響の断層⑤ 遥かなる響き
5度圏図は 響きのイメージが 湧くようになるまで
少し時間がかかります
なので こんな図を 作ってみました
この図は ひとつひとつの 和音が
純正から どれくらいズレているかを
視覚的に 観察しやすくした(つもりの)ものです
アルファベットの 大文字は 長和音で
小文字は 短和音です
主音の右が 属音の和音で 左が 下属音の和音です
ですので 主音の前後ふたつを見ると
合計6個の 長短の全ての和音が 観察できます
マスの中の 中央の 点線が
ウナラない 純正な位置だと思ってください
ですので 中央の点線から 離れるほど
ウナっている とイメージしてください
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ミーントーン
この音律は ウナラない 3度が
8個もありますが
全くつかえない オンチな音も入っています
「wolf」と書かれた 右下の5度は
一人で ボンテギを 36匹も 抱えています!
この 36匹の音程を オルガンで弾くと
「ヴォルルルル!」 と 狼の遠吠えのように 聞こえるので
「ウルフ」と言われています
そして この音律は
シャープと フラットが しっかり分かれてしまいます
今は ミのフラットと レのシャープは
同じ鍵盤で ナンの違和感もありませんが
この音律では それが しっかり分かれてしまうのです
なので ミーントーンで 全ての調を弾くためには
こんな鍵盤が 必要になってしまいます
↑は 1999年に 杣が作った 最初のチェンバロですが
1オクターブの中に 19もの鍵盤があります
ハッキリ言って 実用性は皆無です! トホホなデビュー作でした・・・
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ヴェルクマイスターⅢ
キルンベルガーⅢ
ヤングⅡ
このあたりが 「古典調律」と名づけられて
比較的 ポピュラーに 使用されている音律です
大雑把に見てもらっても
上部の方が 比較的 ナダラカで
下部の方が トンガッているのが 分かると思います
昔の音律は このように
調性が変わると 響きも変化するという特徴がありました
こうした 変化に富んだドレミを
バッハや ショパンは 耳にしながら
曲を 作っていました
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平均律
これが 現代の我々が 何気なく聞いているドレミです
全ての和音が 同じカッコをしているのが 分かると思います
よって どの調で弾いても 響きは オンナジに聞こえます
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このような 調性の特徴を 言葉で残してる人もいます
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Comments
このような図形にしていただけると、わかりやすいですね。
自分では知っていたつもりですが、改めてヴェルクマイスター、キルンベルガー、ヤングの違いを意識しました。もっと勉強してみます。
Posted by: おおぐま | 06. 12. 19 AM 12:47
ご無沙汰しております。
時々まとめて拝見させていただいております。
音楽は数学、とどなたかおっしゃいましたが、本当なんですね。
『トホホなデビュー作』、実物を見てみたいです!!
Posted by: tanishi | 06. 12. 19 PM 11:27
お-っ!
こりゃーええわ・・・
このページ、とうぶん楽しませていただきます。
Posted by: 440 | 06. 12. 20 AM 8:32
To おおぐま
自由な音を
更に 自由自在に 生命力を与えられる
ヴァイオリニストにとっては
ナンとも ストイックな音組織に 感じるでしょうね・・・
今度の コンヴェルスムでも
ナニやら 怪しげな音律・・・というウワサをキャッチし
どうなることやら・・・
26・27日と ヨロピク!
To tanishi
写真 その後 送ってなくて スンマソン
どうやら アジトのパソコンが
ノロウイルスにやられてるらしく・・・
今しばらく お待ち下さい
で デビュー作は 鍵盤だけ 残して
本体は 廃棄してしまいました・・・
置き場所が無いので もう 最初の3台は
永眠しました・・・ ナムー
To 440
この図は もう10年以上も前に
ワープロで 作ったもので
今は もっと スマートなアイデアが あるのですが
パソコンの 作図能力が ゼロで・・・
440の図のように 美しく 分かりやすいモノを
いつか 作ってみたいもんです
Posted by: 某閑人 | 06. 12. 21 PM 12:33