« 2007년 4월 | Main | 2007년 6월 »

07. 05. 31

歓迎晩餐 (ウェルカム・レセプション)

テグのホテルに到着して
杣は EXCOの地下駐車場に 楽器を積んだ車を取りに行き
慣れない テグの街を かっ飛ばして レセプション会場に・・・ 遅刻


Img_2453


メインホテルは もちろんのコト
セミナーが行われる EXCOという会場の近辺にも
IAPBTの歓迎の ノボリが立ち込めていて テグは世界の調律師を ウェルカム!


Img_2454


さて そんな訳で ウェルカム・パーチーが 始まったのですが・・・
挨拶 挨拶 挨拶 挨拶・・・ 乾杯 乾杯 乾杯で 1時間・・・
ハッキリ言って チギョゥヲヨ! (うんざり)


Img_2456


やっとこさ 食事にありつけたものの・・・
あのーですね 韓国ってのは ホテルより 
街の食堂の方が はるかに メシは美味いようです ハイ


Img_2482


この会場には 世界から 約500人くらいの調律師が参加しているとかで
ここに テポドンでも降ってきたら・・・
ま 余興も いろいろ 楽しませてくれました!


Img_2500_1


なかでも 伽耶琴(カヤグム)の演奏は
杣の 祖先のルーツを偲ばせる地名の 楽器なもんで・・・
本当は 韓国の若いオネーサン達を 鼻の下を伸ばしながら 見てました!


Img_2513


最後は 何故か 全員で記念撮影・・・
つーか 500人が いっぺんに 写真撮れるのかな?
試してみましたが 恐らく無理でしょう!


さて 明日からは シンポジウムと
セミナーが始まります
ここからが本番! なのですが ・・・すでに 疲れております


******************************


余談イムニダ


昨日話した やたらに美人な 韓国の調律師 P ですが
本日 メデタク ツーショットの写真を それも 肩なんか組んじゃって写して
おまけに 向こうから 電話番号を 教えてくれました


デヘヘ


おまけに 「私は ミッチャン と呼んで」 とリクエストされ
今では 杣ソンセンニム&ミッチャン の仲であります!
いーだろー! うらやましいだろー!


よろしい 竹島は ミッチャンにくれてやる!
さ 明日は もっと ぐっと 親密になれる作戦を 実行しなければ・・・
まずは 「杣オッパー!」 と 呼ばせなければ グフフフフフフ・・・ ジュルジュル

| | Comments (2)

工場見学

朝 8:30に ホテルのロビーに集合し
ソウルから 約1時間ほどかけて
バスで 仁川(インチョン)へ移動し 念願の ピアノ工場見学!


Img_2309


韓国には ふたつのピアノメーカーが ありますが
最初に訪れたのは 現代(ヒュンダイ)の サミックピアノ
日本にも輸入されているので 中には 持っている人もいるかな?


Img_2312


日本も 近代的な技術力で ピアノを造っておりますが
ここ 韓国の機械能力も 素晴らしくて ビビンバ!ですわ
工員も 黙々と作業をしていて 昔を思い出しました!


*************************


続いて訪れたのは ヨンチャン・ピアノ
まずは ゲストルームで スライドを見ながら
ヨンチャンの歴史と システムを解説


Img_2372


実は この工場見学のツアーには 欧米・オーストラリア・台湾の人達ばかりで
日本人は 杣と うららの 二人だけ・・・ なもんで 英語か中国語で 
意味は パッパラピーマン・・・ 怪しい韓国語で 様々な質問をぶつけてきました!


Img_2421


そして 杣にとって 幻の スタインウェイ設計 ヨンチャン製作の 
エセックスピアノに 感動の 初対面! だったのですが・・・
弾ける状態のピアノは無く 今回も 音は聞けませんでした・・・ トホホ


**************************


工場見学の後は 仁川の中華料理屋で 昼飯
どう見ても 韓国テイストの 辛ーい中華料理に
オーストラリア人の夫婦達は ほとんど 食べるものが ありませんでした


Img_2434


昼食後は バスに乗って 
300キロほど南にある 大邸(テグ)へ 
4時間ほどかけて 移動・・・ くたびれたー


| | Comments (2)

07. 05. 30

ソウル潜入

朝 テグのホテルを出発し
車を EXCOの地下駐車場へ移動


日中の車内の温度は 40度近くになるので
楽器が 崩壊する恐れがあり
とにかく 太陽の当らない場所へ 駐車しておかねばならない


Img_2237


タクシーで 東大邸(トンテグ)へ
ここから 韓国の新幹線 KTXに乗る!
何故か 飛行機と違って 新幹線の類は 何度乗っても 嬉しい! ニャハハ


Img_2242


そんでもって ウツラウツラしているうちに
今夜の潜入先 ソウルへ到着
しかし 本当に早い! 韓国は 狭くなったもんだ!


Img_2243


ま そんなこんなで 楽してソウル入り
まずはホテルに チェックインして 荷物を降ろす
工作員のカバンには IT機器がたくさん! (ほとんど酒です)


そして 今回の唯一のフリータイムを 活かして
南大門市場で ユニフォームを注文する!


今回は アルゼンチンと イタリアのアウェイに 
가야노 25 と入れてもらい
取りに来る時間が無いので 日本まで 送ってもらうことにした!


フットサルの連中よ!
帰国したら 今度は サブチャン・ロナウドでなく
サブ・メッシで ハットトリックを決めるので 覚悟しとけよ!


Img_2262


さて ここからが IAPBT つまり 世界調律師協会のイベント
まずは 海外からの調律師が集合し 一緒にディナー
杣は 他人と一緒にメシを食うのが 大嫌いだが・・・ 


ま 英語が喋れないので 
頭上を飛び交う イングリッシュを 無視して
ひたすら 高級牛肉を パクパク パクパク 死ぬほど食った


********************


さて 本日の最後に ちょっとだけ 本音を漏らそう


今回の大会参加に際して 杣は個人参加の形で
日本ピアノ調律師協会とは 別の窓口で 手続きをすすめていた


それは 日ピの組んだツアーでは
翌日の 韓国のピアノ工場見学が 含まれていないからだ


でもって その窓口になった 韓国のPという人物との
メールでのやり取りが ありえないくらい チグハグで
杣は 今日 会ったら どなりちらそうと思っていた!


