的な信者の 熱い熱い 祈祷の声!


2回目でありながら その レッズサポーターの 
応援の声が聴こえてきた瞬間 鳥肌が立ち
感動してしまう・・・


そして 赤い客席 緑のグランド 
いやー 涙が出るね


マイクのような拡声器で 群集を洗脳したのは
恐らく ヒトラーの時代あたりからだろうが
それまでは こうした肉声の集合が 集団の音だった


それは 経験したものでないと分からないくらいの 
戦慄を覚えるくらいの 気が充満している
これが 圧倒されるし 味方だと思うと なんとも 心強い


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がしかし レッズは 1-5で大敗した


相手の 名古屋グランパスのサポーターは
敵地 サイスタで 僅かな人数であったが
どうしてどうして レッズに負けないくらいの声援を がなっていた!


そして グランパスの19番
とにかく 足が速くて 間近に観戦していて ノケぞったさ!
いちいち キラリと光っていたが やはり ハットトリックを決めていた!


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レッズは 日本代表の試合で 何人も 主力が抜けていたので
戦力が 著しく欠如していたのは 分かっていた
がしかし ここまで 大敗するものなんだ・・・


でも やはり プロの試合は勉強になる
今回は 相手の選手との 体のアタリの強さを 観察していた
ファールしないかぎり かなり しっかり ガツンと体をあてていいもんなんだ・・・


前日の練習で 両足首ネンザの失態をしてしまったが
しっかり下半身を強化しようと 鼻息を荒くしたさ


そんなワケで 赤い巡礼は
すっかり 赤いコレギウムにもなってしまっている・・・


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08. 06. 07

ラッキーな イエローカード

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右足首を ネンザした
それでも ハリキり続けてしまった


すると 今度は 左足首を 軽くネンザした
それでも なんとか ハリキってみた


最後に 微妙に 腰を痛めてしまった・・・


体というのは 普段 素晴らしいチームワークで
連携しており 互いに ホローしあっているようだ
故障しなければ 気付かない程 完璧な互助会である


さて 問題は 
そんな逞しい体に 指令を送っている 頭脳だ


痛みをこらえてこそ 根性が鍛えられる!
そんな 昭和のアニメのような 精神主義は
老体には 百害あって一利なし ってなもんである


ま 生活にも 仕事にも 支障がないので
健気に健康でいてくれる ボディを
もっと イタワれ! という 警告だと思っていよう


健康も 親も 失くして 初めて
その ありがたさが 分かるという
なので 失くす前に気付けただけに やはり ラッキーである


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08. 06. 06

セピア色の新鮮

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100年ほど前 ピアノメーカーによって
鉄骨が入って ペダルのついたチェンバロが作られていた
今でも 時々 極稀に 見かけることがある


そうしたチェンバロは 「モダンチェンバロ」と呼ばれていた


それから 数十年経って
博物館にある バロック時代の 歴史的チェンバロを考察し
それを 復元したり コピーして 歴史的モデルのチェンバロが再現された


そうした変遷を経て 現代では 圧倒的に
歴史的チェンバロが 世界に溢れ 音楽を支えている
いつの間にか 歴史的なチェンバロは モダンなチェンバロを淘汰した


今や 「モダン」と名のつくものは
逆に 古めかしい印象を与えるモノに なってしまった


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


関東圏内には 幾つもの ニュータウンと称される団地群がある
建設された当初は 新しい可能性を彷彿とさせる 
様々な期待と トキメキを 人々にふりまいていたことだろう


しかし 昨今のニュータウンは 住人の高齢化が進み
山村とは 別の意味の過疎化が 進んでいるという


今や 「ニュー」と名のつくものは
逆に 古めかしい印象を与えるモノに なってしまった


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そういえば 「ナウい」 という言葉は 
一時 死語になり 現代では逆さの意味で使われているらしい


もっとも 杣あたりの世代は 今でも 当時と同じ意味で
感動のあまり 「ナウい!」と つぶやいてしまうのだが


そういえば 「モボ モガ」 と称されていた人々は
現代では ボーイでもガールでもなく 爺と婆になってしまった


こうしてみると 新しさの象徴には
英語が必ず 含まれていた
鬼畜米英は 戦後 新たな可能性の代名詞に 変わったようだ


最近では ことさら 新しさだけを強調するネーミングは
使われなくなっている気がする
恐らく ナウくて モダンな おニューに 懲りたのだろう


・・・・・・・・・・・・・・・


バロック時代も クラシックも ロマン派も
当時を生きていた人間達は
自分達の時代に そんな名称を与えることなど 想像もしなかっただろう


これから 数世紀後 
現代は どのような名称で呼ばれているのだろうか


新しさが とてつもなく価値があると 錯覚している時代
現代は どのような名称で片付けられているのだろうか

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08. 06. 05

権兵衛-24 響板接着

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そんなワケで 響板を接着
工房のクランプを 長いも短いも 全てかき集め
うちまわし 及び 4’のヒッチピンレールに 接着


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さて もう ほとんど727が 
間に合わないタイミングになってきたが
やるだけ やってみよう! おう!

