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06. 12. 15

響の断層③ 鍵盤の憂鬱

ワープロや パソコンの普及で
実際に 字を書く機会が メッキリ少なくなってしまった昨今ですが
手書きというのは 限りなく自由なものです


手書きでしたら 「あ」 に 「゛」 をつけたり
「ら」 に 「゜」をつけることも 可能です
どのように発音するかは 分かりませんが・・・


しかし キーボードは こうした表示が できません
あらかじめ インプットされた字しか 表示できないのです
そう キーボード(鍵盤)には 便利さと引き換えに 不自由さがあります


Arapagu


音は 本来 限りなく自由で
音の高さや 音色 強さなど
一定に保つのは よほどの技術か 装置がなければ困難なものです


ためしに チューニングメーターに 向かって
「ラー♪」と 声を伸ばしてみてください
針がブレることなく 安定させられる人は 天才です


そのくらい 自由奔放な音を 
強制的に 一定に 閉じ込めてしまったのが
鍵盤楽器なのです


鍵盤楽器は 他の旋律楽器などと違って
あらかじめ インプットした音程でしか 歌ってくれません
鍵盤楽器の音は 自由を剥奪され 窮屈に存在しています


自由で 気まぐれで 凶暴なネコのツメを切ろうと
愛猫を 押さえつけると 飼い主は 血まみれになります・・・
そして しばらくは 愛猫に 嫌われます・・・


同じように 自由な音を 
あらかじめ 整列させてしまった鍵盤楽器は
いくつもの音程の間で ジレンマを生じさせてしまったのです


・・・・・・・・・・・・・・・・


前回 紹介したように 
音程は 音の中の 倍音どうしが 「ハモッた!」
という「点」で 誕生してきたのですが・・・


鍵盤楽器では この 「ハモった点」だけでは
事前にインプットできないという ジレンマに陥りました


ひとつめのジレンマは
ハモった5度(ドとソのような距離) と
ハモった3度(ドとミのような距離) だけで 調律することは不可能なコトです!


ふたつめのジレンマは
ハモった5度だけで
ハモった オクターブを調律することは 不可能なコトです!


Oct


ちょっと 余談ですが オクターブの話をしてみましょう


「オクト」は ラテン語で 「8」を意味します
ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド ←8個なので オクターブなんですね


タコは 8本の(オクト) 足(パス) で オクトパス


じゃ オクトーバーは なんで8月じゃないの? ってコトなんですが
これは 昔の暦が 3月から始まっていて 8番目だったのです


ちなみに杣少年は 1月 2月・・・ を 
「ジャニアリー」 だの 「フェブラリー」 だのと知らずに
英語では 「ワンムーン」 「ツームーン」と 本気で思っていました・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


てなワケで 鍵盤楽器には 
あらかじめ インプットされるべく
音の設計図が 必要になってきたわけです


これを 「音律」と いいます


音律は 古来より たっくさん設計されていますが
大きく フタツに分けるコトができます


① とにかく ハモった3度を ひとつ以上欲しい
② ハモった3度を 必要としない


ちなみに 現代 我々が耳にしている 
「平均律」という 音律では
ハモった3度も ハモった5度も 採用されていません! 

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Comments

とっても、とってもやさしく解説してくれているようです。
また、ちょっとかしこくなったかなぁ…?

オクターブの余談に対して…
わたしも、オクターブにはいつも泣かされています。

Posted by: chikako | 06. 12. 15 at 오후 9:19

To chikako
オクターブの幅 今のピアノだと
日本の女性には ちょっと広すぎるよね
ラフマニノフは オクターブと3度が
らくらく 弾けるほど 手がでかかったらしいけど・・・
鍵盤についても いつか解説してみたいです
昔の鍵盤は 長さも 幅も 今とは違う理由とか・・・

Posted by: 某閑人 | 06. 12. 18 at 오후 12:31

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