だが 懐かしい 韓国の調律師達との再開に
盛り上がっているうちに フと Pのことを 忘れていた


そこに Pが 登場しやがった!
「私がPです 杣ソンセンニム マッスムニカ?」


杣 ハッと 我に帰り 憤りモード全開で
「竹島は オレのものだ!」 くらいの勢いで 
知りうる限りの 韓国語の悪口を 浴びせようとしていたのだが・・・


Img_2274


えーと ですね
Pって 女性だったんですねー
アハハ


それも 美人


アハハ


明日 こっそりと 電話番号を教えてくれたら
もう ヒデキ 感激! ってなモンですわ デヘヘ


ま 明日は いよいよ
エセックスのピアノと 初対面できるわけで
今夜も 千年約束と 睡眠薬で 興奮を抑えなきゃ・・・


| | Comments (0)

ちょっと微熱な 38°

本部からの連絡によると
数台の 4tトラックが 数え切れないプレゼントを
アジトに 搬入しているそうな・・・


参ったぜ! ウフフ


今日は チェンバロ製作家の ケンタ
チェンバリストの グスタフ・レオンハルト
そして 調律屋を装う 秘密工作員の 誕生日なのであります


朝から メールでの祝電も届いており
感謝ハムニダ! で あります!
プレゼントは 誕生日の前後半年間のみの 受付となりますので・・・ お早めに!


ま そんな訳で ここソウルにおいても
ちゃっかり 誕生日プレゼントを チョウダイしちゃったのですが・・・


とても 欲しかったモノで
でも 絶対に もらってはいけない国での プレゼント・・・
これ ナント 本物なのです!


Img_2255


えーと 明日は テグに戻って
ウエルカム・パーチーが あるのですが
そこでは 正装なんですねー


杣の正装は 学ランなもんで
このバッチを 襟につけて 出席しようかと
そう考えているのですが・・・ 


ブラック過ぎるかな・・・


****************************

ケンタ 誕生日 おめでとう!

ケンタのお陰で こうして 韓国まで来れました
夏になったら 旅行しようぜ!
今年も いい楽器を 作って下さいね! 応援してます!

****************************


| | Comments (4)

07. 05. 29

韓国上陸!

10時 韓国は釜山港に到着


まずは 税関との戦い
前日とは 状況が 大きく異なり
言葉は通じないし カルネは無いし・・・


X線検査を したいのだが
楽器が でかすぎて 検査の機械の中に入らない・・・
税関の人たちは この楽器の入国を許可していいのか どうか 困惑


Img_2180


以前の経験を元に 
「こういう時は 楽器を見せるに限る!」 と 杣は判断し
関係者の前で 楽器を広げる


楽器には 製作者の杣の名前が ハングルで彫ってあり
ここから 明らかに風向きが 変わり
誓約書にサインするだけで あっさり許可が下りる


最後には 渋っていた税関職員達が 
一緒に写真を撮って欲しいと 記念撮影!
こういう 変わり身の早さが とても素敵な国民である!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


釜山から 調律師の世界大会が開催される 大邸までは
高速道路を 一路 北へ
今までは 京釜線しか使わなかったが 今回は55号線を利用


途中の サービスエリアで 辛ーい昼食をとり
ガソリンを 補給し
15時過ぎ 大邸へ到着


Img_2214


韓国の道路は 右側通行 なもんで 左ハンドルの世界
日本車で困るのは 料金所で いちいち 車から出て
お金を 支払わなければいけない・・・


珍客のトホホな登場に 料金所の人が苦笑しやがる
まあ たまーに 美人な人だったりすると
鼻の下を 長ーく伸ばして 電話番号を聞くことを 忘れない


Img_2219


会場は EXCOという どでかい建物
一足先に 会場を下見して
ようやく 本当に たどり着いたんだと ちょっと ウルウル・・・


さて 今夜は 飲むぞ!


070529_161201

 


 

| | Comments (2)

07. 05. 28

マぬけ

Img_2163


きっ きわどい ネーミングだ・・・

複数形だし・・・

ん? 所有格?

| | Comments (3)

日本脱出

前日 22時に アジトを出発
懸念していた 名神の渋滞は 皆無で
なんとも 早目に 大阪に到着


Img_2148


大阪からは パンスターというフェリーを 初めて利用する
ここで 素敵な人に出会った


まずは 車を誘導してくれたり 事務を支持してくれた
韓国出身の 女性職員
杣が 調律師と聞くと 目を輝かせて いろいろ質問をしてきた


というのも 彼女は 調律師を目指したことがあり
今でも 調律の工具を持っており
これを機会に もう一度 諦めた夢を 復活させたい と話してくれた


是非 がんばってね と
日本で 何か役に立てることがあれば 連絡を などと善人ぶって
しっかり名刺を渡してきた杣だが ・・・本当に がんばって欲しい!


Img_2175


更に この会社のY課長との出会いは 多くの感動をもらった


楽器への配慮や 人への敬意を これほどまでに
自然体に それでいて 厚意を持って対応してくださった人は
今まで 港には ヒトリもいなかった


Y課長は ホテルマン出身と 話してくれたが
なるほど お辞儀の角度が 普通ではないし
その仕草が 大げさでなく カッコいい!


チェンバロの音楽に 興味を持ってくださり
帰国したら CDを プレゼントさせていただきます と約束をしてきた
初日から 本当に スムースに流れ 人間力に エネルギーをもらった!


がしかし 明日の釜山の税関は・・・
戦争だろうなー

| | Comments (0)

07. 05. 27

FF43 鍵盤まわり

フタがついて ジャックレールがついて
あとは 鍵盤が出てこないように 鍵盤まわりの部材を製作します


ネームバテン(鍵盤おさえ)
鍵盤が 上に外れてこないように 抑制してくれます
通常は ここに 製作者の名前や 生産地 年号が記入されます


キーサイドブロック(拍子木)
鍵盤が 左右に動かないように 抑制してくれます
トランスポーズ用のスペースも 重要です (今日のネタ)


口棒
鍵盤が 前に出てこないように 抑制してくれます
ピアノでは 木口の下面は隠れるように 取り付けますが
チェンバロは 鍵盤あがきと 鍵盤の厚みの関係で 拍子木をストップさせます


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今回の キーサイドブロックは ナチュラルキーと同じ
ウォルナットで 製作しました


まずは 高音側のブロックですが
鍵盤と ジャックの位置を確認して 
その隙間の幅に整形し 接着します


この時 口棒と 右側の壁に ピッタリくっつように
整形して 位置を決めると 鍵盤はズレにくくなります


Img_2067


その 高音部のブロックに 鍵盤1個分の厚み(約13ミリ)の板を挟みます
これは 後述しますが ピッチを変更する トランスポーズのための部材です
(現代の事情に対応したもので バロック時代には無かったものです)


Img_2068


そして 低音側の隙間に ブロックを整形し 接着します


Img_2070


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


トランスポーズ


現代のチェンバロを使用する 演奏の現場では
少なくとも ふたつのピッチが 求められています


ひとつは 現代の A=440ヘルツ
これは モダンピッチと呼んでいて
現代のフルートや ヴァイオリンと共演する時のピッチです


ふたつめは A=415ヘルツ
これは バロックピッチと呼んでいて
いわゆる “古楽器”との共演で 必要なピッチです


(ピッチに関しては 更にいろいろあるのですが・・・・割愛!)


