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06. 03. 31
06. 03. 30
06. 03. 29
06. 03. 28
FF⑪ 響板の穴
ギターやリュートの響板には 丸い穴があいている
ヴァイオリンなんかは f字の形をした穴があいている
チェンバロも これらの楽器同様 穴があいているものが多い
この穴は ローズ孔などと呼ばれていて
製作者のマークが はめ込まれているものが多い
杣は作る度に 穴の形も マークも変えている
この穴が 音に どのような影響があるか 諸説ある
簡単な実験として 薄い板で穴を塞いでみたりして
聞き比べは出来る ・・・違いは ハッキリしている
んでもって 今回は 穴を半分ほど塞ぐデザインになってしまったが
陰陽の印を元に 黒檀で作ってみた
これで 響板を ボディに接着する準備が整った!
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今日のムムム
なんだか ニフティのメンテナンスが終わったと思ったら
コメントの仕方が 勝手に変えられていました・・・
慣れていない仕組みだと なんだか面倒臭い・・・
というわけで いろいろ変更されているようです
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06. 03. 27
FF⑩ 響板の裏
響板の裏には カットオフバーや
リブ などと呼ばれている部材がついている
ピアノでは 響棒という名称
これは そもそもの役割は
薄い板の 平面維持である
だから リュートや ギターの響板の裏側にも着いている
基本的には 響板と垂直に交わることが
平面維持に もっとも効率がよい
更に ブリッジと平行したモノが 響を左右する
杣の今回の響板は 放射状なので
これらの部材は 斜めに取り付けられる
カットオフバーも ブリッジと平行していて
杣は 内部材と響板を くっつけてしまっている
チェンバロには ありえない発想かもしれないが
ピアノの 除響棒の発想を 採用している
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今日の補足
最近 このブログを見始めた方には 唐突な内容だと思う
これは 昨年の10月から始まった ミッション・インポッシブル
「F」という楽器の 製作中継である
カテゴリーは 「Fを製作せよ」が20話あり
その続編として 「FFを製作せよ」 というもので中継している
「F」とは 強弱の出るチェンバロで
成功する確率は 極めて低いが・・・ まあ がんばってます!
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06. 03. 26
ミッションC:オリゴの春
新宿 オペラシティ 近江楽堂
1974年に 故鍋島元子の創設した 古楽研究会
オリゴ エト プラクティカ (通称 オリゴ)
この研究会から たくさんのチェンバリスト達が 巣立っていった
オリゴは 様々な活動を通して 今なお 音楽へ貢献している
熱心な弟子達と 多くの会員や会友が集い
創設者の意思を きちんと継ぎながら 新しいページをめくっている
93年に オリゴの教室に届いた カルスベーク製作のチェンバロ
杣は まだ出来立ての その楽器を前にしながら
鍋島先生と一緒に 夜遅くまで いろいろ話し合っていた記憶がある
そして 2003年に 杣が製作したチェンバロ
10年も先輩の楽器と一緒に オリゴの春で弾いてもらった
それぞれの楽器の個性に合わせて 演奏者は曲を弾き分けていた
もしも この会場に 鍋島先生がいたら どのようなコトを ノタマワれただろう・・・
「あなたは こんな楽器を作っているから ダメなんです!
