9年の沈黙
ほぼ 完読に近づいてしまった 逢坂剛
その中でも 「あでやかな落日」という作品は
いろいろと なんとなく近い話題があり 記憶に残っている
まずは のっけから ビラ・ロボスという作曲家が出てくる
そして チェンバリスト・曽根麻矢子も出てくるし
なんと言っても バーのマスターの名前が 「萱野」というのが オモロイ
こんなヤリトリがある
主人公が 御機嫌で スタンドバー「ヘンデル」の マスター萱野に
バランタインの30年ものを オーダーする
ボトルだけ本物で 中身は偽者じゃないだろうね などと軽口を叩く
そして 主人公がウイスキーを口に運ぶ
「うーん これは三十年ものじゃないな」
『と おっしゃると?』
「三十七年ものだな」
実は 主人公が この店に来て 7年がたつのだが
このボトルが 一度も注文されたことがなかったから という洒落なのだが・・・
また こんなヤリトリがある
「口をあけてごらんなさい
奥歯にものが挟まってるかどうか 見てあげますから」
『何も見えないと思うよ 歯に衣をきせてあるからね』
しかし 実際に 酒屋に行って バランタインの30年ものを見つけると
その値段が ジンロ常飲者には似合わないことがよく分かった
ただ 不思議なことに 21年ものなら 急激に値段が下がる
21年も 30年も たいした違いはないと思うのだが
その価格は 3倍くらいはねあがる
ウイスキーとは 21年から 30年までの 9年間に
なんか とてつもない 劇的な変化を遂げているのだろうか
そして 何故 3の倍数の年代モノしか無いのだろうか
ま いつか 30年モノの味を 夢見ることも
また うまいサカナになるものだ
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