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05. 10. 03

10月3日

調律の専門学校 2年生の秋 
20歳の10月3日
杣は 浜松にいた


メンテナンスをする楽器は 
製作してみなければ 理解できないのでは、、、
漠然と そう思っていたので
浜松で ピアノ製作の修行を してみたかった

10月4日に 東洋ピアノと 就職面談の予約をしていた
だが 密かに 別の成績証明書を発行してもらい
別の工場を ダメもとで アタックしてみようと企んでいた


それは 大橋ピアノ研究所
当時 浜松に唯一残された 手作りピアノのメーカーだった
だが 研究生など とってくれないと言われていた

杣は 浜松に到着すると 大橋ピアノに電話を入れた
「調律学校の学生の者ですが、、、」
案の定 研究生はとらないと はねつけられた
「それでは 工場見学だけでも 良いので お伺いしてよろしいでしょうか?」
『それなら OK で いつ来たいの?』
「今 浜松駅にいるので 今から伺います」
『えー!! 君 社会常識ってもん 知ってるの?』

とにかくアポを 取り付けて 大橋ピアノに到着した
ひととおり 工場を見学させてもらった 
大正生まれの翁を中心に 6人の職人だけで ピアノを作っていた

「4月から こちらで修行させていただきたいのですが、、、」
『君もしつこいね! さっきダメだって言ったでしょ!』
しかし 杣は ねばった 
若い情熱だけを 延々とぶつけた

そして4時間後  社長の大橋巌は 笑顔で言ってくれた
 『じゃあ 4月からウチで働いてもらおうか』
...その時の感動は 今でも鮮明に記憶している


そのまま 浜松駅から 電話で
翌日の約束を キャンセルしてしまった
今思えば かなり非常識なことを やったものだ

しかし 20歳の あの日 
あの無謀な行動は 
確かに 今の杣につながっている

大橋での 修行がなければ
自分で楽器を 作ってみようとは
考えなかったと思う


チェンバロのメンテナンスを するようになって
やはり チェンバロを理解するためには
自分で製作してみなければ、、、
そう 思って 6畳の居間で 初めての楽器を 製作したのが6年前

そして 今
杣は まったく新しい楽器を 製作しようとしている


あの日 初めて聞いた 大橋ピアノの音は
とても深く そして 和らかかった
 


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Comments

今度は、どんな楽器を作るのですか?
大いに興味あり、です。

Posted by: 77837 | 05. 10. 03 at 오후 9:57

某閑人さま
お久しぶりです。
以前、浜松にいらしたのですね。
某さんの文面見ていたら、胸が熱くなってしまいました。若いからこそできることってある。そしてそれは”いま”の自分と確実につながっている。私も20代のころのこと、思い出しました・・

Posted by: ちかちゃん | 05. 10. 04 at 오전 11:03

To 77837
フッフッフっ 
新しい楽器は 作ることは作るが
多分 成功はしないだろう、、、
「Fを製作せよ!」で 連載します


To ちかちゃん
きっと ちかちゃんも 20代のころ
フランスに行かれたのでは?
魂の忘れもの 持って帰ってきてください!
杣も 少しずつ 新たなチャレンジをしていくようです!

Posted by: 某閑人 | 05. 10. 04 at 오후 10:31

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