いいですか チェンバロというのは・・・」と 長ーい お説教をくらったコトだろう・・・
でも できれば そんなふうに 自分の作った楽器で 叱られてみたかった
杣が 初めてチェンバロを作りあげた 1999年
鍋島先生は 数え切れない足跡を残して 帰らぬ人になってしまった・・・
06. 03. 25
手作り名刺
杣の名刺の材質は 木
鳥眼杢の楓 つまり バーザイメープル
1枚1枚 木目は異なっていて 同じ柄は無い
印刷は プリントごっこ インクは紫
名前 電話番号 メールアドレスを 表に印刷する
裏には 昨年の夏以降 ブログアドレスを 印刷している
印刷した名刺は しばらく乾かす
せっかく作った チェンバロ型のクラヴィコードだが
今や 杣のアジトでは テーブル代わりになってしまった・・・
名刺は 年に2回くらい 100枚づつ作って もう十数年が経った
初めて出会う人に渡すものだから 自分で作って 心を込めていたい
1枚1枚の木目を見ながら思う 「こいつは どんな人にもらわれていくのだろう・・・」
06. 03. 24
密かな懺悔 その2
昨年11月 韓国での仕事の時
杣は ソウルの演奏家の 母上の家に泊めてもらっていた
そして いきなり セコム騒動を 起こしてしまった
杣は 飛行機内でかいた汗と 部屋の暑さによる汗と
ペコペコ星人になって吹き出た 冷や汗を
さっぱり流そうと 風呂に入った
風呂が終わって 濡れた髪を乾かそうとしたが
どうやら ドライヤーが 見当たらない
そんなことも あるだろうと 持参したドライヤーを 持ち出した
しかし コンセントの形状が 日本と韓国では 異なる
さて どうしとものかと 思案して あたりを見回していると
ふと トイレの上に 変圧器らしきものを 発見した (ラッキー!)
これは まさに日本用の コンセント!
喜び勇んで ドライヤーのプラグを 挿し込み
スイッチを入れた!
ドライヤーは 日本よりも激しい音で 回り始めたが
すぐに 止まってしまった・・・
どうやら コンセントの電圧は 韓国のままだったらしい・・・
韓国の電圧は 日本の倍の200Wある
しまった・・・ ドライヤーが ぶっ壊れてしまった・・・
杣は 濡れ鼠のまま ドライヤーを スゴスゴと片付けた
ま 風邪は ひかないだろう と思い
オネショをしないように 用を足して 寝ることにする
スッキリして 便器の水を流す・・・
・・・流れない (マジッ?)
・・・あのー ・・・浮遊してるんですけど、、、
どうやら 壊れたのは ドライヤーでなく
変圧器だったらしい・・・
よく観察すると 水洗装置は 変圧器につながっていた・・・
深夜だったし ついさっき セコム騒動を 起こしたばかりなので
杣は 翌朝になって 「便所が流れない」ことを 母上に伝えた
もちろん ドライヤーで ぶっ壊したコトは黙っていた
母上は とても申し訳なさそうに 謝ってくれ
仕事に行ってる間に 治すので 1階のトイレを使うように 言ってくれた
(ドライヤーは 現在でも 日本で快適に動いている・・・)
この場を借りて 密かに懺悔します
母上 嘘ついて すいませんでした
変圧器を壊したのは 実は 杣でした ・・・チェーソンハムニダ!!!
06. 03. 23
密かな懺悔 その1
昨年11月 韓国での仕事の時
杣は ソウルの演奏家の 母上の家に泊めてもらっていた
というか 現地に到着したら 強引に連れて行かれた・・・
で 馬鹿でかい家の 2階部分を 貸切状態で使わせてもらった
寝室だけで 杣のアジト全部の 床面積より広い・・・
母上は 会社の会長さんだったのだ!
寝室で 度肝をぬかして ようやく落ち着いてくると
なんだか 部屋が暑いことに 気がつく・・・
1枚 また 1枚 服を脱いでいくが それでも暑い
エアコンを探しあてるが どうやら エアコンは作動していない・・・
そして やっと床暖房であることに 気がつく ・・・オンドルだ!
しかし オンドルのスイッチが見当たらないので 仕方なく窓を開けた・・・
窓を開けて 一服して 涼しくなって パジャマに着替える
時間は 夜の12時頃だったと思う・・・
突然 寝室のドアがノックされ 母上が入ってこられた
え? イヤン! まさか・・・ 杣の肉体美に興味があるのかしら
しかし 母上の後ろには 制服を着たお兄さんがいた
え? イヤン! まさか・・・ 杣がゲイであることを 知ってるのかしら
「あんた 窓を開けたかね?」
『え? あ ハイ 開けましたが・・・』
「夜中に窓を開けてはいけません 警備会社の人が来ちゃったじゃないの!」
どうやら この豪邸はセコムしてあって
夜の何時から 朝の何時までは 2階の窓を開けると 通報されるらしいのだ!
