秘密工作員なるものは
お手伝いのスミちゃんやら 執事の諏訪野がいるワケでもないので
当然 日々の糧は 自炊とあいなっている
料理は まあ 杣の楽器製作同様 マニュアル無視で
創作と 試作と 食中毒を繰り返し
なんとか 人間のエサになるくらいのものを 拵えている
あろうことか 菓子なんぞも 作ってしまう!
といっても パウンドケーキと タルトタタン だけなのだが・・・
このふたつの菓子の共通点は
マニュアルが無くとも 記憶と 経験と ファンタジーで
いかようにも ヴァリエーションが効くということだろうか
さよう
本を見ながら 料理だの 菓子を作ることは 大嫌いなので
というより 性格上 不可能なので このフタツだけしか 作れないのである・・・
初めて パウンドケーキなるものに 挑戦したキッカケは
単純明快 材料が 全て1パウンドづつで よろしいらしく
それならば ということで 試行錯誤を繰り返した
しかし 毎回2本のケーキを 焼き
納得がいかないものだから 人様には 食わせるワケにもいかず
全て テメーで 消化せざるを得ず そんなことを 週に3回も繰り返していた
それが ヒトツキもハマっていたのだから
パウンドケーキの達人になったものの
58キロだった体重は 68キロへと 鮮やかなメタボリックな羽化を遂げた
そう 駄作でパウンドなコウノトリは 頼んでもいないのに
三つ子のフェレットを 腹に宿してくださり
以後 十年ほど 腹部で寄生し 苦楽を共にしてきた
しまった・・・ 前置きが 長くなりすぎた・・・
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そんな 菓子好きだった頃
挑戦してみたかった 菓子が ふたつほどあった
それは エンガディナーであり カヌレであった
エンガディナーは 今でも 正月になると
優しい姉上が 杣のために プレゼントしてくださり
重量1キロほどの菓子を 堪能する機会が おとずれる
ただ ダイエット中の工作員にとって これは試練である
そんな 年始の帰省の後 食料を大量に蓄えた頃を 見計らって
ケンタは 新年の挨拶という形式の 食料奪取にやってくる
まるで ライオンが倒したインパラを食らふ ハゲタカのようなヤツである!
かように 実家からの食料の約半分は
ケンタの家計を潤していることを 杣の両親も ケンタの両親も
知らないまま 正月はフェイドアウトしていくのであった・・・
しまった・・・ まだ本題に入ってない・・・
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で エンガディナーと カヌレの作り方を
本屋で立ち読みして ちょろっと観察してみた・・・
が あまりにもテマヒマがかかり 杣には不可能と即決された
その後 ブームが去ったのか
カヌレを置く店が メッキリ減ってしまい
いつの間にか ここ十年くらい 食する機会が失われていた
しかし 最近になって 再び ボチボチとカヌレが復活している
カヌレは 焼き菓子の中でも その味のヨシアシが
いちじるしく判明してしまう 恐ろしい菓子だと思っている
他の焼き菓子なら ソコソコのクオリティであれば
ソコソコ満足できるのだが カヌレは そうはいかない!
ヘタをすると 奇形のボンテギと称されても 仕方ないものになってしまう
なもんで この 絶滅しかけた菓子が
今後 高いクオリティーに 復活してくれる日を
首の骨 9本くらいに増設しながら 待ち続けたいと思う
って 本題を書く前に エネルギー使い果たしてしまい
オチがつかなかった・・・
しかし 溝はついたようだ・・・ ワカンネーヨ!