この 440と 415は ほぼ半音ほど 音の高さがズレています
なので 鍵盤を 半音ずらすことで 
1台の楽器は ふたつのピッチに対応することができます


鍵盤を 低音側に寄せれば バロックピッチの 415
高音側に寄せれば モダンピッチの 440
この隙間を埋めるのが 13ミリの厚さの スペーサーです


Img_2097


杣は このスペーサーを 簡単に取り出せるように
奥を押すと 前が飛び出て 
指がかけられるように 穴を あけてあります


Img_2099


どうせ 見えない部分なので
5月ということで 鯉のぼり を描いてみました!


| | Comments (2)

07. 05. 26

ミッションC 四角の視角

東大和 ベナ
[ E139.24.57.14 N35.45.14.44 ]


ピアニスト 山川節子による スクエアピアノのコンサート


Img_2136


前半は スクエアピアノに至る 歴史を
実際に 楽器を演奏しながら 辿る


まずは プサルテリウム
箱に張られた 弦を 指や 羽軸ではじいて 音を出す
まさに チェンバロのモチーフとなった楽器


Img_2106


プサルテリウムに 鍵盤をつけたのが チェンバロ
そのチェンバロ属の中には 翼型 多角形 そして 四角形と種類があり
今回は 四角形の 4フィート用ヴァージナルを使用


Img_2105


そして クラヴィコードや ヴァージナルといった
四角形の 鍵盤楽器の流れを汲んだ スクエアピアノ


イギリスでは こうしたスクエアピアノが 人気を博しており
作曲家達は 自宅で 作曲をするさいに 使用していた


この楽器は 府中在住の 小渕昌男が製作したもの
いまや ガイゲンヴェルクの第一人者の 小渕であるが
彼は チェンバロや ピアノなど 数多くの鍵盤楽器を 手がけている


Img_2104


とまあ 非常に興味深い内容のコンサートだったのですが
調律が 狂いまくって 杣 撃沈!
韓国前の 最後のミッションで やっちまいました・・・


でも 今回も 幾つかの初めての曲と 出会えました
中でも パラディスのシシリアーノは 
シンプルで美しい曲でした!

| | Comments (2)

FF42 ジャックレール

鍵盤を 押した時 ジャックが飛び出でない為に
ジャックレールというモノが あります


チェンバロによっては このジャックレールに
ジャックがストップされることによって
鍵盤の沈む深さが 決定するものがあります


このFも ジャックレールによって キードロップ(鍵盤あがき)が
決まってしまうので 上下に調整できるようにします


・・・・・・・・・・・・・・・・・


まずは ジャックレールを留める 金具を作ります
いつもなら 杣は ここを磁石にするのですが
今回は 強打されたときのコトを考えて フック式です


Img_2071


フックの分 ジャックレールを えぐっておきます


Img_2072


ジャックレール受けを 高音側と 低音側に それぞれ取り付けます
ここで 上下の調整が出来るように 可動式にしてあります


Img_2073


レール受けに フック受けを取り付けます
フックと同じ 直径2ミリの 真鍮の棒を曲げた
簡単なモンです


Img_2076


で 完成すると こんなふうに ジャックレールを固定してくれます
ここにガタがあったりすると ノイズの原因に なっちまいます


Img_2077


ジャックレールの裏には クロスを貼って
ジャックが衝突する音を 吸収させます
とりあえず 1枚だけ貼ってあります


Img_2085


てな感じで 普通より かなりデカめの ジャックレールが取り付きました!


Img_2083

| | Comments (3)

07. 05. 25

FF41 フタ

根性が無いくせに 諦めの悪い杣は
姑息にも 作戦を変更して 韓国入りを目指しております


機能の完全な完成は 不可能なので
とりあえず 強弱アクションの 1列だけでも
演奏できる状態で 持ち込もうと・・・


フロントと ペダルは 帰国してから ゆっくりと・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


しかーし 持っていくには とりあえず
フタと ジャックレールと 鍵盤まわりが 
完成していなければいけません

 
なもんで 先に フタを作ります


Img_2062


まずは 楽器から型をとった合板を カットします
この時は ちょっと大きめに 切り出しておきます


Img_2065


続いて 楽器に合わせて トリマーで削っていきます
この後 切断面を処理します


本来なら この時点で 切断面に 木口テープを接着するのですが
今回は 時間節約のため 帰国後へ 後回し
(けっこう カッコ悪い状態ですが・・・)


Img_2079


でもって 蝶番(ちょうつがい)をつけて
とりあえず フタが付きました
これで 持ち運びの為のカバーが かぶせられます

| | Comments (0)

07. 05. 24

一難去って また 一難

いよいよ 韓国で行われる 調律師の世界大会まで
残すところ 1週間となった!
みっつある 危機の その後について 記しておきたい


①楽器が間に合わないかも知れない危機!
 ええ ええ ノーコメントですわ

②フェリーが無い危機!
 見つかりました! 今日のネタです

③デブまっしぐらの危機!
 ええ ええ メタボへクレッシェンドしておりますわ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて 下関→釜山 のフェリーが 満席で予約できなかったことは 過去に述べた
その時の 杣の落ち込みようは 尋常でなかったのだろう
なんと 後輩うららが 新しいルートを発見してくれたのだ!


といっても 調べてみれば 福岡からでも 釜山行きのカーフェリーはある
問題は 行きと帰りのタイミング通りに 乗れるフェリーが あるか否か だった


そんな訳で 今回は 大阪-釜山のフェリーを利用する!
これは 16時に大阪を出発し 翌朝10時に 釜山に到着するという優れもの!
ただ 大阪のターミナルには10時までに到着して 手続きをしなければいけない・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


てな感じで 10時大阪着を見込んで
朝というか 夜中3時くらいに出発すれば よろしいかと・・・
なんとか 韓国に行けるという展開に 杣 しばし 狂喜乱舞!


が しかし・・・


Img_2051


あろーことか このタイミングに 名神は工事・・・
先日の大阪からの帰りに
まんまと この大渋滞に はまったのでありました・・・


まあね 分かるよ 分かる
こうして 工事してくれてるおかげで 日本の高速道路は 本当に走りやすい!
韓国の高速道路の ガタガタ度といったら・・・ 楽器が壊れるかと思ったもん!