こうして杣は 初日からペコペコ星人になって 1週間のウルルン滞在記が始まった・・・
06. 03. 22
パパラファックス
初めて 杣のアジトに FAXが入った日
杣は 狂気乱舞し 早速 FAX器を使ってみたくなった
・・・が 送る相手が いない・・・
すると 説明書の中に パパラファックス(だったと思う)のチラシがあり
そこに登録すると なんでも いろんな情報を FAXしてくれるということだった
杣は 早速 必要事項を記入した (当時は個人情報流失に無防備だった)
で 送ってみた (ワクワク!) ・・・が うまくいかない (アレ?)
もう一度 送ってみた (ソレッ!) ・・・それでも うまく送れない (アレレ?)
送ったはずの用紙が 下からビローンと 出てきてしまうのだ!
説明書を読み直して 更に挑戦! (コンドコソ!)
・・・やっぱり 用紙が出てきてしまう、、、
(なんじゃ コリャ! 不良品か!?)
すると 突然 電話が鳴った
パパラファックスの事務局からだった
『あのー 何度も同じFAXが届いてるんですけれど・・・』
「いや そんなハズないんですけど 何度やっても戻ってきてしまうんです」
『いえいえ ちゃんと届いてますから もうFAXしないで下さい』
「おかしいなー 用紙は まだ手元にあるんですけどね」
『・・・あのー FAXというのは 内容だけ送るもので 紙は送れないんですよ・・・』
06. 03. 21
羊三昧な一日
富士宮 まかいの牧場
日本ピアノ調律師協会 関東支部9班のイベント
ピアノの響 それは 地球の響シリーズ 第3弾
協会員や その家族ら 16名が参加した!
第1弾は 鉱物を取り上げ ピアノ弦の工場見学 (05年9月8日)
第2弾は 植物を取り上げ 森林科学園見学 (05年11月3日)
そして 動物を取り上げた今回は 羊三昧な1日!
ピアノ弦を叩いているハンマーは 羊の毛で作った
硬ーい フェルトで 出来ている
それなら ということで 羊の毛刈りから フェルト作りまでを体験!
毛を刈られるのは 4歳のメス羊 「マチコ」
初めての 羊毛刈りに挑戦! (はさみでチョキチョキ)
1年分の羊毛を失った マチコ・・・ (寒そう・・・)
当然 昼食はラムやマトンの ジンギスカン! (マチコ ・・・美味いぜ!)
午後は まず 競馬ならぬ 競羊を堪能
杣の買った 馬券ならぬ 羊券は3-5
見事に外れて やや不機嫌 (八百長レースじゃねーか?)
そして・・・ 漂白した羊毛を使って フェルト作りに挑戦!
羊毛を 縦横に重ねて お湯を注ぎ 人力で とにかく 圧力を加える!
ウールのキューティクルがからまったら 見事なフェルトに変身!
左:うららの作った ランチョンマット
右上:ケンタの作った ミトン
右下:杣が作った ポーチ (マチコ・・・ 綺麗だぜ!)
フェルトを実際に作ってみると
ピアノハンマーの フェルトの硬度は 凄すぎる!
