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08. 04. 07

午後 雨 そして花

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子供の頃から 桜が あまり好きではなかった
桜は 木が花だけで覆われる
あれが なんだか違和感というか 不気味だったのだ


大人になって その違和感に あれこれ理由をつけてみた
でも 自分すら納得させる屁理屈が 今でも うまくいかない
自然のモノなのに ただ 不自然に感じる そんな程度の理屈だ


花がキレイだと思うようになったのは 実に遅く 高校時代だった
好きな花は 小さな頃から 紫陽花と 向日葵
大人になって 白木蓮が加わった


桜は 枝垂れていると 美しいと思う
でも それは花が美しいというより
あの 枝がおりなす 複数の曲線と その複合に 目が奪われているだけだと思う


桜が散り始めて 葉桜になると ようやく 美しいと思う
樹木は やはり 緑が似合う
春の緑は 冬の裸の樹木の次くらいに 好きだ


そして 花は 晴れより 曇りがいい
太陽の強すぎる光線の中で 
花は なんとなく 苦しそうに見えてしまう


でも 曇りや 雨の日 
花は 笑っているように見える
だから とてもイキイキとして 美しい


アジサイは 限りなく強い
ささやかな集合なのだが そのシナヤカさの中に
秘められた 強さがにじんでいる


ヒマワリは 限りなく淋しい
大きく 不動に見せる外見の中に
どうしようもない孤独を 抱えている


季節が変わっていく 
太陽が安息日の午後
ひっそりと咲いている 小さな花に触れた

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Comments

うわっ、これどこの洋館?

Posted by: 研1 | 08. 04. 22 AM 9:49

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