Img_2053


ま 車線規整といってもさ ほんの数キロでしょう・・・


と思ってたら 大間違い!
大阪から 名古屋まで 約200キロにわたって
工事してない区間でも ぜーんぶ 1車線! マジかよ!


こうなったら 腹いせに この工事コーンを かっぱらって
どこかに 売り飛ばしてやろう・・・ イヒヒ
てなコトを考えて 数え始めました


約10メートルごとに 1個のコーンがあって
全部で200キロとなると・・・ えーと えーと
公文に行ってたのが嘘のように 計算できないくらいの数であることは 間違いない・・・


当然 杣の愛車 テポドンには
重量オーバーしそうだし てか 入りきらないので
「シーパル!」とつぶやくに とどめておいてやりました


そこまでは よかった


1車線になっても なんとか 車はトロトロと進んでいるのですが
この渋滞の先頭を見つけてしまって
杣は 仰天というか 爆発というか・・・


Img_2056


この参勤交代のような 大名行列の先頭は
なんと! 工事関係者で わざわざ 50キロで走ってくれているのです!
それでなくても 渋滞必死なのに 更に 確実に渋滞になるようにとの配慮!


登坂車線などを駆使して なんとか渋滞の先頭を やり過ごしても
数キロ先には 再び 50キロの規制の ありがたーい工事車両・・・
これでも 高速料金は 同じなのですから 世の中 景気いいんだろーなー


・・・・・・・・・・・・・・


というワケで せっかくフェリーが確保できたのですが
今度は 渋滞を逆算しての 深夜ドライブになってしまいました・・・
ツイてるのか 呪われているのか もう 分からなくなってきた・・・


 

| | Comments (5)

07. 05. 23

ターボな焼き鳥

朝から 東へ 東へ


楽器が満載の 車内で
大声で 歌を歌っていたら
腹が減ってきた・・・


「御隠居 ここの 焼き鳥が うまいんです」
『ハチベエ また 食い物の話か ハハハハ・・・』
などと 一人で 水戸黄門ごっこをしてみたりする


Img_2061


ここ 諏訪湖サービスエリアに寄ると
必ず 食べる 大ぶりな 焼き鳥


こいつを食べると
なんだか 残り 200キロの 道のりが
やたら 速く走れる気がする!


Img_2059


速くなるワケだ・・・

| | Comments (6)

07. 05. 22

ミッションR 録音終了

リコーダー:ラファエラ・ダンクザークミューラー
ヴィオラ・ダ・ガンバ:西谷尚己
チェンバロ&ヴァージナル:大塚直哉


522


鍵盤 ガンバ そして リコーダー
それぞれが 複数の楽器を使用して
まるで 歌っているかのような アンサンブル!


Img_1977


余談なのですが 録音中に ラファエラが
リコーダーのパートを ハミングで口ずさみながら
メンバーと 確認しあうシーンが 何回もあったのですが・・・


彼女は リコーダーも素晴らしいが
その声が もう 美しいのナンのって!
イギリスの古い曲なんかを 歌ってCDにしてくれないかなー


Img_1818


美術館での録音 ということで
外部の 飛行機 船 人間の声が 聞こえてくるたびに
しばし 録音は中断せざるを 得ませんでした


その中でも どうしても 原因不明のノイズが 聴こえてきて・・・


スタッフも メンバーも どこから音が出ているのか
必死に探しまわったものの なかなか ナンの音か分からない・・・
で チェンバリスト大塚が 探し当てた その音の正体とは!


なんと 美術館内部の壁面に はめ込まれていた
大きな顔のオブジェが しゃべっていたのです!


きっと 連日 心地よい音楽を聞いていて
自分も 歌いたくなってしまったんだろーなー!
そんな 充実した三日間でありました!

 

| | Comments (3)

千年約束

番組の途中ですが
えれがんと からのリクエストを 受けまして
韓国の新しい酒 「千年約束」を レポートします


5月17日 「麦秋」のコメントの中で
エレガントの ハズバンドは 韓国でこの酒に出会い
「シイタケのワイン」 と 教わってきたとあります


果たして その実体は・・・


Pro_01_1


まず このブランドは 「千年約束」 と読みます


これは 原料がシイタケ ではなく
どうやら キノコの菌で 発酵させた お酒のようです
杣も まだ飲んだことは ありません ・・・ってか 初めて知りました


酒は 普通 酵母で発酵させるのですが
この酒は キノコ菌で 発酵させています
原料は シイタケでなく 米です


ワインボトルタイプのモノもあり
まるで 赤ワイン 白ワイン のように見えますが
赤は「黒米」を 白は「もち米」を 普通の米と共に使用しているようです


Pro_02


Pro_03


で このキノコは 正確には「桑黄」というらしく
これは 「メシマコブ」 というキノコに該当し
抗癌作用が あることで 知られているらしいから・・・ すげー


でもって 2005年に釜山で開催された エイペック首脳会議で
「乾杯の酒」として 採用されたらしく
それ以来 人気が高まってきているという記事も 見つけました


で 日本で入手可能か否か ・・・ですが
明日 というか 本日 
大阪の鶴橋あたりで 確認取材に 行ってきます!


えーと まだまだ 録音は続いております・・・
昨日は 午前1時に終了したのですが
今宵は 何時になるのかな?


| | Comments (3)

07. 05. 21

ミッションR 録音中

今回の録音は ワオンレコード
エンジニア 小伏和宏の サウンドチェックによって
マイクは 楽器と空間を 鮮明に捕まえてゆく


Mic


鍵盤楽器は チェンバロと イタリアン・ヴァージナル(製作:山野辺暁彦)
ヴァージナルは 奏者から見ると 真横に弦が張ってあり
ふたつの 駒と響板を持ち この楽器にしか出せない 特有のサウンドがある


Vir


ピッチは 管楽器の都合により 415Hz と 392Hz
音律は 曲に合わせて ミーントーンと ヤング1/6を採用


だが 杣のチェンバロには 392に鍵盤を移動できない・・・
なもんで 440のポジションで Gを392に調律し 
奏者が全音ずらして弾くことになった・・・ すまぬ


392


しかしですね・・・ 杣以外は 皆 英語が達者なワケでして・・・
ディスカッションは ペラペラリーの イングリッシュで会話している・・・
ここは 欧米か! 大阪弁でいいから 日本語で話してくれぃ!