そんな・・・ 地球と仲良くなれた 1日だった・・・
06. 03. 20
06. 03. 19
06. 03. 18
写真に写ってしまう真実
ある朝 駅から現場に向かう 道すがら
猫達が 朝食をガッツいていた
寒い朝なんだけど ちょっと 暖かい気持ちになる
写真は 真実を写す と よく言われていて
ずっと 被写体の 真実の瞬間のコトだと思っていた
でも最近 ブログを始めてから そうじゃないコトが分かってきた
いろんなブログに載っている 様々な写真
その写真には 写っている被写体でなく
撮っている人の感覚が 写っている気がする
心から おいしそうな気分で撮っている 料理の写真は
なんだか とても おいしそうに見える
心から 愛でている対象を 撮っている写真は
なんだか とても 愛おしい気分になる
そんな視点で 自分の写真を見てみると
ただ カッコよく バランスよく 見せるための意識が過剰で
被写体からは それ以上のモノを 語ってくれていない
戦場写真家の あの凄惨な現場の写真には
撮影者の 興奮と 怒りと 悲しみと・・・
それらが詰め込まれていて 多くの感情のスイッチを押される
写真が 写している 真実
それは 撮影者の 本質と真実
そんなことも ブログで学ぶことが出来た
06. 03. 17
ミッションC:小さな小さな音楽会
調布 文化会館たづくり エントランス
調布市にある 桐朋学園大学の
古楽器科の 講師と学生によるコンサート
リコーダー バロックフルート チェンバロ
更に バロックハープまで登場する 豪華版
リハーサル中でも エントランスを行きかう人が
熱心に聞き入っている 大きな拍手も沸く
本番前から とても自然な感じの空間
近くの幼稚園の 散歩のコースだったのだろうか
小さな小さな手で 拍手をしていた子供達が キュートだった
06. 03. 16
朱紅文字の夜(完) スカーレットレター
J.Jと申します.
チェンバロのお話をされていましたけれど
唇を読む勉強をしましたのでゴメンナサイ.
私はプロのボンゴ奏者です DJもやります.
70才近い、サウジアラビア人ですが
貴女様は どこの店でチェンバロをひいてますか?
教えて下さいませ
J.J KHAN
私のボンゴも聞いて下さいませ
アメ車を売っている アルファーと云う店と(新高島平)
みちのく店一杯のみや 西台です。
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今日の補足
・「奏者」の「奏」の字は間違っていたので ここには修正してある
・「貴女様」は 「あなた様」の意味と思えるが そのまま載せてある
・改行 下線 読点 句読点は 原文のママ載せてある
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06. 03. 15
朱紅文字の夜④ ヒタイの印
そんな シュールなやりとりを もう少ししてから
女は 自分の席へ 帰っていった
女の周りの 屈強な男達は 相変わらず 微動だにしない
当然 杣とSの不信感は 絶頂に達している
恐らく そんな会話を こそこそ していたのだろう
そこに 女が みたび やってきたのである!!!
その時の会話の記憶は 残念ながら もっと薄い
単語にインパクトがありすぎて 内容の詳細が覚えられなかった
とにかく 下記のような内容を 話してくれた・・・
『自分は 幼い頃から スパイの教育を受けた
だから 幾つかの外国語と 唇が読める
マザーテレサに 育てられたか 救われたかして
その弟子だか 認められた者だかである
更に サイババにも関係があって
その弟子だか 認められた者だかである
だから 世界に3人しかいない ヒタイに印を受けた者だ
それを あなたに見せよう』
そう言うと 彼女は 深々とかぶった帽子をとって
オデコにある 十字架のような 菱形のような
火傷が治ったような 傷跡のような 不思議な印を見せてくれた
『これで 信用してもらえたか あなたのオーラは 素晴らしい
あなたと話がしたいから 是非 店に来て欲しい』
女は 席に戻って しばらくして 男達と一緒に 無言で店を出て行った
・・・・・・・・
さて 現場での出来事は これで全てである
現在残された 唯一のてがかり というか 証拠は
彼女の書いた 手紙のみである
個人的(?)な手紙を このようなトコロで 公開してよいか否か
これを 連日書きながら 迷っていたが
やはり 諸君に見てもらおうと決意した (長くなったので 明日・・・)
06. 03. 14
朱紅文字の夜③ 2ndコンタクト
すると 女は立ち上がり 再び 杣達のテーブルに来た
そして ナント 流暢な日本語で 話しかけてきたのである!
