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08. 03. 05

権兵衛-7 崩壊へのレジスタンス

えぐった部分に 
ピン板&ネームボード ベリーレールをはめて
構造をチェックする


底板との垂直 横幅の長さ
今回は なんだか スンナリと上手くいった
前回Fは 底板とボディが 僅かに垂直でなく 修正をした・・・


Img_8400


通常のフレンチやフレミッシュなら このまま接着をするのだが
杣の工法は ここから大きく トラディショナルから外れる


ま それはいいとして


時々 ネームボードが スパインやチークから 剥がれ
上にズレてくる というトラブルを見かける


まあ 基本的に えぐった中にあるので
ピン板まで 剥がれて ぶっ壊れることは無いのだが
ちょっとした工夫で このトラブルを 容易に回避できる


それは ネームボードの えぐりを 
スパインやチークの 上までしないこと
たった それだけのことである


Photo


「この部分」という箇所のように 1センチで えぐらない部分を残しておくことで
ネームボードは 万が一 剥がれが生じた場合でも
上方にズレてくることは無い


というのも このトラブル
原因が様々で 
それだけに 工作時に工夫をしておくことは やぶさかではない 


(なんだか ヘンな日本語になってきたぞ)


例えば チェンバロの弦が引っ張る 総張力は
3列の弦 5オクターブで 1トン近くにもなる
(杣の場合は ハイテンションなので たぶん1トンくらいになる)


「ピアノはなぜ黒いのか」 という本では200キロと 書かれているが
これは 真鍮弦の 1列な ヴァージナルや スピネットにしか該当せず
少なくとも 鉄弦を含んだチェンバロは 結構な力を 木材だけで支えている


ちなみに チェンバロに 61音×3列 900キロの張力があったとしても
現代のピアノでは 1本 90キロもの張力がかかっていて
1音に3本弦なので わずか 3音くらいで チェンバロの全ての張力に匹敵する



たった ひとつの部材で
この1トンくらいの張力がかかっているのが
このピン板であり それ故に 変形のリスクが高い


そして ピン板と接着している ネームボードも
ピン板と共に変形してしまい しばしば 剥がれるトラブルが生じてしまう
もっとも これは 湿度や温度 接着剤の種類など 様々なキッカケが加わるのだが


というわけで こんなトコから 剥がれるのは
秘密工作員としては カッチョ悪いので
作る時に いろいろ 姑息な手段を選んでいるのである


かかって来い! 1トン野郎!
受けてたってやるぜ!

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Comments

淡々と工夫が積み重なっていって
ほんまに面白そうやな~
僕もいつかは秘密工作員になりたいけどな~

Posted by: 440 | 08. 03. 05 AM 8:20

To 440
一緒に 秘密工作しようぜ!
最初は 1オクターブの模型のようなものから始めて
ちょっとづつ 大きいモノにチャレンジしていくと いいよ!

Posted by: 某閑人 | 08. 03. 11 AM 9:10

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