なもんで 何か言われたら とりあえず 笑顔で 
「イエス イエス! オーケー!」と 爽やかに答えることにしているが
何を言われたのかは サッパリ キッパリ 分からない・・・


Room


 


| | Comments (3)

07. 05. 20

ミッションR 録音開始

大阪 天満橋 アートコートギャラリー
[ E135.31.15.50 N34.41.56.46 ]


寺 教会 と 宗教色の強い会場に続いて
今度は 美術館でのミッションR
どんな時間の彩りが 録られていくのか ワクワク


Img_1788


この 小振りのギャラリーは
ガラス張りの プロムナードから 旧淀川を臨み
東からの採光も 和らかい


天井が高く 響きが豊かで リッチでもある
F製作で ボロボロになり ミッションの移動で バテバテな杣だが
この 音と光のロケーションに しばし安らぎ 調律に集中できる


川沿いの小路を 行き交う 休日の家族連れや 恋人達
その 笑顔とか 歩くテンポとか
何気ない日常というのは こんなにも穏やかで 優しいんだなー


心の 深呼吸と ストレッチも できたことだし
さて がんばろっと!


| | Comments (0)

07. 05. 19

ミッションC アンドロメダ・リベラータ

神田キリスト教会
[ E139.46.13.00 N35.42.06.68 ]


ギリシャ神話 アンドロメダとペルセウスの物語の
後日談として ヴィヴァルディやら 当時の有名な作曲家達の合作が
2002年に発見されたそうな


今回 アンドロメダに扮したのは ソプラノの倉沢ちあき
そして カウンターテナーの 青木洋也が ペルセウスを演じる
原雅巳指導による バロックジェスチャーが 舞台を より魅力的にしてくれた


Img_1741


この日 鴨川華子が弾いていた チェンバロは
ケンタこと 深町研太が 2002年に製作したもの
彼の楽器は イタリアンタイプでも とても上品で 甘美な音がする


普段 ケンタの楽器を使用するコンサートは
基本的に ケンタ自身が 調律もしてしまうので
なかなか こうした会場で 彼の楽器を聞く機会に恵まれない


製作して 時間が経って 弾きこまれて
楽器は 成長し 変貌を遂げていく
彼の作品の そうした経過を聞けたのも また をかし


Img_1718

| | Comments (0)

07. 05. 18

ミッションC 曼荼羅ライヴ

武蔵小金井 金蔵院
[ E139.34.56.28 N35.39.35.10 ]


第8回 曼荼羅ライヴ


前日に 年男になったばかりの 大塚直哉のチェンバロと 
彼の アムステルダム留学時代の友人
ラファエラ・ダンクザークミューラーの リコーダー


Img_1663


イギリス イフランス イタリアと ヨーロッパを巡る作品を とりあげた後
アルメニアの ドゥドゥク という民族楽器を用いて 即興
この楽器は ダブルリードで サックスのような音色だが・・・ すっげー感動!


Img_1682


そして 世界旅行の最後は 我らがニッポン
タケミツの チェンバロ曲と 
孤嶋由昌和尚が 声明で加わった 即興演奏


オーストリア出身の ラファエラにとって
この 日本の寺の装飾 そして 響きは
どのような印象として 残っただろう・・・

| | Comments (2)

07. 05. 17

麦秋

「僕らは 丘の斜面の麦秋のように
 ひっそりと 夏をあきらめる・・・」


Img_1604


今日の天気は 凄かった
五月雨  ドシャ降り  曇り  快晴
行きと帰りと 同じ道なのに 全く別の景色だった


そして 今年初めて 麦秋を見た
萌えはじめた 木々の新緑とは 対照的に
寡黙で 慇懃な絨毯が やわらかく揺れる 


快晴の 強すぎる陽射しより
曇っている方が 植物は 輝いて見える
シャワーを浴びた後なら なおさら イキイキとハシャいでいるみたい


全てが 夏のゲネプロを はじめた頃
冬を蓄えて 秋の表情で実る 麦
誰の心の中にも潜む そんなコントラストを 見たようだった 

| | Comments (2)

07. 05. 16

FF40 ニョロニョロダンパー

Img_1539


ダンパースティクは 総上げ用のレールに乗り
その下に 鍵盤に乗る 2重構造になってます
まず 各鍵盤と 弦の高さをチェックし そこに穴を開けます


Img_1544


直径3ミリの穴なので ダンパー圧は その半分の1,5ミリ


Img_1545


正面から見ると ムーミン谷にいる ニョロニョロみたいで
なんとなく 可愛い・・・


低音部は 止音するには 重量が足らず
ナマリを入れました
なおかつ 補助ダンパーも 接着して・・・


音を出すのも 難しいが
音を止めるのも 難しい


Img_1546


| | Comments (2)

07. 05. 15

FF39 左ペダル

左ペダルについては
ここまで いろいろ悩んでいた
で 結局 カプラーペダルにした


途中まで フロントも 強弱アクションにする予定だったが
これだと カプラーをするために
鍵盤の前後の移動で セットする方法しかなかった


なもんで ここにきて 急遽 フロントを 普通のジャックにして
ペダルで オン・オフの操作が できるようにした


Img_1522


ペダルで レジスターを 左右に動かすためには
当然 ゼロの位置に戻す スプリングが必要になる
これは 真鍮の板でバネを作った


Img_1523


これで 鍵盤の下の作業は 終わったので
次は いよいよ ダンパーや ジャックの作業に入れるのだが・・・


| | Comments (2)

07. 05. 14

FF38 右ペダル

右のペダルは ピアノと同じように
ダンパーが 一斉に開放される
チェンバロで ダンパーペダルがつくのって 世界で二人目?


Img_1411


こんなんが 鍵盤の奥の方に入ります
ペダルを操作すると
これ全体が 持ち上がって ダンパー開放!


Img_1524


実際にセットしてみました


ペダルのカラクリは 運搬のコトを考慮して
全て 鍵盤と底板の間に作ってます
なので ペダルさえ外せば 裏側は まったいら!


・・・・・・・・・・


ほぼ 時間的に 無理な予感がしてきました
出来ることまでやって 間に合わなければ
まあ スッキリと あきらめもつくんだろうな・・・


Img_0237


鷹山先生・・・ 


・・・


・・・


成せば鳴る 成さねば鳴らぬ 何琴も
鳴らぬは 人の 成さぬなりけり


くそぉぉぉぉー!

| | Comments (2)

07. 05. 13

FF37 鍵盤の仕上げ

糸鋸で裁断した 鍵盤の間隔は とても狭いので
この隙間を 広げるべく 削っていきます


狭すぎると 鍵盤同士が ぶつかったり
湿度などで 木材が変化したとき
機能しなくなるトラブルが 出てしまいます


この位で よろしいかと・・・

Img_1333


鍵盤前面の角は かくばっていて 指に痛いので
メンを 取っていきます
これで グリッサンドされても  大丈夫でしょう


Img_1338


鍵盤は 自重で静止位置に 戻ってこなければならないので
バランスをとるべく 1本1本 重量調整をします
今回は ジャックやダンパーなど 重くなるので 基準は1グラムです


1グラムのオモリを 鍵盤前面に乗せ
鍵盤後端が ゆっくりと下がる位置を 
ナマリを移動させながら 探っていきます


Img_1506


鍵盤に埋め込むオモリは 釣り用のナマリを使います
チェックした位置に 穴を開け ナマリを入れ
叩き潰して ナマリを固定します


Img_1520


んなワケで ネズミに翻弄されながらも
鍵盤が 一応出来上がりました
次は ペダルのカラクリに挑戦です!


