ピーちゃん ごめんね
あれは 中学校の頃
ある冬の日 隣街に 買い物に行った
帰り道 駅のロータリーで ピーピーと声がする
出店のようなトコで 見慣れない小鳥を売っていた
看板には「シマドリ」と書いてあった
杣「これって ヒナじゃないんですか?」
店「これは沖縄の鳥で これが大人なんだよ これ以上大きくならないよ!」
・・・かわいい むちゃくちゃ 可愛い!
これ以上 大きくならないのも 気に入った
で オスとメスを つがいで一匹づつ買ってしまった
すると・・・ 何故か オマケだ!と言い 合計4羽も箱に入れてくれた
・・・親に叱られた!
前科があるのだ!
最初だけ 可愛くて すぐに飽きて 育てるのは いつも親
でも 買ってきちゃったから 飼うコトになった (ウヒヒ)
名前は ラッシー ネッシー クッシー マッシー
すぐに 2羽が死んでしまい その後 1羽が死んで
ラッシーだけ生き残った
生き残ってくれたのだが・・・日々 大きくなっていくではないか!
あの店のオヤジの話とは 違うではないか!
図鑑で「シマドリ」を調べたが ・・・そんな鳥 載っていなかった!
半年も経つと これは どうやらウズラだということが判明した
杣家の伝統通り いつの間にか 名前はピーちゃんになっていた
そして ナ ナント! 卵を産むようになった!
ピーちゃんは 毎朝 杣少年のフトンの上に来て
杣の顔を眺め それから フトンの横の ピアノの下で
卵を産んでから 自分の巣へ帰っていった
杣少年は 薄目を開けて その様子を 毎朝楽しんでいた
卵は なんだか可哀想で 食べることが出来なかったが
十個くらい冷蔵庫に 並んで 溜まっていった
捨てるのも偲びないし・・・
ある朝 母親が 弁当にピーちゃんの卵を 入れてくれた
ドキドキして 弁当を空けると 小さな ゆで卵があった
不思議な気持ちで 食べた ・・・味は 覚えていない
帰宅すると 母親が泣いていた
ちょっと窓を開けている間に ピーちゃんが逃げてしまったらしい
暗くなるまで 近所を捜索したが ピーちゃんは いなかった
卵を食べたから 怒ったのかな・・・
それとも 裏切られたと 思ったのかな・・・
ノラ猫や ノラ犬に いじめられてなければいいけど・・・
ごめんね ピーちゃん
杣少年は カラッポの巣に
泣きながら 謝った
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先日 ウズラの卵のピータンを見つけて
ついつい 思い出してしまいました・・・
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