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08. 06. 04

藍紅色旗と蹴球

昨年の 530は こんなん もらいました


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これ どうやら ホンモノの キム親子のバッジであります!
ずっと欲しかったので 感謝感激雨アラレちゃんだったのであります!
しかし これ なかなか どうして 使用するチャンスに恵まれないのであります・・・


本番の仕事で これつけて 調律しようと思ってたのですが
このバッジの意味 分からない人が ほとんどですし
分かる人には シャレが通じない場合が ほとんどでして・・・


でも お宝なのであります ウヒヒ


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で 今年の530には こんなん もらいました!


朝鮮民主主義人民共和国サッカー協会の バッジなのであります!
そして これも ホンモノらしいのです!
いやー 存在自体知らなかったし 再び 感謝感激雨ガッチャンであります!


見てください この組み合わせ
北朝鮮の国旗と サッカーですよ!
今の杣に これ以上の組み合わせは あり得ないでしょう!


日本の国旗は 日章旗
大韓民国の国旗は 太極旗
朝鮮民主主義人民共和国の国旗は 藍紅色旗


さて ミッションでジャケットを着る時には
悪徳刑事な表情で 胸元には 藍紅色旗とサッカーボールがキラリ!
調律が上手くできなくて 額には 冷や汗がキラリ! イッヒッヒッヒ!


いやー 長生きするもんだなー


いやー マンセー! マンセー!

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08. 06. 03

エンジ≠ワインレッド

ガキの頃から 一番好きな色は 紫だった
周りの大人たちは その色の趣味を いぶかっていたし
友人達は キチガイ色だ と 囃し立てたものだ


それでも 今でも 紫は 一番好きである


しかしながら 紫の服は 一度も着たことが無い
理由は簡単で イメージ通りの紫が 存在していないからである
紫に限らず 色は いろいろ 難しい


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身につけるモノは だいたい 黒 白 そして 青 緑
赤系統の 暖色系のモノは 韓国のユニフォームくらいで
魅力に感じることなど 最近まで皆無だった


ところがだ


最近 エンジ というのか ワインレッド というのか
どちらかといえば 赤系統の色なのだが やたら注意が向いている


理想は 06年の ポルトガル代表のユニフォームの色である
あるいは 少し前の ベネズエラ代表のユニフォームの色である


しかし 理想通りのエンジは なかなかどうして 出会えないものである
恐らく 色 そのものよりも 質感を含めた色に 固執しているのだと思う
深くて 渋くて それでいて 輝きを持ったエンジ 


これは 紫にも共通しているのだが
ひらべったい色には なんの魅力を感じないのである
奥行きと 光沢の 理想通りのバランスが 存在していないのである


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


絵画を見る時 非常に想像力を刺激されるのは
画家が この絵を どのような光の下で 描いたか ということだったりする
直接でなくても 日光と 白熱球では 光の質は 著しく異なる


蛍光灯で 絵を見ることは ほとんど無いのだが
美術館の照明のセンスは 音楽ホールの響きと同じくらい
作品に 大きな影響を与えている


日光であっても 夏の光 秋の光 冬の光 
そして 日本で見る光 ヨーロッパで見た光
その質は 音の質と同じくらい 異なっている


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


というのも 今 製作中の楽器の
塗装のことを しっかり考えなければいけない時期になってきた
当初は 表がマットな艶消しの黒 裏が艶出しの黒 そして金の装飾だった


が 理想通りの エンジ というのか ワインレッドが 見つかるのなら
内側を エンジ 表側を 濃紺にしようかと 迷っている


塗装は 深みを出すためには 一度 黒を塗って
その上に 表面の色を塗ると 奥行きのある色に仕上がる


さて どうしよう


今 自分の中で 追いかけている イベリア半島のイメージは
今回の楽器には からめない方がいいのか
からめるにしても 理想通りの色は 出せるのか


生きていくことに ナンの関係も無いテーマほど
深刻になってしまったりする
ま それは 贅沢な幸福なのかも知れないが・・・


いつか 最後の楽器を作る時には
イメージ通りの 紫で 仕上げてみたい
シルクに咲く桔梗のような 紫陽花がベルベットになったような


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08. 06. 02

講習会-後世への最大遺物

国立 ムサシ楽器 ヴィオレホール


日本ピアノ調律師協会 関東支部 9班の研究会
ヤマハCFという フルコンのピアノに サウンドベルを
実際に取り付け その効果を 体験できるというもの


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スタインウェイでは グランドトレブルベル という名称らしいが
こいつが 高音部の 響板の裏 支柱に取り付けてあって
鉄骨にかかる力を 支柱に伝えているモノなんだが


通常は この部分は 木材の支柱が取り付けてあって
これが 金属だから スタインウェイの音は 素晴らしいのではないか!
などという 安易な憶測も かつては飛び交っていた