Img_1354


| | Comments (2)

07. 05. 12

アンドレアスの友達

夜の工房は 遠くの音まで よく聞こえてくる
今 通り過ぎて行ったのは きっと 貨物列車
鉄橋を渡る音が とても長いから すぐに分かる


Img_1514


夜の工房は 些細な音まで よく聞こえてくる
カサカサと 虫でも出たかと思ったら
こんなヤツと 目が合った


Img_1509


昔 書いた 物語のネズミは
ちょうど このくらいの大きさを イメージしていた
でも 鍵盤の下には 入れない・・・


Img_1510


コソコソと ナニをしてるかと思えば
バレンタインで 大量に抱えてしまったチョコの処理に
熱心に 協力してくれていた


Img_1515


おかげで ダイエット中とか ホザきながら
オヤツを 食べていたことが
バレてしまった・・・

| | Comments (3)

07. 05. 11

FF36 シャープキー

ナチュラルキーの接着 及び 加工が終わったら
今度は 間隔に注意しながら
シャープキーを 接着します


Img_1322


シャープキーの 前面に定規をあて
垂直に なおかつ ナチュラルキーとの隙間を見ながら
接着していきます


これは 薄い板でなく ブロックなので
水分による変形もなく 強力な接着剤を信用して
ただ 鍵盤の上に置いていくだけで くっつきます


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


シャープキーの前面は 直角でなく
少し 斜めにカットされていますが
これには 重要な意味があります


鍵盤は 部分的には 上下運動に思われますが
全体としては 回転運動で
鍵盤の先端は 円周をなぞり 弧を描いております


Img_1335_1


なもんで シャープキーの前面が 直角だと
鍵盤を押した時 ナチュラルキーに 接触してしまうんですね


これを 避けるために 
シャープキーの上前面と ナチュラルキーの下裏面は
斜めにカットして 円運動に適応しています


Img_1337_1

同じように ナチュラルキーが 下がった時に
シャープキーの下裏面に 接触しないように
ここも 斜めにカットします


この斜めの角度は 
鍵盤が短いほど 沈む深さが深いほど
鋭角にしなければいけなくなってきます


今度 ピアノの鍵盤を 押しながら
こんなトコも 観察してみてチョンマゲ

| | Comments (4)

07. 05. 10

ミッションC チェンバロと仲間たち

桐朋学園大学 ポロニアホール
[ E139.34.56.28 N35.39.35.10 ]


桐朋学園芸術短期大学 音楽専攻 
第74回 公開講座


ヴァイオリン 野口千代光 (准教授)
ソプラノ 井上由紀 (非常勤講師)
フルート 菊池香苗 (非常勤講師)
チェンバロ 大塚直哉 (非常勤講師)


Img_1427


2台のチェンバロを使い それぞれ
バロックピッチ (415ヘルツ) モダンピッチ (442ヘルツ) にして
チェンバロと アンサンブルする楽器の解説と演奏


鍵盤 弦 管 そして声 
初めて体験する楽器や演奏に 学生達は 
好奇心に満ちた反応を 見せていた


人間は どんなキッカケで その先の人生が変わるか
分からないものである
杣も 桐朋でチェンバロと出会い 現在に至っている


こうした 何気ない体験が
誰かの 音楽の琴線に共鳴して
新しいベクトルが生じたとしたら なんだか 嬉しい


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


なーんて 気取ってる場合ではない


まずは 3階から 階段で 楽器を1台下ろす
で ホールの入り口まで行って 愕然!
あの・・・ ホールって エレベーター無しの 地下なんですけど・・・


そんな訳で 2台目の楽器も搬入し
即 調律 即 リハ 即 調律 そして 本番
慌しいこと このうえない


Img_1470


プログラムの最初は チェンバロ解説を 杣が担当・・・
最初から ナニを言ってるのか 分からないまま 終了
最近 トークに自信をつけかけていたのに 撃沈


で また 楽器を上げ 3階まで上げ
下手な筋トレよりも はるかに鍛えられました
今度作る楽器には ヘリウムをつめてやる!

| | Comments (2)

今 ここにある危機

先日 トンマでアホなヤツから 電話が入った


アホ 「今 仕事中?」
ソマ 『仕事じゃないけど 作業中』
アホ 「なんだ 暇なんじゃん 一緒にメシでも食おーぜ」


ソマ 『てめー 人のブログ見てんだろーがー! 俺は今 危機なんだ!』
アホ 「ああ あの自動更新してるブログね・・・ で なんで危機なの? 」
ソマ 『は? 分かんねーのか? この状況が?』
アホ 「分からん まーいいから メシ 奢れよ」


あまりに腹が立ったので 電話の送話口を
ガラス窓に持っていき 思いっきり ひっかいてやった!
しかし その音に 失神しかけたのは 杣自身だった・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


杣は 現在 みっつの危機に直面している
毎日ブログを読んでいる人でさえ
この緊張状態を 把握できないらしいから 解説しちゃう


①Fを製作中→間に合わないかも危機

Fとは強弱の出るチェンバロのことで
これを 月末から 韓国で開催される 
調律師の世界大会に 持って行きたいのだが 間に合わないのである


そして たとえ 物理的に完成しても
果たして 300年の歴史を超えて
新しいメカニックが うまく機能するのかは もっと 自信がないのである


なので 時間と 自信の 双方が足りない 危機なのである!


②韓国に自動車で乗り込む→フェリーが危機

そんな訳で 4年に一度の 世界の調律師が集まる祝典が
今回は 韓国のテグで 開催される訳なのだが
ここに 楽器を持ち込むためには 当然 自動車で行かねばならない


しかし 日本と韓国の間には 海峡があり
ここは 海路であり フェリーに乗らなければならない
過去4回 車で韓国に上陸したのは 下関-釜山のルートだった


だが あろーことか 今回は 船のドッグ入りと重なって
その近辺が のきなみ満席御礼で
下関からの乗船は 不可能という危機なのだ!


