透明な装飾
名前は知らないが
商店街の電柱や 電燈にくくりつけられている
この 花のような装飾は 意外に 効果があるように思える
駅前から 商店が続いている 昔ながらの商店街
その多くは この 装飾が 何気なく飾られている
しかし この装飾が なくなった途端
なんだか 商店街から 普通の道になった錯覚を覚える
たとえ 店が並んでいても もはや 商店街外に思えるのである
注意して この装飾を見ているワケでは無いのだが
視界のどこかに しっかりと登場していて
華やかさと 賑やかさを さりげなく演出しているのだ
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美術館に 絵画を見に行っても
杣の興味は 半分以上 絵の額縁にある
この額縁が なかったら この絵は
どんな印象になるのだろうか
この額縁と 隣の額縁が 入れ替わっていたら
どんな印象になるのだろうか
絵のみに注視しているようで
しかし 実際には 額縁も視界に存在しており
たくさんのイメージの 増減に作用している
こうした 人間の特性を
密かに利用したモノって
きっと もっと たくさんあるのだろう
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楽器の装飾でも 同じようなコトがある
チェンバロなんかは カラフルさに目を奪われるが
それを 額縁のように 安定させ 格調を上げているモノがある
それは 楽器の要所要所に 施された モールディングである
普通 人は このモールディングに注目しないが
モールディングの ささやかな オウトツは
光の陰影を作り出し 胡椒のように 引き締めてくれている
それは 時に 華やかさを
時に 安定感を 与えてくれる
さりげないけど 結構 効果がある
透明のような装飾は
製作者のセンスが露呈してしまうから・・・ トホホである
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