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06. 11. 22

あれから 7年

ノストラダムスの大予言 やら グランドクロスやら
あの夏に添えられた 形容なんて
今や もう 死語になってしまったかも知れない


・・・・・・・・・・・


1999年 11月22日
杣は 代々木の小さなホールで
コンサートの仕事をしていた


自衛隊の飛行機が 所沢で墜落し
広範囲で停電がおきて
そんな中 チェンバロの調律を チョロチョロやっていた・・・


当時 杣は作務衣を着て 雪駄を履いていた
その 雪駄の鼻緒が 突然 切れた
ウーム なにやら不吉だ・・・ と思った瞬間 杣の携帯が鳴った


「鍋島先生が 亡くなりました」


この 極東の 日本という小国で
チェンバロや 古楽というジャンルのパイオニアであった
鍋島元子が 永眠された・・・


その わずか3ヶ月前
鍋島元子は ドイツのミュールハウゼンという 小さな街で
癌を患いながらも 最後のリサイタルを 完遂した


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


1999年の8月
杣は 鍋島先生と共に ドイツにいた
鍋島先生は 生涯最後となるリサイタルを 自覚しての旅だった


いずれ その2週間の日々を
当時の日記帳と共に このブログで紹介したいと思っている


ただ 今でも 鮮明に覚えていることがある


鍋島先生が 亡くなった


その訃報を聞いた時  驚きや 悲しみより 
「先生 本当に お疲れ様でした どうぞ安らかにお休み下さい」
心から そんな和らかな気持ちで 先生を 偲んだ記憶だ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


鼻緒が切れた 杣の雪駄は
鍋島先生の 最後のリサイタルで 調律をしていた時
ミュールハウゼンで 履いていたものだった・・・


あれから 7年が経つ


鍋島先生
たくさんのコト ありがとうございました
そして たくさんのコト すいませんでした


自分は 相変わらずであります
恥ずかしいくらい 相変わらずで
ありがたいくらい 相変わらずであります


今日は 大聖堂で リハーサルをしています
先生なら 苦笑されるような 
拙い楽器ですが・・・ 聴いていただけますか!


061122


「あの夏の415」
あまりに高すぎる融点が
いまだに 記憶の中で 結晶にならない追憶


そして 1秒1秒 生き続けるということで
確実に近づいていく それぞれの終焉


「神が与えし 唯一の平等  それは 死」


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Comments

もう7年ですか。ああ、早いですね。
私も学校でお世話になりました。直接の弟子ではなかったけど、
先生がいなければ、古楽器科も出来ておらず、その結果、今、
私がちょろちょろとではあるけど、チェンバロ奏者として働けても
いなかったわけです。(考えるとすごいことですよね)
この頃「継承」ということを考えていて、自分のやってることが
決して自分だけで出来るわけではなく、そしてそれが、何らかの
形で未来につながるものだという自覚…う〜ん、歳取ったいうことかな。
先生の魂の平安を祈ります。

Posted by: よこよこ | 06. 11. 22 at 오후 8:19

なぜだかわかりませんが、涙がでてきました。
たぶん、二週間の間でも、先生から何物にも変えがたい貴重な経験をされた杣さんがうらやましいのかも…。
私は、ピアノにまたまっすぐに真剣にでも楽しんで、向きなおしたのは、ほんの一年位前だから…。
先生の精神、教えてもらったことなど、これからのチェンバロ界に伝えていってくださいね。私には、そういう仕事できないから…。

Posted by: chikako | 06. 11. 22 at 오후 10:39

命日を覚えている方も少なくなっていくのだろうなぁ~と思いつつ、21日にお墓周り掃除とお花を添えてきました。もう7年ですね。早いような、長いような・・・。

Posted by: T.K | 06. 11. 23 at 오전 8:36

To よこよこ
「継承」
人間の文化って 自然界のDNAのように
自然淘汰されるリスクを 持ちつつ
それでも 継承されてきて 継承されていくんでしょうね
鍋島先生の 大きな足跡には 到底かないませんが
自分も 先輩技術者や 音楽家から 
育んでもらった 様々な技術を
仕事を通して 伝えていかなければなーと 思ってます
そして いい仕事ができるようになることが
最高の恩返しなのでは とも 思ってます
よこよこも 北海道で パイオニアとして 踏み出して
もう 足跡を残し始めているのですから
たくさんの 種を蒔いて 一緒に咲き誇ってください!
応援してますよ! 


To chikako
あの夏の2週間は 楽しいものでは ありませんでした
でも 楽しいコトだけが 価値あるのではなく
文字通り 命をかけたリサイタルに 1秒づつ近づいていく
先生の生き方を 凝縮したような 一歩一歩には
言葉では伝えられない たくさんの傷を いただきました
その傷は 癒えないように もっと化膿させて
怠惰な自分の生き方に 痛みをもって 軌道修正してくれる
大切なムチになってくれています
チカコには チカコの人生の中で 育まれた
エネルギーと 傷があると思うので
それらが提示してくれる ベクトルに沿って
がんばって生きていって 欲しいなー
「世界の中で 自分にしかできない 唯一のこと
 それは 自分を生きること」
杣のチェンバロの屋根に 暗号で書いてある言葉です


To T.K
もう あのラストリサイタルのCD
聞けるようになりましたか?
底辺を広げながら 頂点も目指している
今のTKの活躍ぶりを
先生は きっと 喜んで見ていて下さってると思います
まあ 先生のことですから
手放しには 誉めてくれずに
ちょっと キツーい 遠まわしの表現をされるかも
知れませんが・・・
今となれば あの おっかなさも
先生の 魅力のひとつだったんだなーって 思います
勿論 今だから そう思えるのですが・・・

Posted by: 某閑人 | 06. 11. 23 at 오전 10:53

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