③体重が増えた→デブの危機

ま これは 他人には分からないだろうが 体重が3キロ 増えてしまった


せっかく 世界の調律師に会えるというからには
メタボリックで マタニティな 腹をへこまし
体脂肪 15%以下で 颯爽と 「アニョハセヨ」と 挨拶する予定だった


ところがである
連日の(運動不足+ストレスによる過食+睡眠不足)=立派で絢爛なデブ
という坂道を まっしぐらに 下降しているのである


ちなみに 食わないダイエットは 
体重は減るが 筋肉が落ちるだけで 脂肪はシブトく へばりついている
ハードゲイに筋肉は 必須アイテムなので これは いただけない


てなワケで 楽器製作 フェリーの確保 デブの処理 という
ア・ウォーターな ヘレン・ケラーより 過酷な三重苦であり
日々 この危機と 奮闘しているのだ! どうだ 参ったか!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


と 熱く説明してやったが
アホ 「そんな説教してるんなら やっぱ暇なんだ メシ奢れ」
ソマ 『テメー 将来 絶対 死ぬぞ!』
アホ 「あたりめーだろ!」


ま 今月末には いずれにしろ 結果が出るわけで
欲張り過ぎた計画が 危機を育んでいるだけなのですから
あきらめる という最高の媚薬が チラチラと 脳裏をかすめてます


そんなこんなで 連日 楽器製作ネタが続きますが
来月の今頃は のんびりと 鼻毛でも抜きながら
「松島や ああ松島や 松島や」 などと ひとりごちながら
ナナコの写真集でも 眺めていることでしょう・・・ 

| | Comments (2)

07. 05. 09

FF35 ナチュラルキー

鍵盤は 白鍵 と 黒鍵 とに分かれていますが
この名称は 全ての鍵盤楽器には 適用できないコトがあるために
ここでは 業界用語で 紹介していきたいと思います


ナチュラルキー (=いわゆる白鍵)
ドレミファソラシドの音が出る鍵盤ですね

シャープキー (=いわゆる黒鍵)
♯や♭のつく音が出る鍵盤ですね


チェンバロの歴史では 最初のイタリアン そしてフレミッシュの時代には
鍵盤配置は 現代と同じく
ナチュラルキー=白鍵   シャープキー=黒鍵 でした


そして フランスの時代から 白黒が逆転して
ナチュラルキー=黒鍵   シャープキー=白鍵 に変わります
チェンバロの鍵盤のイメージは このフランスの時代からです


白鍵には ツゲ 牛骨 象牙 などが使われていて
黒鍵には 黒檀 などが使われています
どの素材も 磨耗に強い 硬い部材です


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今回 杣は ナチュラルキーを ウォールナット(茶色)
そして シャープキーを メープル(白)
という材木を使用します


理由は簡単です
木場まで 買い物に行く時間がないので
アジトに転がっている ありあわせの材料です・・・


Img_1311


まずは 割いた鍵盤を オサに入れていきます
まだ 切り出したままなので
鍵盤間の隙間は 糸鋸の刃幅の 1ミリくらいしかなく窮屈です


Img_1312


ナチュラルキーは 3ミリ以下の 薄い部材なので
接着剤をつけると 水分で変形するため
タイラな場所に しっかりと押し付けて接着します


Img_1315


全て接着が終わると こんな感じです


Img_1317


そして シャープキーの隙間を 切り落としていきます
鍵盤上の このラインは 装飾的な意味もありますが
これがあると 切り出しや メン取りが とてもやりやすくなります


Img_1319


本日の更新が 遅れたのは
あろーことか このクソ忙しい時に
杣は フットサルなんぞに 励んでおったのです・・・


結果は 1勝もできず 
おまけに 右足首の捻挫が 再発・・・
明日の 階段3階 上げ下ろし・・・ シップを3重に貼ってます

| | Comments (2)

07. 05. 08

沖縄の雪崩

埼玉の津波って・・・


Img_1415


| | Comments (5)

FF34 バランスホール

鍵盤を割いたら バランスホールの加工をします
この時点では 穴しか開いていないので
シーソー運動の 支点にはなりません


現代のピアノでは この部分に
大きめの穴を開け 上から カマボコという
別のガイドを つけますが・・・


Img_1305


金属のクサビを 上から グオッとぶち込み
ピンと同じ幅の オウギ状の穴をつくります
歴史的には スタンダードな方法です


Img_1306


このクサビも 調律ピンを 自分で加工したものですが
こんなんで 大丈夫なのか? とピアノ技術者は考えることでしょう
ええ ええ 杣も 最初は信じられませんでしたわ


細いバランスピンの時代には これで 結構 平気です
本当は 今回は この方式でなく カマボコを付けたかったのですが
時間が無いので やむなく ヒストリカルなホールです


Img_1307


今回の鍵盤の素材 杉は バリがケバイので
特殊リーマーで オウギ状ホールの内側のバリを
削り取ってしまい トラブルに備えておきます


Img_1308


そして 鍵盤の最大の難所 バランスホールですが
今回は やわらかい木材なので 
シーソー運動の連続により 穴が馬鹿になる懸念があります


なもんで アセトンに アクリを溶かした溶液をしみこませ
穴の周辺の強度を高め 再び キリで穴を開けます


・・・・・・・・・・・


なんか マニアックなブログになってきてしまって
書いてる本人は 専門分野なので
頭を使わずに とても楽なんだけど・・・つまらねー


| | Comments (5)

07. 05. 07

FF33 鍵盤裁断

いよいよ 鍵盤を 切り分けるのですが
杣は この作業の前に
鍵盤の前面の 小口部材を 接着してしまいます


鍵盤に限らず 小口というのは
木材の細胞を 直角に切断しているため
導管が ストローの束のようになっています


なもんで ここに 何かを接着する場合には
「吸い込み止め」と称して
一度 接着剤を塗って 導管を 塞いでしまいます


乾いたら ペーパーをあて 
それから もう一度 接着剤を塗り
目的の部材を接着します


これをしないと 接着能力が 著しく低下し
あとあと 簡単に剥がれるという事態が 発生します


Img_1248


鍵盤は 電動糸ノコで 切断していきます
まず おおまかなブロックに裁断し
それから 一鍵ずつ 作業していきます


ちなみに ジグソーパズルの 「ジグソー」とは
この 「糸ノコ」 のことです


Img_1251


Img_1255


| | Comments (4)

07. 05. 06

ミッションC 美動詞

八王子 いちょうホール
[ E139.19.54.48 N35.39.45.32 ]


スズキ・メソード 八王子支部
創設20周年を迎え 記念すべき 第10回目のコンサート
現役の生徒達と 先輩達との 共演!


