恐愁所 Ⅱ
教習所の 最初の1ヶ月は 学科だけしか 受けられなかった
ようやく 車に乗れたのは 10月に入ってからだ・・・
で いよいよ 初乗車の日が やってきた!
所沢は 小手指というトコにある 調律学校で 放課後
杣は 同級生と 水曜の非常勤 ハタ先生に
「今日 いよいよ 教習所で 車に乗れるんスよ」 と吹聴していた!
すると ハタ先生は ニヤリとして のたまわった
『杣君 それは おめでとう! 何事も最初が肝心だから
今日は とっておきの 秘訣を授けてしんぜよう!』
『まず エンジンをかけたら よーーーく エンジンを フカしてだね
エンジン内の ススを しっかり 払うコト
これだけで 教官は 関心して 君の点数は うなぎのぼり 間違いなし!』
ほー そういうものか・・・
なんせ 2Eの性格で
おまけに 学科では アリエネー失態を繰り返していた杣は
教官のハンコが 死活問題にまで発展していた時期の 玉音である!
そこにいた すでに免許を取得していた 同級生は
(男顔負けの女で 今は小淵沢に住んでおり 日ピの班が同じヤツ!)
「そうそう ブイブイふかした方が ススは よく落ちるからな!」 と援護する!
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さて 学校の帰り道 教習所に着き 待ちに待った 初乗車!
緊張しながらも ワクワクして あてがわれた車に 乗り込む!
教官は 能面のような 無表情な オッサン
でも 待ってろよ! すぐに その能面を 笑顔に変えてやるからな!
モナリザがいいかい? エビスさまがいいかい?
なんつったって こっちったー 秘訣を忍ばせてんだからよ フフフ
『じゃ まず シートの角度を合わせて ミラーを調整してください』
「ハイ」
杣は 素直にシートの角度を矯正すべく 座席の脇のレバーを押し上げた!
あれ?
何度 押し上げても シートの角度どころか 前後も変わらない・・・
欠陥車か?
高い金払ってんだからさ もっと 壊れてない車に 乗せてくれよ・・・
すると 能面教官は ムッツリとした 達磨教官に 変身し
助手席から ドアを開けて 出て行ってしまった・・・
マジかよ・・・ やっぱ2Eは 嫌われてんのかな・・・
しかし ミラーの中の教官は 車の後部に回ると
トランクを バタ!っと閉めて 再び助手席に 戻ってきてくれた!
『君 今のレバーは トランクのだから ・・・さ シートを合わせて下さい』
どうやら 知ったかをして 違うレバーを 何度も いじってしまっていたようだ・・・
ま 大丈夫! こちらは 秘訣があるから!
その 達磨になっちまった 能面を 菩薩の笑顔にしてやるさ! フフ
てなワケで なんとか シートベルトも締め
エンジンをかける
ブルブルブル ・・・お! かかったぞ!
杣は 達磨を 横目で チラと伺い アクセルを めいっぱい フカしてみた!
ススが スッキリ落ちて 教官をニヤリとさせるために ブイブイ フカしてみた!
すると どうしたことだろう!
ムッツリ達磨になった 能面教官は
今度は ハンニャのような顔に激変し いきなり ドナリやがった!
『不必要に エンジンは フカさない!』
「は? いや・・・ あの エンジンのススを・・・」
今なら 分かる! でも 当時は 先生やら 同級生を 信じていた!
がしかし どうやら 2E以上に 性格の悪い連中に 囲まれていた・・・
(20年以上経った今でも 忘れてなーからな! テメーら!)
そんな こんなで 教習所の日々は 過ぎて行く・・・
滞りながら 過ぎて行く・・・
そして 杣は 教習所始まって以来の アリエネー失態をしてしまう・・・
あ これ ノンフィクションなので・・・ (つづく)
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