背を向けていたSも 今度ばかりは 驚いたようだった
当時の会話を 一字一句 記憶している訳では無いが
確実に発言された 言葉をつないでみる
内容的に 偽りは無い会話と思っていただきたい
『私は 怪しいものでは ありません』
「あ でも 誤解でして 自分はチェンバリストでは無いんです
あの こちらは チェンバロを製作している方でして・・・
自分は ただの調律師ですので・・・」
杣は 女の好奇の対象を Sに向けようと思った
実際 自分は演奏家では無いし
音楽に興味があるのなら 製作家の方が面白いはずだ!
しかし 女はSに目もくれず 杣に向かって言った
『私は あなたと話がしたいのです
あなたのオーラが 素晴らしいのです』
は? オーラ?
杣は オーラに関しては 存在しているものと思っている
ただ それは 体臭のように いつだって 誰もが発していて
その人の状態により 放つ強さや 種類が変わったりするだけのもの・・・
チェンバロ⇒音楽⇒自分のボンゴ演奏
それで 興味を抱いたのだと理解途上にあった 杣にとっては
この発言は 奇襲も奇襲 ・・・普通 オーラごときで 接触するか?
とはいえ 天下の小心者な 杣青年
長身のサングラスの外人女性⇒赤い手紙⇒オーラ云々
誰だって こんな状況に会えば バベル(混乱)の極みに落ちるだろう
(なんと・・ まだ・・・ 続くのだ・・・)
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今日の補足
当時 杣は アストラインという 調律師の勉強会のメンバーで
次回の講座のテキストを 何ヶ月もかかって 書き上げたとこだった
確かに もの凄い充実感と 満ち足りた気分だったことは覚えている
更に ちょうどその頃 インドにはまっていて
「理性のゆらぎ」やら「アガスティアの葉」に傾倒し
CDから料理 更にはスピリチュアルへの関心も高かった
しかし オーラとは全く関係無い
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06. 03. 13
朱紅文字の夜② 手紙
手渡された 手紙の概略は 次のようなものだった
自分は70才近い サウジアラビア人で ボンゴ奏者であること
唇を読む勉強をしていたので 杣達の会話が分かったこと
自分が演奏している店(2件)に 聞きに来て欲しいこと
そして チェンバロの話をしていたので
どうやら 杣がチェンバリストだと 勘違いしたらしいことも分かった
実名かどうか分からないが 彼女の名前も書いてあった
ここで 幾つか 不思議なことがある
漢字が少し間違っているものの 達筆な日本語なのだ!
アラビア人が 何故 日本語の会話を それも唇で理解できるのか?
杣とSは 「これは怪しい! どう考えてもおかしい!」
ということになり シカトすることにした
声を落として そんな相談を コソコソとしていた
しかし 杣の視野には 彼女がこちらを見ている様子が 入っている
Sは背を向けているから良いが 杣は 彼女の正面にいる
彼女はサングラスをかけて こちらを凝視している
もうひとつ この手紙の奇怪性を 付け加えておく
書かれた文字が 赤いのだ!
日本人なら 赤い字で 手紙は 書かないだろう、、、
もし 純粋に 自分のボンゴ演奏を 聴いてほしくて
たまたま 赤いボールペンしか持っていなくて
この手紙を 書いたと そう肯定的に考えても・・・
諸君なら どうする?
自分なら 手紙より まず話しかけるだろう!