Img_1392


ヴィヴァルディの「四季」
ソリストの桐山建志は リハーサルを通して
この合奏団の 持っている可能性を 更に 引き出していた


年齢層も キャリアも まちまちな 団員達だが
リハーサルが数時間に及んでも 高い集中力を発揮し
桐山の 柔らかく的確なアドヴァイスに ひとつになっていった


彼等の演奏の 一番の魅力は 
何より 音楽を楽しんでいる という一言につきる
リキミも衒いも無く 演奏という動詞が「play」であったことを 思い出す


かくして 春夏秋冬 季節感のある曲であったが
演奏は 全ての季節が 熱く
地球温暖化に拍車をかけていた


Img_1364


後半は OBや指導者達も加わって
床屋バーバーの アダージョに
チャイコの セレナーデ


前回の1月のミッションに 重複するかもしれないが
この スズキ・メソードの コンサートでは
裏方の 父兄の方々の 献身的な働きも 素晴らしい


舞台に立つ者だけでなく
奏者を取り巻く 日常的な環境である 家族から
既に コンサートに向けて 耕されている


・・・・・・・・・・・・・・・・・


杣は 5月末の 韓国へのミッションに向けて
楽器製作に ターボチャージャーで加速させ
準備をすすめているのだが


あろうことか 下関-釜山間のフェリーが
満席で 予約できない事態が起こり
楽器を携えての 韓国入りは 不可能・・・


マジで へこんでいた タイミングだった


で 数日に亘るリハと 本番を聞かせてもらって
「play」の原点と エネルギーをもらうことができた
本質的な重心を 再確認することができた


感謝ハムニダ!

| | Comments (3)

07. 05. 05

相対性鯉論

屋根よーりー たーかーい 鯉のーぼーりー♪


Img_1302


昨今の鯉のぼりは 屋根より低い
というか 室内で 過保護に養殖されて
まるで 子持ちシシャモである


だが 統計によると
鯉のぼりの 絶対高度というのは
昭和から ほとんど 変位していないそうだ


鯉のぼりが どんなに頑張っても
屋根が どんどん高くなってしまい
相対的に 鯉は 旬の万国旗もどきに 成り下がってしまった


大地と 空の距離は 変わっていないのに
鯉の飛翔意欲も 変わっていないのに
高すぎる壁は まだまだ 多くのものを 日陰に飲み込んでゆく・・・


| | Comments (2)

07. 05. 04

猫背

Img_1331


どんなに 「俺はネコゼだ!」 と いばってみても
所詮 本物には かなわない
本物の曲線は やたらに 美しい!

| | Comments (0)

07. 05. 03

FF32 ピンの穴あけ

ピンの位置を 正確に出すために
鍵盤と オサを重ねて
バランスピンと バックピンの穴を あけます


Img_1244


2ミリのピンなので キリの直径は 1,8ミリ
レールが メープルなどの硬質な広葉樹だと
1,9ミリくらいにしないと ピンが入っていかず 曲がります・・・


Img_1246


そして ピカピカのピンを 植えます
鍵盤の厚みや 運動量などを考慮して
ピンの高さを決め トンカチで トンテンカンテン


Img_1310


これで オサは 基本的に完成


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


アジトにこもってると 時計も無いから
時間感覚が 麻痺して
あやうく 更新を滞るとこだったぜ・・・


今夜も まだまだ がんばるぜよ!


| | Comments (3)

07. 05. 02

FF31 鍵盤オサ

鍵盤は ふたつのレールによって
運動の静止状態が 決定してます


鍵盤の中央付近のバランスレール
そして 後端が乗っている バックレール


現代のピアノでは 鍵盤の運動量を決定する
フロントレールなるものもありますが
チェンバロは 別の方法で 運動量を決めるので ありません


Img_1241


こうしたレールの材質選択には いくつかの考え方があります
重要なのは 変形しにくいこと そして ピンの固定に適した強度があること


ブナとか メープルといった 硬い木材は ピンの固定には適していますが
実は 針葉樹に比べて 変形しやすい傾向があります


なので 現代のピアノのバランスレールなどで
レール自体はスプルースを使用し ピンが植えられるとこだけ
ブナの細いレールを 埋めてある といったモノも見受けられます


杣は 今回 ツガという木を レールに使用してみました
ピンの固定に適した 硬度がありつつも
変形にも強そうなモノを 選んでます


Img_1249


鍵盤が 安定した上下運動をするために
フタツのピンが 必要になってきます


ひとつは テコ運動の支点 バランスピン
そして もうひとつは 左右へのローリングを抑制する
バックピン(チェンバロ) あるいは フロントピン(現代のピアノ)


今回は 直径2ミリの 真鍮棒を 
2種類の長さにカットし
レールに刺さるほうは鋭角に トップは鈍角に 削ります


そして 最後にバフをかけて 表面をなめらかにします
120本以上のピンは ピカピカになって 思わず歌ってみました!
「今の君は ピカピカに光ってー!」


うーん こんなことしてて 間に合うのか・・・

| | Comments (2)

07. 05. 01

FF30 鍵盤材

鍵盤に使用する 木材に 一番求められるのは
反ったり ねじれたり などの 変形しないこと


木材が 湿度などの影響で 変形しても
最悪 左右に変化して 鍵盤どうしが 接触しないように
板目にする (これで 上下の変化に なりやすくなる)


今までは 現代のピアノでも ポピュラーな材質の スプルースをはじめ
えぞ松 ポプラ(広葉樹) などを 使ってきた
今回は 初めて 杉を使用してみたい


Img_1239


板を 接いで 鍵盤のサイズより やや大きめな面にする
そして 前面を 真直ぐに切断し
この面に 直接 鍵盤の図面を書いていく


ジャックや ダンパーが乗る 後端部は 
1オクターブを 均等に12分割するが
最前面の 指が触れるトコは 7分割にする


そして 黒鍵の部分は 
ドレミの3音を 5分割
ファソラシの4音を 7分割にする


こうすると ファとシ の鍵盤の幅は
ドとミ より 狭くなる
この差を縮めるために レの鍵盤の幅が広いものが よく見受けられる


現代のピアノでは 黒鍵と黒鍵の間は
7音 全て 同じになっているが
これは 黒鍵と白鍵の隙間で 巧みに調整されているに過ぎない


Img_1240


切り出した後 バラバラになった鍵盤を 
識別するために 番号を記入する
5オクターブは 実際には 12×5+1なので 61鍵になる

| | Comments (0)

« 2007년 4월 | Main | 2007년 6월 »