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06. 06. 01

もしもピアノが弾けたなら

Pa0_0037


調律学校にくる ほとんどの生徒が
ブラバンか ピアノを弾いてきた 音楽人間
譜面は 読めて 当たり前の世界


そんな中で 異質な生徒がいた
19歳の杣だ


今の フットサルをやっている連中は 
信じてくれないのだが (勿論 下手過ぎるから・・・)
杣は高校で サッカー部だった


そんな奴が 調律学校に来て
一番苦労するのは
ピアノの実技の授業


調律師たるもの
お客さんの家で ババーンと
1曲披露してコイ! というらしい


ピアノを弾けない奴は (杣以外にいないのだが・・・)
19才でも 勿論 バイエルの1番からだ
最初は 楽譜に 音名をカタカナで書いていた


・・・先生に怒られた


調律師たるもの 楽譜が読めなくて
どうするんじゃい! という理由だ


で 今度は 同級生に弾いてもらって
耳コピして 弾けるようにしていった


で 次のレッスンの時 
楽譜を見ながら スラスラと弾いてやった
へへへ どんなもんじゃい!


すると 先生がニンマリして
「杣君 今 どこ弾いているか分かる?」
と 言ってきやがった・・・


ウウウ・・・分からなかったので
適当な場所を指差し
「この辺りでしょうか?」 と答えてみた


すると先生は ニヤリとして
「開いているページが 違うわよ」
と ノタマワった・・・


まあ そんな訳で 2年間かけても 
バイエル60番までしか すすまなかった
いまだに 譜面なぞ ロクに読めない・・・


だからという訳でもないが
お客さんに 「調律師さんって ピアノもひけるんでしょ?」
と尋ねられると

「ええ まあ3メートルくらいは」 と
筋肉を膨らませて その場をしのいでいる・・・

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