そんなふうに 混乱していく杣を サングラスは見逃さなかった・・・
(続く・・・)
06. 03. 12
朱紅文字の夜① 1stコンタクト
その夜 杣は Sのアシスタントとして
夜のコンサートを終え 帰路にいた
途中で 「味の民芸」で 遅い晩飯をとることになった
杣は 背中に壁がある席につき
Sは テーブルの向かいの席につく
二人は その夜のコンサートを振り返って くつろいでいた
オーダーを取り終わり 料理を待っている時だったと思う
気がつくと 女が 杣達のテーブルの横に立っていて
メモらしきものを 杣の前に置いた
その女の存在は 誰の目にも 違和感を放っていた
180センチくらいの長身で 初老の 外国人の女性
頭には 深々と帽子をかぶり サングラスをしていた
女は メモを残すと 一言も発さずに 自分の席へ戻っていった
その席は 杣の正面 10メートルほど向こうにあった
そして その女のテーブルには 屈強な男が 3人座っていた
屈強な男達の 二人は 杣のテーブルに背を向けて座り
一人が 女の横に座っていた …そして全員 無口だった
奇怪に思われる 女の突然の行動にさえ 興味も反応も示さなかった
杣は 目の前に置かれた 店の紙に書かれた手紙を 手に取る
驚愕を隠せて無いだろう ひきつり笑いで Sに言う
「なんだか こんなモノ もらっちゃいましたね、、、ハハ」
ひととおり 目を通して その手紙を Sにも読んでもらう
『ナニ これ?』
「いや 分かりません、、、 なんかの勧誘でしょうか?」
(続く・・・)
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今日の補足
店内の各テーブルの間には ついたてが立っている
が 顔は十分に見える高さのモノ
杣は 女との間に テーブルがひとつだと記憶していたが
実際には ふたつあった
その間のテーブルに 他の客がいたかどうかは
残念ながら 記憶していない
ただ この距離では 普通の会話を 聞き取ることは出来ない
これを確かめる為に 十年ぶりに うどんを食いに行った・・・
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06. 03. 11
朱紅文字の夜(序) 十年ぶりの現場
その夜について 書いてみたい
うまく伝えることが出来るのか 自信は無い
連載形式にするが 何回になるかも まだ分からない
それは 1996年の ある夜の 僅か30分くらいの出来事
記憶では ずっと 8月だと思っていたが
当時の記録を調べてみると どうやら12月3日らしい
登場人物は 杣と チェンバロ製作家のS
そして 屈強な男3人と 女 である
断っておくが この話にオチは無い あるのは謎だけ
当時の記憶の輪郭を もう少し鮮明にしようと
10年ぶりに 現場に行ってみた
高島平にある 「味の民芸」という店
実際に現場に行ってみると チグハグだった記憶が
少し 修正されてきたのだが
それだけに 女の目的が 余計に分からなくなる
女から渡された手紙に記述してある ふたつの店も 探してみた
駅前の交番や 警察署 地元の同業者にも 聞いてみたが
十年たったからなのか それとも嘘だったのか 存在していなかった
もっとも その店が存在していたとして その女に会えたとして
何を どう聞いて良いかなんて どうせ分からないから
残念だったというより 正直 安堵している
前置きが 長くなったが
十年経った今でも その夜を思い出すと 頭と心が混乱するくらい
ただ ただ シュールなだけの話である・・・(続く)
06. 03. 10
映像の印象
昨日 やっと 今頃になって
荒川選手の イナバウアーを 見ることができた
ジムにある テレビで・・・
普段 情報は ラジオからしか入手できない
テレビの無い生活は 決して不便ではない
耳からの情報は それなりに奥行きがある
そういえば 911の 飛行機が突っ込むシーンも
事件が終わって 一月くらいたってから
出張先の 長野のホテルで 見ることができた
映像のインパクトは 大きい
それだけに それ以上の想像力に
ブレーキが かかる気もする
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今日のオワビ
昨日は プロバイダーの都合で ブログ更新できませんでした
いつになく たくさんのアクセスがあり 驚きました
ニフティの都合で ブログが更新できない時は
掲示板に 「さぶ」という名で 嘆いております
どちらにも 更新が無い場合は
事故か 警察に逮捕された時 と お考え下さい
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06. 03. 09
ブログが投稿できない
実は 今日 3月9日は
ニフティーの都合により
ブログが 更新できませんでした・・・
しかし 毎日更新を 謳っている当ブログでは
そんなコトすると 本部に 怒られてしまうのです!
実は 2005年の12月24日と
今日 2006年の3月9日は
物理的に 更新できなかった日なのです!
ですから こうして どうでもよいコトを
後から書き込んでですね
言い訳を させていただいております・・・
いつまで続くか 分かりませんが
毎日更新 がんばらさせていただきます!
ひとつ よろしく お付き合い下さいませ!