今回の研究会では この鋳物のサウンドベルを
中音の低い辺りに 1個
そして 高音の木材の支柱を 切断して 1個 取り付ける


・・・・・・・・・・・・・・・・・


で まずは ナニもしていない状態のピアノの音を確認しましょう
ということになって 数人の調律師が オモムロに音を出す


タン タン タン タン


調律師は どうして 音を確認するときに
1音1音 フォルテで弾くのか 甚だ疑問である
そんな音は ピアノの演奏では 出てこないではないか


仕方が無いので 杣は アドリブでG-durのアルペジオと 曲を弾く
ピアニッシモが コントロールしにくく ウーム ムムムな状態
立ち上がりも悪く 眠っているピアノという印象


まるでナルシストな音を出して 席に戻ると
日本のチベットと呼ばれている 甲府からやってきた みっちゃん(♂)が
ジャズを弾いてくれた! これは 非常にピアノの音がよく分かる


さて それでは まずは 中音のベルを取り付けてみましょうか


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関東支部5班の アントニオ・ナトリが 実演をしてくだすった
(まるでプロレスラーのようなので 勝手にアントニオと命名)
まずは 鉄骨に 穴を開ける


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鉄骨からのボルトが 支柱まで伸びるため 次は響板に穴を開ける
ピアノの裏側での作業のため ゴーグルをつけて 果敢にドリリング!


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支柱に取り付く サウンドベルと
鉄骨からの ボルトは フタツのジョイントによって
位置の修正が出来るようになっている


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で 最後に 音を聞きながら 
サウンドベルと ボルトのネジを締めていくのだが
ハッキリ言って これは 明らかに 響きに変化をもたらした!


タン タン タン の音は いっさい無視して 再びミッチャンに弾いてもらう
音の輪郭が鮮明になり ピアニッシモのコントロールが容易になっている!
うーん これは たまげた!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


続いて 高音部の支柱を 1本 ぶったぎる


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切断してみて分かったが この木材は ブナだった・・・
いい材料 使ってやがるなー と同時に
アントニオの忍耐強い作業に 脱帽である


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もともとあった ボルトの位置の支柱を 完全に切断
これ 張力かかったままでやるんだよね・・・ 最初はビビったさ
でも このボルト外して 支柱切っても 調律は変化無し・・・ へえー すげー


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さて 高音部のベルも取り付けて・・・ サウンドチェック
正直な感想としては 高音部の方は 特に大きな変化は感じられない
ミッチャンのピアニッシモも 高音部取り付け前の方が 弾きやすそうだったし・・・


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ま 更に 駒圧測定やら いろいろ 盛りだくさんな講習会でした
イッペンに書くと 焦点がボケるので このくらいにしときませう
新たな発見も たくさんもらえて いい刺激になり 有意義な時間を過ごせました


実際に 作業に従事された アントニオ・ナトリ先輩
そして 企画から当日の運営まで 携わった 幹事やスタッフの方々
本当に お疲れさまでした! 感謝です!


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さて この 後付けサウンドベルの考案者は 濱田光久
調律師協会では 知らぬ者は おらぬ程 
アクティブで アグレッシブに ピアノの可能性を追求してる方でございました


ございました という過去形を使用しなければならないのが
とても 残念なのですが・・・


実は 今回の講習会も 彼本人が 講師を務める予定だったのですが
この講習会の3日前 杣の誕生日の5月30日に お亡くなりになられたのです


彼の考案された 独立アリコート初め 様々なアイデアは とても刺激的で
今回 お会いしたら たくさんの質問と ツッコミを ぶつけてみたかったのですが
それすら出来ない お別れになってしまいました


でも 調律師の大先輩が 遺して下さった そのベクトルは
我々 後輩達が 引き続き 受け継いでいくことによって
ピアノと 音楽に 貢献できる可能性を 広げていかなければと 改めて思いました


お会いできなくて 本当に残念でした
でも たくさんの宿題を遺してくださったこと 感謝しております
そして 心から 御冥福を お祈り致します
 

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08. 06. 01

ミッションC 薔薇よりも甘く

大船 玉縄和田ホール


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         ソプラノ 高橋美千子
     ヴァージナル・チェンバロ 吉見伊代


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イギリス古謡 そして 日本の歌
更に バロックから クラシックまで
幕の内弁当のような 豪華なプログラム


高橋の歌は それぞれの音楽の中で
歌い分けながらも 透明感と存在感が顕在していた


リハが始まって 自分の声の反射を感じながら
会場に適した 質と量を判断し
物理的な距離感と 音楽的な距離感を 巧みに調整していた


そして 吉見の伴奏が しなやかだった
イギリスの民謡から 本来ピアノ伴奏の曲まで
ヴァージナルやチェンバロで 伴奏をしているのだが・・・


通奏低音が出来る だけでなく そのセンスが光っていた
歌の領域を侵犯することなく かといって 変幻自在に音を重ね
サラリと 濃度の高い 伴奏の空間を作り上げていた


二人は 初めての共演と聞いた
それでも 音楽と 相手に対する敬意がある 演奏者同士のアンサンブルは
聴衆の心を 音楽のみへ浸透させてくれる

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