自然というマエストロ
木工で使う カンナやら ノミやら
刃物は 自分で研がなければならない
なので しばしば しぶしぶ 刃物を研いでいる
刃物を研ぐ という行為は
表と裏という 二つの面を 平面にする
ということにすぎない
けれど この キレイな平面に 研ぎだすというのは
意外に しんどい時もある
まず 砥石を平面にしておかなければいけない
湾曲した砥石から 平面の刃は 生み出せない
これは ガラスの上に紙ヤスリをのせ 平らになるまで削っていく
でもって カンナやら ウスバといった 刃の面積があるモノより
細いノミの方が 研ぎだすのは難しい・・・
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ふと 水のはった 茶碗やら 洗面器を見ると
その水面は きれいな平面を湛えている
テメーの顔が そのまま歪まないで映るほど 美しい平面である
ナルシスは 湖面に映った 美しいオノレの顔を見て 悦に入ったようだが
工作員は 顔でなく その 美しい平面に 嘆息してしまう
引力とは かように 平等に 全てのものに はたらいている
人為的に平面を出したり 同じ力を かけるというのは
やたら 困難を極めるのに 自然は コトなげに やってのける
そんな 茶碗の中の平面に 嫉妬しながら
今日も刃物を 研いでいる
いつしか 自然の力のように キレイな平面を作り出せることを 願って
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Comments
我が家でも、砥石を如何に平面にするか、苦心している鳥がいます。以前は同じ砥石を二つ手に入れて、砥石同士をこすり合わせて、ということをしていましたが、それでは平面にならないことがわかったようで・・・
Posted by: おおぐま | 07. 04. 11 PM 1:48
To おおぐま
もしかして オーボエのリード削りの 刃物?
自分で研いでるの?
自分も 昔 砥石同士でこすり合わせましたが
ダメでした・・・ トホホ
平面は 偉大だよ うん うん
Posted by: 某閑人 | 07. 04. 13 AM 11:23