亭主関白
じゃなかった
店主敬白
06. 03. 08
FF⑨ ブリッジ接着
てな訳で 厚みを削った響板に
ブリッジを 接着
この 「広い面に何かを接着する」 作業って
意外に 難しい
面を平らに維持しながら 接着するための力を
上から加えるのだから・・・
杣は 写真のように 響板と同じ大きさの厚い板を敷き
その上に 響板を乗せ 両端からアルミ棒で 圧着している
最初の楽器は ブリッジの上に 鉄アレイとか乗せて
それらの重みだけで 接着していたっけ・・・
クランプのかかる 両端だけは安心できたけど
中央あたりは 接着剤が乾くまで 気がきじゃなかった・・・
んで 今のような方法を 考え出したとさ
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今日のオマケ
http://www.dumpalink.com/media/1118243733/This_8_Year_old_Kid_Would_Kick_your_Ass
凄い気迫! カッコいい! でも こんな子が彼女だったら・・・怖っ!
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06. 03. 07
FF⑧ 響板の厚み
響板は 裏側を削って 厚みを調整する
音の高さで考えるなら
高音が薄め 低音が厚め になる
この音の高さと 響板の厚みの関係は
ヴァイオリンと コントラバスの 表板の厚さを考えれば
誰でも 納得できると思う
さらに ブリッジの位置と
ライナー(うちまわし)に接着される位置も
考慮に入れる
響板全体の 中央が厚く
へりに近づくにしたがって 薄くなっていく
これも 振動のし易さを考えれば 納得しやすい
写真は 今回の響板の厚みの目安を
等高線のようにしたもの
完全に このようになったとは言えないだろうが・・・
ここで別件だが 付け加えて置かなければ いけないことがある!
響板の 音の高さと厚みの関係は 上述したが
現代のピアノは これが逆転し 高音の方が厚い!(理由はいずれ・・・)
現代ピアノほど 広音域の鍵盤を持っている楽器は 他には無い!
現代ピアノほど 内部に20tもの力を内在している楽器は 他には無い!
現代ピアノほど 100gあたりの値段が安い楽器は 他には無い!
様々な要素を 楽器全体で考えていくと
現代のピアノとは 「非常識の塊」 なのである!
∴ピアノからだけの視点では ピアノの本質は 恐らく見えてこないと思う・・・
(・・・あー やっぱ 鬱だわ)
06. 03. 06
FF⑦ ブリッジの製作
弦と 響板の間に 立っているブリッジ(駒)
弦の振動エネルギーを ロスしないという 音響的条件と
弦が屈折する力に ピンがルーズにならないという 力学的条件
という訳で 硬い木材が 用いらている
杣は ここもメープル
次に作る チェンバロでは もう少し内部損失の多い
木材を選択するつもりだが 今回はナイロン弦なので メープル
いつものように ストーブで曲げていく
低音は 幅もあるので 設計通りに曲げるのは困難
で 別の木材を 接着して 整形する
低音側から 見たブリッジ
これを 響板に接着していく
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今日のオマケ
http://www.dumpalink.com/media/1118914779/Great_Soccer_Compilation
杣の 華麗なる フットサル場でのプレーを 集大成してみました・・・(許して!)
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06. 03. 05
06. 03. 04
FF⑥ 響板の整形
接ぎ終わった 響板を ボディに合わせて 切断
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今日の感謝
本日 アクセス数が 2万を越えた!
ヨロブン チョンマル カムサハムニダ!
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06. 03. 03
FF⑤ 響板の接ぎ
平行の板どうしであれば 一度で接ぐことが出来るが
1枚1枚が テーパー(斜め)になっているので
仕方なく 1枚づつ 接いでいく
最初の板の木目は 鍵盤に対して90度の角度 (=弦と平行)
2枚目は 85度
3枚目は 72度
4枚目は 60度
5枚目から高音は 50度
響板の原型が 出来上がった
この後 ボディに合わせて整形し
厚みを削っていく
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今日のオマケ
http://www.dumpalink.com/media/1118503081/Funny_Dances_Compilation
ネコもヒトも コケまくり!
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06. 03. 02
ミッションC:鶴の恩返し
東京 日本橋小学校
アウトリーチ
ホールが 地元の小学校などに出向いて
コンサートを開催し 音楽鑑賞を 身近に感じてもらうイベント
今日は 1845年のウィーンのピアノを運び込み
ショパンの名曲を 文字通りピアノを囲み 時には踊りながら
小倉貴久子の演奏を 楽しんだ
聴衆は 日本橋小学校の4年生
演奏のお礼にと 「鶴の恩返し」という物語を
手話で演じ その後 演奏劇 を披露してくれた
これには 感動した!
かつて ライオンキングという ミュージカルでも感じたが
多数の人間が ひとつになろうとする 求心力のオーラは
とてつもなく 心を揺さぶる!
いい年をした大人が 真昼間から ウルウルしてしまった・・・
こういう時 調律師をやっていて 本当によかった と思う
今日の子供達が 演奏を聴く素晴らしさ
そして 自分達で 演奏する素晴らしさ
そういったものを 大切にしていってほしいなーと 願っている
06. 03. 01
2年生
スポーツジムの屋上のコートで
フットサルを始めて 1年が過ぎた
そもそも 杣は スポーツジムなんぞに行く気なんか
鼻毛ほども 無かった (鼻毛はフサフサだが・・・)
なんで 金払って 自転車こがなきゃいけないんだ? っえ?
筋トレなら 家で 腕立てでもしてりゃ いいじゃん!
そんな 杣が ジムに入ったのは 後輩うららの 一言だった
「先輩 ジムでは フットサルもやってるんですよ!」 『えっ?マジ?』
その 駅前のスポーツジムには すでに
後輩うららと その友人の トモちゃんが ハッスルしていた
筋トレでも 有酸素運動でも 一人で出来る
がしかし フットサルとか サッカーなどの球技は 一人では 出来ない・・・
で 1年前 入会した・・・
20年ぶりの球技は いや 自分の体は 妊婦のようだった・・・
当時の体脂肪は 23%くらいだったと思う
ケンタに言わせると 「杣さん 腹にフェレットがいますよ・・・」
フットサルで 調律師のくせに 右手首 骨折したり
左手首 捻挫したり・・・ (両手 使えないじゃん・・)
まあ いろいろあったが 今日から 2年生になる
ゲイ扱いをされているが まあ バレたと思えば 気にもならない
がしかし 秘密工作員がジムに行くことを 当局に申請すると
「2年以内に 体脂肪を10%に落とすこと」 という条件が ついてきた・・・
あと5% これが達成できないと 収容所送りだしな・・・
FF④ 響板の木目の試み
板には 木目というものがある
いわゆる 冬目と 夏目 と呼ばれている
濃淡のある 線のことだ
この 木目に平行か 垂直かで
そこを 伝播していく 音速の速さや
木材の強度は 数倍の差が出てくる
通常のチェンバロの 響板の木目は 弦と平行になっている ↓
杣は この木目の特性を より生かそうと 弦に斜めにしてきた ↓
だが これまで この斜め響板の弱点として
低音の 木目の長さが短い為に
低音部の響いている面積が 少ないのではと 懸念してきた
それで 今回は 低音部の木目は長く
高音部は 今まで通り 斜めに
という 放射状の響板に 挑戦することにした ↓
はっきり言って この接ぐ過程は とても面倒だ!
でも この効果の結果を知るには 一度は挑戦してみたかったから 仕方無い・・・
低音にはスプルースを 高音にはレッドシーダーを 使用してみる
(専門的になってしまうが 放射状にすることによって
ブリッジに対して 響板の木目は どの音域でも 垂直に近くなる
これが 本来の音速と強度の 杣のねらいである)
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今日のオマケ
http://www.dumpalink.com/media/1119508068/Asian_Guy_Playing_Drums_On_A_Keyboard
立ったままの姿勢で この演奏は 結構 たいしたもんだと 思う・・・
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